子どもの頃に聞いたことがあった、いえ、一度聞くとトラウマ級の病気…それは寄生虫。細くて長くて、便に混ざって出てくるけど、途中で切れると残りはまた入ってしまうとか、夜中に卵を産みに顔を出すとか、嘘をつくと閻魔大王に言いつけにいくとか、ほとんど妖怪のようなエピソード(?)を聞くにつけ、恐怖におののいていました。
連載「もっとウンコについて話そう!うんコラム 」
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そして私に棲み着かれたらどうしよう…すでにいたらどうしよう…と、何かと体調不良を起こすにつけ、自分のお腹に対して疑心暗鬼になっていたのです。
なぜなら、そう…私は小学校で実施されていた“検便”を、毎回妹のブツで代用し(※うんコラム②参照)、まともに受けていなかったから。(シール式の検査はしています)
だからというわけでもないのですが、まあ健康チェックのためにも出てきたものは観察しますよね?それで一時期、私は悩んでいました。どうも最近、繊維質すぎる気がする。なんだかスジスジが多い。これ、もし虫だったらどうしよう…って。
そこで病院に行って「検便してください」と頼んだのですが、お医者さんはまだ見てもいないのに「虫じゃないよ」と言うのです。それでも「私、検便したことないんです!」と食いさがって検査してもらったけど、違った…。
そんなある日、どーもキレが悪い、なんかぶら下がってる気がすると思って勇気を出してのぞき込んでみたら!白いヒモみたいなものが!やっぱりいたんだ?!
「むしーーーーーー!!!」
叫びたい気持ちを抑え、気を取り直して考えました。そうだ、たしか急につかむと逃げる(引っ込む)って噂だったな。よし、気づかれないようにゆーっくり引っ張って…。
「すぽん」
意外にアッサリ抜けたソレは、噛み切れていないシメジのカサが引っかかっていたのでした。当時、私は歯列矯正でブリッジをつけていて、よく噛めないのにゴボウやキノコなど食物繊維は積極的に食べていたため、そのまんまの形で出ていたのです。
それ以来、ブリッジがとれた今でも、これでもかとよく噛む習慣がつきました。
ライター お紙(おかみ)
広告制作会社にてコピーライターを経験したのちフリーランスに。広告や雑誌で企画、編集、ライターを担当。先祖代々、子どもの頃からの便秘体質のためいつもウンコのことばかり考えているうち、食べ物の重要さに目覚めマクロビオテックなどざまざまな料理を勉強。もともとの趣味であったインテリアや雑貨の蒐集も高じて、カフェを経営していたこともある。
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