腸活系商品やサービス、腸活につながる研究などをおこなう企業におうかがいし、担当の方にインタビューする企画「腸活企業に潜入!」。
第25回となる今回は、健康志向の消費者に向けた「玄米シュレッド」と「玄米ヨーグルト」について、株式会社神明の営業本部 クロスセル商品開発室 マネージャーの上野大吾さんにお話をうかがいました。
お米に真摯に向き合ってきた神明が新しく展開をはじめたふたつの商品にこめたおもいや開発の背景についてお聞きしました。
(※)腸活とは、健康維持するために腸内環境を整える様々な生活習慣を指します
「神明」創業ストーリー


今日はよろしくお願いします!まずは、株式会社神明の会社について教えていただけますか?

神明は1902年(明治35年)に、現代表取締役社長・藤尾益雄の曾祖父が神戸で米穀商(=米を中心に穀物を売買する店)を創業したのがはじまりです。

創業から120年を超える長い歴史の中で、日本の農業や食文化を守るための活動に注力されていますよね。

そうですね。農業従事者の高齢化と後継者不足により、水田の維持が困難になっています。また、米の消費量減少による水田の縮小も進んでいます。この状況を食い止めるため米の消費を増やし、日本の水田と文化を守るという想いで活動しています。

2007年に現在の社長が就任されてから、生産地から食卓までをつなぐ『アグリフードバリューチェーン※』の構築を目指しているというのを拝見しました。
※「アグリフードバリューチェーン」とは、食の流通を1本の川に見立て、川上(生産地)から川中(食品製造業・流通)、川下(食卓や外食産業)を繋ぐ全体の構造のこと。一貫した食の流通を構築することで人々の食生活に貢献し、農業活性化に寄与していきます。

創業当初から生産者と消費者をつなぐ役割を担っていますが、現社長は2007年の就任当初から、日本の農業を取り巻く環境に強い危機感をもっていました。さらに、社会情勢の不安定化による食料危機が現実的なものになりつつあると見越して、ビジネスモデルの変革を行ってきました。そこで現在では農業だけでなく、加工食品の展開や外食事業も展開し、市場を増やしていく事業活動も担っています。
コロナ禍に生まれた玄米食品への挑戦


加工食品の展開のなかで、今回お話を伺う「玄米シュレッド」と「玄米ヨーグルト」を開発されたと思いますが、開発のきっかけを教えてください。

この二商品は、コロナ禍をきっかけに誕生したんです。2020年以降、コロナ禍により生活が大きく変化しました。外出に関する支出は減少する一方でいわゆる「巣ごもり消費」が増え、そのなかで生活者の方たちの健康意識が高まったんです。また、玄米食品は健康志向だけでなく、環境負荷軽減という観点からも注目されています。さまざまな消費行動や健康意識への注目があがるなかで、当社からの答えのひとつとして、健康的で環境負荷の低い米粉を使った食品を世の中に提供し、社会に貢献していきたいという考えが開発の背景にはあります。


米粉商品がなぜ環境負荷を下げるんでしょうか?

チーズやヨーグルトの乳を作るために牛乳を使いますが、その牛のゲップに含まれるメタンガスが温暖化に影響を与えているという研究結果からですね。そのため、乳代替を想定しています。また、世界的な人口増加によって将来的にタンパク質が不足し、その対応策のひとつとして昆虫食が話題にもなりました。近年の円安や物価高から食の安定に興味関心が上がり、植物由来の原材料を使って作る「プラントベースフード」市場が成長している時期でもありました。

そのような背景があったのですね。さまざまな商品があるなかで、米粉を使ってシュレッドとヨーグルトを開発しようと思ったのはなぜでしょうか?

開発にあたり、普段から植物性食品をとっている生活者の方へのインタビューを重ねました。そのなかで、「毎日の生活の中でからだに良いことをしたい」という声や「健康診断の結果を気にする」方、「動物性のものをとるのを控えたい」という方が多いということを知りました。そういった方が毎日の生活でとるのがヨーグルトだったり、さまざまな料理に活用できるチーズだったんです。

なるほど。

特に玄米は白米に比べて食物繊維も豊富です。健康意識の高い方々の声を受け、手探りながらも商品化に向けた取り組みを進めてきました。
「健康的で環境にも優しい」玄米商品の開発


玄米シュレッドは、どのような商品でしょうか。

玄米由来の米粉をベースにしています。玄米粉と植物性の油を使っています。他にも酒粕など細かい原料が入っているんですが、最後に水と混ぜて作っています。

チーズではなくシュレッドとうたうのはなぜですか?

