【うんコラム⑭】中の人などいない!フタを開ければ怖くない、ボットントイレ克服法

2018-06-07
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臭い話なのになぜかしつこくしてしまう人、お紙です。ボットン便所の話、まだまだ続きます。
最近では山奥の公衆トイレでも、見かけることが少なくなったくみ取り式のトイレ。しかも和式(通称ボットン)。
考えてみると穴があってそこに用を足すだけなのに、いったいなぜ怖いのでしょうか。
昔の人は怖くなかったのでしょうか。

連載「もっとウンコについて話そう!うんコラム 」

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イラスト:なとみ みわ

私の場合、それは子どもの頃に聞いた怪談が影響していました。
夜中にお侍さんが厠にしゃがんでいると、中から手が出てきて、スッとお尻をなでられた、という話。大人になって友達に聞いてみると、多少バリエーションはあるけれど、落語や昔話などでも同じような話が何種類かあるようです。
なぜ怪談が生まれるのでしょう。それは中が見えない、暗い、落ちたらどうしよう(これがいちばん怖い!)等々、想像が追いつかないものだからではないでしょうか。

私はとにかくトイレの中から何か出てくることが怖い!と思っていたので、用を足している間、常に穴の中を凝視していました。…だけど、見えない。どんなに目を凝らしても穴の底など見えない!深さが分からないというのも、怖さを増幅させる要因です。


でも大学生になって、ボットン便所の家に住んでいたある日、私は大事なベルトを、その穴に落としてしまったのです。ブランドものでけっこう高かったのに…。
拾ってどうにかなるとも思わなかったけど、往生際悪く、くみ取り口を見に行ってみました。それまではくみ取り式トイレの構造など考えたこともなかったけど、住んでいると時々バキュームカーが処理に来るので、フタがどこにあるかも分かっていたのです。

思い切ってフタを開けると、さっき落としたベルトがゆら~りと浮かんでいました。棒で引っかければ取れるけど、人としての尊厳がそれを許しませんでした。ごめんなさい…さようなら…私のベルト…。


しかしこの時、初めて見たくみ取り式の内部は拍子抜けするほど単純なものでした。
底なしの闇だと思っていたけど、意外に浅い、そして狭い。万が一落ちたとしても、もしやそれほどキケンじゃない…?(汚いだけで)そしてその穴に落ちるほど、私もう細くない(笑えない)…。こんなとこから手が出てくるわけないじゃない!なんだかおぼれると大騒ぎしていたら、足のつく子ども用プールだった、みたいな気分。

怖いのは知らないから。でもしくみを知ると怖くなくなる、これを「克服」というのだ!
大事なもの(ベルト)は失ったけれど、それと引き替えにトイレが怖くなくなったのだから、良い授業料だった…と自分を慰めました。


そもそもお通じに一喜一憂している今、家の中で一番感謝すべき場所なのに、怖がっていたなんて失礼な話ですよね。というかもっと早く、子どもの頃に克服していれば、どんなに人生が自由で楽しかったことでしょうか。
私の世代には、同じ悩みを抱えている子もいたでしょうから、小学校でボットントイレの構造も教えてくれればよかったのに。(でも怪談や都市伝説が流布するのも学校)

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