アレだって排泄物で作れる! うんちの驚くべきリサイクル法

2016-09-23
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ヒトは一年間に約70キロのうんちをする

Fotovika / Shutterstock.com トイレでその日に出たうんちの状態を気にする人は多いと思いますが、その量に注目したことはありますか? 健康な人であれば1回で約200グラムのうんちをすると言われています。毎日すると仮定すると、一年で約73キロ! 尿も合わせれば、ヒトの排泄物はすごい量になるんです。

排泄物が生まれ変わる!? 最新リサイクル技術

Romolo Tavani / Shutterstock.com ヒトの大量の排泄物や風呂・洗濯で使った水など、下水道に流されるものを下水汚泥といいます。 この下水汚泥を別の形で活用しようとする取り組みが、実は盛んに行われているんです。 例えば、国内のある会社は自社で使う燃料の一部にしています。 水分量が多いことが汚泥を活用するにあたって最大の障壁でしたが、菌を加えて汚泥を発酵させ、その際に発する高熱を利用して乾燥させることで解決。 乾燥した汚泥は燃料として使い、石炭の消費量削減や運送コストの軽減に役立っています。 国内のいくつかの水道局も焼却処分するしかなかった汚泥を蒸し焼きにして燃料に加工し、企業に有償で提供しています。 また、汚泥からリンを抽出して肥料にし、輸入に頼り切りのリンを国内で生産する例も。 発酵の際に出るバイオガスは、発電や車の燃料として使うことができます。 と、エネルギーに転換する例を挙げてきましたが、実はびっくりするような生まれ変わり方もあります。 なんと、人工肉に加工するというもの。食べられるらしいです。 下水汚泥に特殊な反応を起こさせることでタンパク質を抽出、精製して肉に加工します。 加工にかかるコストが高く、あくまで作る技術があるというレベルの話ではありますが、技術が発展し、食糧問題が深刻化すれば、注目されるかもしれません。

ヒトの生命活動に欠かせない「アレ」もうんちから作れる

ヒトの体の3分の2は水。ほんの数%の水分が奪われるだけで体に異常をきたしてしまいます。 それほど大切な水も、排泄物から作ることができるらしいのです。 アメリカの会社が排泄物から電力を作り出すことに成功しています。 この会社が開発した装置は、排泄物を1000度の高温で焼却することで水と電気を生み出し、装置自体も発電した電力で稼働するというもの。 この事業には、マイクロソフトの創業者であり、発展途上国に対し熱心な支援活動を行っているビル・ゲイツ氏も全面的に支援、普及に努めています。 排泄物は毎日大量に、安定して供給されます。ヒトから出たものが形を変えて再びヒトの口に入る、まさに究極のリサイクルといえます。 飲料用ではありませんが、日本でも排泄物を含む下水汚泥から、農業用の再生水を試験的に作っている自治体もあります。 フィルターを使い、有用な栄養素を残しつつウィルスは除去しているのだとか。水が少ない離島部で活躍しそうです。

発展途上国の衛生環境向上に期待

Riccardo Mayer/ Shutterstock.com 発展途上国では、糞便の処理ができず衛生環境が悪化、病気が蔓延しています。 世界で不衛生な環境のトイレを使う人は25億人以上にもなり、約10億人もの人が野外で排泄をしています。病気を持った虫との接触や、人から人への感染が起こりやすい状況です。 特に子どもは免疫力が弱く、日本人の感覚では考えられないような症状で亡くなることも。 下痢ですら1日で800人以上の子どもの命を奪っています。 その他、子どもの死亡原因の上位にくる感染症などは、発展途上国であっても衛生環境を整えることができれば充分に予防ができるといわれています。 排泄物のリサイクルが進み、燃料、電気、水などに生まれ変わらせる技術が進めば、衛生問題だけでなく、食料問題・水不足なども同時に解決できる可能性があります。 同時に課題も浮かび上がってきました。 わざわざコストをかけてまで導入するメリットをどうやって理解して貰うのか、信仰や土地に根付く考え方とどう折り合いをつけるのか、きちんと維持してくれるのか等々。 それまでのトイレ事情をがらりと変えることに対する抵抗・疑問を解消するというのは難しいことのようです。

最後に

これまで出したら流す・捨てるが当たり前だった排泄物には、実はエネルギー問題や食糧問題の解決策の一つになり得るポテンシャルがあるんです。 既に実用化している事業も多いので、知らないうちにその恩恵を受けているのかもしれませんよ。
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