以前、ウンログで「書店や図書館に行くと便意を感じる」というアンケートがありました。じつは私もそのひとり。
理由は、本=紙のニオイ=トイレという条件反射説や、紙とインクの揮発性物質説、リラックスして副交感神経が優位になるからという心理説などなど諸説あり、人によっても違うのかもしれません。
連載「もっとウンコについて話そう!うんコラム 」
記事一覧をみる
子供の頃、よく遊びに行っていた従姉の家のトイレには、マンガ雑誌がずらーりと並べてあって、そこに行ってマンガを読んでいるうちにお通じがあった、ということが何度かあり、その従姉の家はお気に入りのマーキング地点でした。
家でもマネしてみたかったのですが、うちは父が新聞を持ってトイレに入るのはOKだったのに、私が本や漫画を持って入るのはNGで、見つかるとこっぴどく怒られるのです。何とか許されたのは世界地図と歴史年表を壁に貼ることぐらい。
というわけで便意につながる理由は、活字によるリラックスなのか紙の匂いなのか不明のままですが、もはやおまじないの要素も含め、トイレに本を置くのが憧れになっていました。
実家を出て自分が家の主になれば、やりたい放題できると思っていたのですが、最初に住んだ家は共同トイレ、次の家はユニットバス(本が濡れる)だったので、夢が叶ったのは大人になってだいぶ経ってからでした。
本が置けるトイレになって、最初に置いたのは百科事典。
実際にそれを読むかというとあまり手に取ることはなく、本は置きたいけどインテリアも意識したいという往生際の悪さ。
そのうちマンガや文庫本も置くようになったのですが、いったんトイレに置いた本は持ち出すのに躊躇してしまうので、捨てる前に溜めておく場所になってしまいました。
べつに紙にウンコがついているわけでも、ニオイがついているわけでもないのに、なぜそんなルールになるのか自分でも分からないのですが…。
しかし図書館には広くてキレイなトイレが併設されていることが多いけれど、本屋さんにはあまりない。というかむしろ逆。貸してくれないところさえあります。
長居されたら困るから?万引き防止?などなど事情は拝察いたしますが…。
最近はカフェやラウンジを併設している居心地のいい本屋さんがたくさんできているのに、そういうところでもトイレはおざなりだったりします。
本があるうえにくつろげるなんて、便意につながる要素がありすぎるのに、トイレが粗末なんて悲しすぎる!
コンフォタブルなトイレを備えた本屋さんができて欲しい!と熱望する昨今です。
ライター お紙(おかみ)
広告制作会社にてコピーライターを経験したのちフリーランスに。広告や雑誌で企画、編集、ライターを担当。先祖代々、子どもの頃からの便秘体質のためいつもウンコのことばかり考えているうち、食べ物の重要さに目覚めマクロビオテックなどざまざまな料理を勉強。もともとの趣味であったインテリアや雑貨の蒐集も高じて、カフェを経営していたこともある。
この著者の他の記事を読む- イラスト:なとみみわ