「歩く名刺」ポスチュアウォーキングを広めている高橋志保さんに話を聞いてきたよ

「歩く名刺」ポスチュアウォーキングを広めている高橋志保さんに話を聞いてきたよ

心とカラダの姿勢が良くなる美しい歩き方「ポスチュアウォーキング」。今回は、ポスチュアウォーキング協会公認スタイリストである高橋志保さんに、始めたきっかけや歩き方のコツを伺いました。体型の変化をきっかけに、自分が本当にやりたいことを突き詰めた結果出会ったというポスチュアウォーキングのお話は、「歩き始めなきゃ損」だと思わされますよ。

■人の目を惹く「ポスチュアウォーキング」とは?

—今回、ポスチュアウォーキングについてお伺いしますが、まず、部屋に入ってこられて歩いているのをちょっと見ただけで、何か普通の人とは違う、華がある雰囲気は感じました。

高橋さん

ありがとうございます。ポスチュアウォーキングのポスチュアは、英語で「posture」=「姿勢」という意味なんです。このウォーキングは、もともとKIMIKOという女性が作ったメソッドで、現在では全国で80名ほどいるポスチュアウォーキング協会公認スタイリストが、皆様に「心と体の姿勢を健康で美しくする歩き方」としてお伝えしています。
—そう聞くとつい、姿勢が伸びちゃいますね。いただいた名刺の裏に、「人生は姿勢でキマル!」とも書いてありますし。でも、 私自身は正直、意識的に歩くことをしたことがなかったです。

高橋さん

ほとんどの方がたぶん、日々歩くということに無意識だと思いますよ。でも例えば、お仕事で色んな方と会う時にも、「なんかあの人素敵。話してみたいな」って思われた方がいいじゃないですか。中身が一番大事なんですけど、でも中身を知ってもらうためにはやっぱり「あの人とお近づきになりたい」と思われた方が絶対に良いので。だから私達は、ポスチュアウォーキングが身につくことを「歩く名刺」と言っています。
-ポスチュアウォーキングを始めたきっかけは何ですか?

高橋さん

4年前に太っちゃったんです。一気にではないんですけど薄皮を一枚一枚覆うように太っていって。「なんか私ちょっと太った?」って思いながらそのままにしていたんですが、ある日写真を見た時に「太ってる、これ前に履けてた洋服も絶対に入らなくなってる」と思って。何かダイエット始めようとご飯を少しおさえたりしたんですけど、どんどん太っていくんですよ。これはもう、動かなきゃダメだなと。
でも、ジムとかジョギングは動いている時はいいんだけど、準備と後片付け、行くまでたくさん荷物を持っていかなきゃいけないことが面倒で、自分には合わなかったんです。そんな時に紹介してもらったのがポスチュアウォーキングでした。着替えてもいいけど、ちょっと動きやすい格好であればそのままでもできますし、自分で日々意識すればいい効率の良さが私に合いました。
それに、やり始めたらとても楽しかったんです。ポスチュアウォーキングは4年前に出会ったんですけど、現在までの4年間で約10キロ痩せました。体重より、見た目の変化の方が早かったですね。そのあと教える立場になりました。

■ポスチュアウォーキング3つのポイント

—ダイエットを始めるとなると、ジムで運動したりすることだと思っていました。でも、正しい姿勢で歩けたら痩せることもできるなんて、良いことばかりですよね。具体的には、どのようにして歩くんですか?

高橋さん

ポイントとしては「絶対美脚角度で立つ」、「歩く時は、後ろ足が主役」、「目線をあげる」の3つです。
①絶対美脚角度で立つ

高橋さん

かかとをつけて、つま先を女性はこぶし1個分、男性はこぶし1個半分くらい開いて立ってください。これが「絶対美脚角度」というものです。
そのあとつま先立ちになって、すこし遠くを見てゆっくり降りてくる。すると、ちょっと前のめりになると思うので、頭をかかとの上に乗せるイメージで少し重心を後ろにもっていきます。

高橋さん

一度、膝を少し曲げて、そのあときゅっと膝を伸ばして立ってみてください。お尻もきゅって締まると思うんです。お尻って筋肉なので、使わないと垂れるんですよ。では次に、内股にして同じようにやってみてもらいたいんですが、さっきより絶対締まらないと思うんです。だから、内股はお尻が垂れるんですよ。内股がかわいいと思ってやってもいいのは、10代まで(笑) 
あとは、絶対美脚角度で立つと、足の腿の内側をつける力が入りやすいので、O脚気味の方などは意識しておくと、クセでOに開いている膝が締まってきます(でも無理は禁物です)。
②歩く時は、後ろ足が主役

高橋さん

後ろ足で、ぐっと後ろに押し出すようにして歩きます。
後ろ足を意識して歩くと、自然と歩幅も広くなります。ぐっと押し出そうとすると、腰が前に出ちゃう人がいるんですけど、そこを下腹部を締めてくっと引き上げるようにする。立つ時も一緒です。ずっと立っていると腰が痛くなる人もいると思うんですけど、ちゃんと立つだけで、腰痛にもなりにくくなります。
③目線を上げる

高橋さん

何をとっても、実は一番大事なのことは視線を上げることです。視線を上げると、頭が踵の上にのり、まっすぐな姿勢を作ることができます。

■大事なのは歩き方を生活に根付かせること

高橋さん

仕組みとしては、良い姿勢を保とうとする→筋肉がつく→結果運動してるっていう流れです。特に、インナーマッスルをよく使うので、それで締まっていきます。
—ポスチュアウォーキングが良いことはわかりましたが、ただ続けるとなるとやっぱり忘れてしまったり、すぐに直せないと挫折してしまう気がします。続けるコツってありますか?

