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日本人の味方、納豆で腸を元気にしよう

独特の粘りとにおいが日本人を助けてきた

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朝のおかずの定番品、納豆。 日本の伝統食であり、古くから日本人の貴重なタンパク源として愛されてきました。 独特の粘りと風味はもちもちした日本の米との相性が抜群で美味しい…でも、なかなか外国人には受け入れてもらえない食品でもあります。 栄養価が高いことでも知られる納豆ですが、実際にどのような効果があるのでしょうか。納豆の意外な活用法も交えながら、紹介していきます。

腸がきれいになる納豆菌のパワー

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納豆が体に良いとされるのは、納豆菌、ナットウキナーゼ、ビタミンKが含まれている点が大きいでしょう。

納豆菌

納豆は大豆に納豆菌を植え付け、発酵させることで作られます。 その納豆菌は、腸内でビフィズス菌などの善玉菌を増やす働きがあり、また悪玉菌を抑制してくれるので、腸内環境を整えるのに役立ちます。 大きな特徴はその強さです。 乳酸菌やビフィズス菌は腸に届く前に胃酸によって失われることがあり、腸内に届いたとしても長く留まることはできません。ですから効果を持続するためには、定期的かつ頻繁に摂取する必要があります。 対して納豆菌は酸に強く、腸内でも長く生きられます。納豆を冷凍してストックする人もいるかと思いますが、冷凍しても納豆菌は生きていられるんです。 抗菌作用にも注目。 納豆菌は病原性大腸菌を死滅させるほどの力を持ち、食中毒予防に効果があります。納豆菌をカビ対策や防臭に活かす製品もあるほどです。

ナットウキナーゼ

納豆菌が大豆を発酵させる際に生成される酵素のひとつ。 次の章で解説します。

ビタミンK

体に傷ができると、血がかさぶたになって止血してくれますよね。ビタミンKはそうした血液凝固作用を正常に保つために欠かせない栄養素なんです。 さらに、骨の形成や、心臓病・動脈硬化を予防するタンパク質を活性化したりと、健康維持には不可欠なビタミンです。 ビタミンKにはK1とK2がありますが、納豆に含まれているのはK2。数多の食品の中でトップクラスの含有量を誇ります。

血液サラサラを実現するナットウキナーゼ

ナットウキナーゼとは、あのネバネバに含まれているタンパク質分解酵素のこと。 最大の働きは血液サラサラ効果でしょう。 体内で血栓となり、血管を詰まらせる可能性のあるタンパク質を溶かしてくれます。溶かすだけでなく、血栓を溶かす酵素の活性化や、酵素を作り出す組織を増やす、血栓溶解を阻止する物質を分解するといった働きもします。 ただ、注意したいのがビタミンKとの関係です。 ビタミンKには血液凝固作用を促進する働きもあります。ビタミンK自体は前述の通り体には必要な栄養素なのですが、血液サラサラ効果を最大限活かしたい人は、ナットウキナーゼを抽出したサプリメントで取り入れるのがよいでしょう。

恩恵を受けるのは人間だけじゃない! 環境への効果も

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人間にとっては栄養価の高い食べ物である納豆ですが、環境面でも役立つのではないかと研究が進められています。 タンパク質を分解でき、殺菌作用も高いことから、納豆菌を含ませたブロックを川や水槽に置くことで藻の発生を抑制したり、魚のフンによる汚れを軽減するなどの浄化作用が期待できます。 さらに発展させた利用の仕方も。 納豆のネバネバした糸はポリグルタミン酸と呼ばれる物質で、これに放射線を照射することで、ゲル状の物体に。さらにそれを凍結・乾燥し粉末化することで樹脂として使えるようになります。 この樹脂は3000倍の水分を吸収できる優れた吸水性を持つことから、おむつや化粧品への利用が進められています。 吸水力があると同時に保水力も高く、農業で活用されています。冬に水が凍結してしまう寒冷地で、肥料づくりなど水分量を安定させる必要がある分野で役立っています。 植物の種や肥料と一緒に地中に埋めることで、乾燥地帯での植物の発芽を実現させたという実験結果もありますから、将来的には砂漠化を食い止めるカギが納豆になるかもしれません。 樹脂をプラスチックの代わりに用いることで、土の中で微生物に分解される、環境に優しい容器を作れる可能性も。

最後に

昔から日本人に愛されてきた納豆には、そうなって当たり前の高い健康効果がありました。 腸内環境を整える・血液をサラサラにするといった効果は、食の欧米化が進み、食物繊維不足・脂肪過多などで便秘や下痢、高血圧に苦しむ現代人にこそ必要なものでしょう。 納豆のパワーを感じながら、あのネバネバと風味を味わってみてくださいね。
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