禿おやじさん(男性・60歳代・無職)
会社勤めをしていた時の話です。
私は健康のために、会社の最寄り駅から2駅前で降りて通勤していました。
その朝も、いつも通り2駅前で電車を降り、会社に向かっていたところ、猛烈な便意におそわれました。会社までの徒歩で30分程の行程の半ばでの異変でした。
周りは工業団地で公衆トイレはありません。しかし会社までもちそうもなく、仕方がないので歩道から離れ、運河沿いのグリーンベルトに駆け込み、遊歩道から茂みに入り誰もいないのを確認してから、ズボンを下げ用を足しました。
安堵感に包まれたものの……
ほっと安堵の胸をなでおろし、ティッシュと取り出しお尻の始末をしていると、木々の間に遊歩道をジョギングして近づく中年の女性が見え、無防備な姿のまま固まってしまいました。まさに「ヤバイよ!ヤバイよ!」でした。
人間というのは窮地におちいると変な行動をするのですね……。お尻を出したまま、出した物を避けながら地面に這いつくばったのです。情けないなんて思いませんでした。とにかく見つからないでくれ!という一心でそうしていました。
祈りが通じたのでしょう、ジョギング女性は背中を見せ、遠ざかって行きました。私はもう一度ティッシュで後始末をし急いで遊歩道を離れ、何事も無かったように会社に向かいました。
あんな緊張する局面にはもう遭遇したくありません。
イラストレーター とげとげ。
元ナースのイラストレーター&漫画家で雑誌や広告を中心に描いています。育児、健康、美容ネタが得意でエッセイマンガも描きます。
公式サイト「TogeTogeToge.」
ブログ「ママまっしぐら!」