乳等命令という、乳成分を使用していない場合に“チーズ”という名称を使えない規定があります。「玄米シュレッド」は乳成分を使用していないこと、また、シュレッダーに通したような細かな短冊切りという意味のシュレッドを使用しています。

だからシュレッドなんですね。

見た目は、一般的なチーズシュレッドとほとんど変わらず、トーストなどに乗せて焼くととろけるような食感が楽しめます。例えば、ピザやグラタン、さらには野菜を使ったチーズフォンデュなど、家庭料理の基本シーンでお使いいただくことを想定しています。もしよろしければ召し上がってみてください。

牛乳で作ったシュレッドに比べてあっさりしていておいしいです!

ありがとうございます。チーズに近い食感や風味を、植物由来の素材で実現するのも課題でしたが、玄米の風味も感じられる全く新しい商品が完成しました。


もうひとつの玄米ヨーグルトは、どういった商品でしょうか。

玄米ヨーグルトは、玄米の米粉をベースに作った「玄米ミルク」に乳酸菌を加え、発酵させて仕上げています。何といっても玄米特有の優しい甘さと食物繊維の豊富さも特徴です。よろしければこちらも召し上がってみてください。

さっぱりしていますがおいしいですね!玄米の味わいも感じます。これは個人的にとても好みです!もう少し作り方を詳しく教えていただけますか?


玄米ヨーグルトは、水に米粉を溶かしてやさしい甘さの玄米ミルクをまず作ります。そこに乳酸菌を添加して加工し固めたものです。こちらは、乳酸菌で発酵させているので、ヨーグルトとうたっています。乳酸菌とオリゴ糖を含む玄米ヨーグルトは、日々の生活に取り入れやすい食品です。

発酵性食物繊維のイヌリンも入っているんですね!

乳製品をとるとお腹を壊してしまう方など乳製品を控えたい方のために、健康においしい選択肢を提供しています。朝食や間食、腸活を意識した食生活に取り入れていただけるかなと思いますね。例えば、グラノーラやフルーツと合わせたり、そのままスプーンですくって手軽に楽しんでいただけます。あとは、意外な食べ方として、梅との相性がよかったり、醤油をかけた冷奴のような食べ方もおすすめです。

たしかに!和食との相性も良さそうです!
願いは「お米をもっと食べてもらう」こと


最後に、玄米ヨーグルトをどのような方にお届けしたいか、またどのような未来を予想してください。

私たちがこの商品を届けたいのは、情報感度が高く、普段から植物性ヨーグルトなどを食べている方や、健康やライフスタイルにこだわりを持つ方です。玄米を使ったヨーグルトやシュレッドはどんな味なのかイメージが付かない方も多いと思うので、店頭での試食販売も積極的に行っています。

どんな感想をいただいていますか?

健康診断の結果を気にされる方や、動物性脂肪のものは食べるのを控えるように担当医から言われた方などが手に取っていただきましたね。パッケージも手に取って楽しくなるようなデザインです。まだまだ販売チャネルは限られているんですが、イオンさんや東急ストアさんの一部などでも並んでいるかと思いますので、健康的なものを求めている方には手に取っていただき、リピートいただけるんじゃないかなと思いますね。


リピートをしたい人は多いんじゃないかなと、お話を聞いてなおさら感じました!

玄米は、完全食や完全栄養食といわれることがあります。お米の発芽に必要なすべての栄養素が入っていて、食物繊維は白米より多いので、食事による水分補給を助けてくれます。

日常的に食べることの多いヨーグルトやシュレッドが玄米由来になるだけで、健康にも気をつかえるのは嬉しいですね。最後に、玄米シュレッドと玄米ヨーグルトが気になっている方へコメントをお願いします。

私の願いはシンプルで、「お米をもっと食べてください」ということですね。玄米ヨーグルトと玄米シュレッドは健康を考えるだけでなく、環境にも配慮した選択肢のひとつです。日本の農業と食文化を守り、お米や玄米の新しい価値を再発見していただければと願っております。
商品情報はこちら
玄米シュレッドと玄米ヨーグルトは、健康を意識する方にはもちろん、環境や食の未来に関心がある方にもおすすめしたい商品です。
手軽に毎日の食生活に取り入れられるので、お米の新しい可能性を感じてみませんか?
気になる方は、ぜひチェックしてみてください!👇
■神明HP:https://products.akafuji.co.jp/madefrom-genmai/index.html