前回、秋になるときのこ狩りに出かける話を書きました。きのこって、探し始めはなかなか見つからないのですが、不思議なことに最初の1個を見つけると、次々に見えてくるようになるのです。
連載「もっとウンコについて話そう!うんコラム 」
記事一覧をみる
これを業界用語(?)で「きのこ目になる」と呼んでいるのですが、こうなるともう地面ばかり見てしまい、道や時間を忘れてしまいそうになるので要注意。
でもこの時、もうひとつ注意しなければならないものがあります。それは動物のウンコ!
都会の道路で踏まないようにする、キレイとかキタナイとかいうレベルの理由ではありません。
相手(の動物)によっては生死に関わる大問題!
そして地面がアスファルトではなく土、しかも枯葉が積もっていたりするので見落とさないようにしなければ。
九州育ちの私は、野生動物のフンといってもせいぜいタヌキや大きくてもイノシシくらいで、それほど恐怖を感じたことはありませんでしたが、北の方ではもっと大きな動物がいるんですよね。
それは…クマ!!!
ある秋、北海道の森を散策していた私は、路の脇に、泥のように黒く大きな塊を見つけました。
土を掘り返したのかな?でも周囲の土とはちょっと質感が違うような…。はっっ!こ、これはもしや…動物の…?
こんな大きなフンをするならきっと体も大きいはず!キケン!と本能的に察知し、脱兎のごとくその場を離れました。(後で調べたらやはりクマのフンでした)
その後に遭遇したエゾウサギも大きかった(脱兎にかけてますよ、気づいてますかー?)…犬かと思った…。さすが北海道は何もかもでっかいどう。
それ以来、きのこ目と同じように、ウンコも気になりだすとどんどん目につくようになりました。(でもこれはウンコ目とは呼びたくないですね)
ほかにも木の実がゴロゴロ混ざっているのがあったり、動物のウンコって特長があっておもしろい。キラキラとエメラルドグリーンに輝く塊があったので「キレイなウンコだな~」と思って写真に撮っていたら、地元の人が「それはキタキツネのフンだよ」と教えてくれたので棒でつつくのは自粛しましたが(エキノコックスがいるから)、なぜ光り輝いているのかというと、食べた甲虫の殻を消化しきれずに排泄するからだそうです。
姿を見せる前にウンコで縄張りをアピールする動物たち。なんて奥ゆかしいんでしょう。
それにしても広大な自然の中でさえ、ついつい下を向いて地面にある小さなものばかり見てしまう私。
ウンコやきのこ以外にも、スケールの大きな話ができる人間になりたいです。
ライター お紙(おかみ)
広告制作会社にてコピーライターを経験したのちフリーランスに。広告や雑誌で企画、編集、ライターを担当。先祖代々、子どもの頃からの便秘体質のためいつもウンコのことばかり考えているうち、食べ物の重要さに目覚めマクロビオテックなどざまざまな料理を勉強。もともとの趣味であったインテリアや雑貨の蒐集も高じて、カフェを経営していたこともある。
この著者の他の記事を読む- イラスト:なとみみわ