3人に1人が受験時に「お腹の悩みがあった」!入学試験とお腹の悩みに関する実態調査

腸内環境をうんちによって可視化し、健康管理をサポートするうんち記録アプリ「ウンログ」を運営するウンログ株式会社(東京都渋谷区 代表取締役・田口敬)は、ウンログユーザーの男女3,000名を対象に「入学試験とお腹の悩みに関する実態調査」を実施しました。

調査の結果、大学入試において病気や障害によって試験会場でさまざまな配慮を受けることができる「受験上の配慮」について、85%の人が存在を「知らない」ことがわかりました。また、受験時にお腹の悩みを抱えていても、多くの人が相談できない・相談することを諦めて我慢しているという実態も見えてきました。

調査の背景

ウンログは、理解されにくいさまざまなお腹の悩みを多くの人が認知・理解するきっかけ作りと、受験生にとってより良い受験機会を創出するために本調査を実施しました。

受験時に緊張やストレスなどによって「お腹を壊してしまう」のは、誰もが聞いたことがあるポピュラーなトラブルのひとつです。緊張やストレスによって起きるお腹のトラブルは、過敏性腸症候群(IBS)の症状の一部とも考えられます。過敏性腸症候群(IBS)は、10人に1人の割合で発症するとされる、有症率の高い病気です。しかし、見た目にはわかりづらいため、周囲から理解を得られなかったり、本人も自分の病気に気づくことができず対処することができなかったり、ひとりで苦しんでいる人が多いのが現状です。

受験においては、過敏性腸症候群(IBS)も申請によって「受験上の配慮」を受けることができます。しかし、お腹のトラブルはセンシティブで相談できないことも多く、見えないだけで困っている人が数多くいるのではないかと考え、アンケートによってその実態を調査することにしました。

調査結果のサマリー

◆「受験上の配慮」の存在を85%が「知らない」と回答。
◆3人に1人が受験期にお腹の悩みが「あった」。症状は「腹痛」、「下痢」など。
◆約80%がお腹の悩みについて周囲に「相談しなかった・相談できなかった」。理由は「諦めてしまった」。

調査結果

「受験上の配慮」に関する認知度

1. 「受験上の配慮」の存在を85%が「知らない」と回答。

「受験上の配慮」について、その存在を知らないと回答したのは85%にのぼりました。「知っている」と回答した15%のうち、実際の利用者は1%未満でした。

受験期のお腹の悩みの実態

1. 3人に1人が受験期にお腹の悩みが「あった」。症状は「腹痛」、「下痢」など。

受験をしたことがある人のうち、3人に1人に当たる31.7%が受験期にお腹の悩みがあった、と回答しました。具体的な悩みは、「腹痛」と「下痢」の割合が多く、過敏性腸症候群(IBS)と回答した人は18.5%となりました。

2. 対策は「特に何もせずに我慢する」が38.4%

お腹の悩みがあったと回答した人に、どのように対策したかを聞いたところ、「特に対策せずに我慢する」が38.4%と最も多くなりました。

3. 約35%が試験会場で”お腹の薬”を使用。

受験会場でお腹の薬を利用した人は34.1%。そのうちの約半数にのぼる50.1%が「下剤」を使用したと回答しました。

学校生活における配慮の実態

1. 約80%がお腹の悩みについて周囲に「相談しなかった・相談できなかった」。理由は「諦めてしまった」。

受験期にお腹の悩みについて周囲に相談した人は、21.0%にとどまりました。約8割が相談できなかったと回答しましたが、中でも54.1%にのぼる半数以上は「相談できる場所や相手がいなかった」と回答しました。

相談できなかった理由について、「諦めてしまった」が1位で86.7%。「恥ずかしい」という理由も割合が高くなりました。排便やお腹の悩みについては、心理的ハードルが高く、周囲に相談できなかった人も多くいることがわかりました。

一方で、相談したと回答した人の相談相手は、「親」が90.6%で最も多く、「学校の先生」は3.1%にとどまりました。

2. 受験上の配慮に必要な「学校での配慮実態」。何かしらの配慮をしてもらっていた実態がある人は8%。

お腹の悩みに対して、学校生活で配慮の実態があったと回答した人は8%にとどまりました。具体的な配慮の内容として最も多かったのは「授業中にトイレに行って良い」で、40%となりました。