高橋さん

人は生活をしていると、大体の人が歩かなきゃいけないわけじゃないですか。その時間を意識するだけで、それがエクササイズになるのがポスチュアウォーキングの良いところです。
習慣になっていることに、ちょっと行動を付け足すのがやりやすいって言われてるので、日常生活や通勤時によく通る道やよく止まる信号など、まずは1日5分くらいやってみる。「頑張ってやろう」って思う必要はなくて、日常のあるひとつのポイントだけでもいいので、そこに着いた時だけすっと立つ、意識して歩くなどの習慣を身につけることが大事です。長い年月をかけて習慣が作られていくと思うので、これですぐに変えられたらみんな苦労しないわけですよ。
例えば、ポスチュアウォーキングを知ったあと、「あ、そうだ。ちゃんと立とう」って気づくのがすごく重要で、そう思った時に意識して立つことを積み重ねていくのが大切です。小さな積み重ねが大きな変化を作っていきます。
-日常の行動に付け足したり、「あ、そうだ」って気づいた時にちゃんと立つのでいいのであれば、続けられそうです。あとは、最初は慣れない立ち方をするわけで、そもそも自分がまっすぐ立てているか、歩けているかという認識持つのって、難しいんじゃないかと思うんです。

高橋さん

そういう時は、壁立ちも良いんですよ。壁に沿った違和感を覚えこませて、こんな感じだとまっすぐなんだなって一人でも実感できると思います。まっすぐって、後頭部と肩甲骨とおしりと踵を、一本の直線にすることなんです。壁立ちをした時に、腰の辺りは手のひら一枚分くらい開くのが良いんですよ。
普段、反り腰になってる人って結構多いので、壁に立った時にこの感覚だなっていうのを覚え込ませておくと、壁から離れて立った時でもこれくらいかなって感じられるようになると思います。

高橋さん

歩くのって実は、基本の立ち方ができた次のステップなんです。この基本の立ち方、姿勢をキープしながら歩きたいのです。グループレッスンでは、動画や写真を撮って見ながら解説します。そこで、自分が普段、前のめりで歩いてるなどのクセを、自分で見て気づくのです。現状を知ることも大事だと思います。

■正しく歩くと排泄にも良い効果が?

-ウンログユーザーや読者は、ダイエットや綺麗になるっていうのがひとつのテーマでもあるんですが、ポスチュアウォーキングを始めてから、排便や便秘に良いってご自身で実感したり、教えている生徒さんとかに良くなってって聞くことはありますか?

高橋さん

私の感覚から言うと、姿勢を綺麗にする意識をもつことで、自分に自信がついたりかわいくなって、他にも色々と自分に良いことをしたいって思う人が多いんです。だから、良いものを食べたりすると必然的によくなると思いますし、自分自身も今振り返ると良くなっていると感じます。
-意識して歩くことで、筋肉もつくからですよね。女性の便秘の原因でよく言われるのが、運動もそうですけど、筋力がないっていうのもすごくよく言われています。インナーマッスルが鍛えられるなら、理論的にはよくなりそうだなって思ったんですよ。

高橋さん

腸をサポートする筋肉も、歩いていると使っていると思います。かかとからついて、足の裏全体でぐっと押して、指の辺りでぐっと押す歩き方をしていくと、ローリングするように足全体を使うんですね。そうすることで、足の流れがよくなると思ってます。ふくらはぎも第二の心臓とか言われるじゃないですか。それも運動していると、血液を上にあげることになるので、巡りはよくなるはずなんです。あとは、普通に歩いている時は意識しない、鼠蹊部も伸び縮みします。

高橋さん

あと、綺麗になるっていう点でいえば、ポスチュアウォーキングを始めてから彼氏ができたり、ナンパされたって人もいますよ。レッスンに来る方だと、自分のことを大事にする人が増えていって、雰囲気も明るくなる。視線を上げて颯爽と歩くのって、すごく気分が良いんですよ。そんな風に、どんどん明るくなっていくような場をもっと増やしたいなと思っています。
—姿勢を正すことで痩せて若々しくも見え、その人の生き様や、心の状態も表すという興味深いお話でした。芯がちゃんとできていると、安定して信頼できるように印象付かせることができるんですね。
高橋志保さん、ありがとうございました!

>>高橋志保さんがいらしたときのウンログ女子部レポートはこちら

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