過敏性腸症候群(IBS)の認知度と実態

1. 過敏性腸症候群(IBS)について、認知度は85%。

過敏性腸症候群(IBS)の認知度は、85%と比較的高いことがわかりました。4人に1人は具体的な症状も知っていると回答。一方で、60.1%は「名前は知っているが、具体的な症状や対策は分からない」と回答しました。病名は知っているものの、多くの人は有病者に対してどのような配慮を行うべきなのか分からない、という現実が見えてきました。

2. 約30%がIBS候補者?「病院受診はしていないが、自分はIBSだと思う」。

過敏性腸症候群(IBS)と診断されたり、疑いがあるかどうかを聞いた。「確定診断されている」と回答したのは5.9%、「検査はしていないが疑いがあると言われている」が6.2%と、12.1%は病院を受診していることがわかった。一方で、1/4をしめる26.7%が「病院受診はしていないがおそらくそうだと思う」と回答。何らかの悩みを抱えたままにしている実態がわかった。

3. 「IBSの疑いは全くない」と回答した人も、40%以上が「ストレスなどでお腹の調子が悪くなることがある」。

また、「全く疑いはない」と回答した人でも、半数に近い42.3%が通勤中、会議前、ストレスなどで「お腹の調子が悪くなることがある」、と回答。過敏性腸症候群(IBS)を疑うほどではないとしても、お腹の悩みを抱えていることがわかりました。

調査概要

実施時期:2021年12月29日〜2022年1月5日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象:ウンログアプリを利用している10〜60代の男女

うんちを健康のバロメーターに。痛みを想像できる知識啓蒙を

本調査を通じて、受験時に必要な配慮を受けることができる「受験上の配慮」について、認知度が非常に低いことがわかりました。また、3人に1人が受験期にお腹の悩みを抱えていること、それを多くの人が相談できずに我慢してしまう、という実態を可視化することができました。

今回の調査では、過敏性腸症候群(IBS)の認知度は85%と高かったものの、その具体的な症状や対策は知らないという人が6割にのぼりました。症状や対策を知らないということは、実際の配慮内容についても分からない、想像できないと考えられます。まずは、多くの人に過敏性腸症候群(IBS)について知ってもらうことが重要だとわかりました。

過敏性腸症候群(IBS)は、周囲からは非常にわかりづらく、症状もさまざまのため当事者同士も理解が難しい病気です。相互理解のためには、有病者が自己開示することが重要ですが、排便やうんちに関することは、「汚い」、「恥ずかしい」などのネガティブイメージが強く、相談しづらい環境であることが現状です。

ウンログは、”うんち=汚い、恥ずかしい”ではなく、体温などのように”うんち=健康のバロメーター”であるという新たな健康管理の指標として、ポジティブなイメージに転換することを目指して参ります。

過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群(IBS)は、腸の内臓神経が何らかの原因で刺激に対して過敏な状態になり、さまざまな便通異常を起こす病気です。10人に1人の割合で発症する有病率の高い疾患で、10〜40代で発症することが多いです。日本では約1,200万人が罹患していると考えられており、消化器内科の受診患者の半数を占めると言われることもあります。

具体的な症状は人それぞれ異なりますが、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感などが慢性的におこります。そのため、通勤や通学の途中に便意を感じて電車を降りなくてはいけない、授業や会議を便意で抜けなくてはいけない、お腹が張ってオナラを我慢できず出てしまう、など生活に支障をきたす場合もあります。

過敏性腸症候群(IBS)は、腸内の炎症や潰瘍などの異常が認められません。発症原因の詳細は解明されていませんが、ストレスや生活習慣が原因と言われることが多いです。対策として、食生活の改善・生活習慣の改善、ストレスの緩和などが必要となります。

「受験上の配慮」とは

大学入試において、病気、負傷、障害などのために、受験上の配慮を希望する志願者に対して、申請に基づいて審査の上で許可された受験上の配慮を受けることができる(※配慮内容、申請方法などについては各大学により異なります。)。高校入試などでは”合理的配慮”と呼ばれる場合もある。過敏性腸症候群(IBS)の場合は、別室での受験や、トイレに近い試験室を指定できる、などの配慮を受けられる場合がある。

申請については、各大学や団体によって異なるため、ウェブサイトなどで確認をしてください。

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