ウォシュレット*は、日本で発明された、おしりの温水洗浄を行うトイレに付属されている設備のことです。
日本ではウォシュレットは一般的なものですが、実は海外ではめずらしいもので、日本のハイテクノロジーを象徴するものとして、世界でも紹介されており、海外でも話題を集めています。
アメリカの有名歌手やハリウッドスターの中でも、ウォシュレットを日本で体験したことをきっかけに、その利便性に惚れ込んで、自宅のトイレに設置している人もいるそう。
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日本だけでなく世界の人を虜にし始めているウォシュレット。ウォシュレットを使用している人の中には、それなしの生活はもう考えられないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、便秘の方に知っておいてほしいウォシュレットの使用時の注意点について紹介します。
*ウォシュレットは TOTO、シャワートイレは INAX の商標登録で、正式には「温水洗浄便座」といいます。
排便前に刺激を与えるとウンチが出やすくなるけれど…
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ウォシュレットは、本来は排便後のおしりを温水で洗浄するためのものですが、ウォシュレットを使用する人の中には、排便前に使う人もいるようです。
排便前にウォシュレットでおしりに温水を当てることで、肛門が刺激されるため、排便反射が起きやすくなり、排便が促される効果があります。
この使い方は、本来のウォシュレットとの使い方とは異なるものですが、最近ではウォシュレットの需要の実情を考慮し、「マッサージ」機能のついた機種も出るようになりました。
ウォシュレットの使い過ぎには注意が必要
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最近では、便秘対策にも使われることのあるウォシュレットですが、ウォシュレットを頻繁に使用することはおすすめできません。
ウォシュレットを使用して、おしりを外部から刺激して排便を促すと、腸が刺激されることにだんだんと慣れてしまいます。
例えば、下剤を長期に使っている人では、腸が刺激に慣れて、薬を強くしなければ排便ができなくなることがあります。
それと同様に、ウォシュレットを使っての排便に慣れると、水圧の刺激なしでは排便できなくなってしまい、自分の力では便が出せなくなってしまうのです。
こうなると排便を促すためには、ウォシュレットの使う頻度を増やしたり、水圧をさらに強くしなければなりません。
ウォシュレットの使い過ぎは、肛門周囲の必要な皮脂が洗い流されてしまったり、ウォシュレット自体から不衛生な水が流れたりすることで、肛門周囲の湿疹や皮膚炎の原因となることがあります。
また、専門家のなかには、ウォシュレットを頻回に使うことで、直腸炎を危惧している人もいます。
ウォシュレットの正しい使い方は
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排便を促す目的でウォシュレットを使うときは、常用しないように気をつけたいものです。
排便のためにウォシュレットを使用したい方は、どうしても困ったときなど緊急時に限定して使うようにしましょう。
ウォシュレットを使用するときのポイントは以下の通りです。
・おしりに当てる水圧を強くし過ぎない。
・ウォシュレットは短時間で済ませ、長く当てすぎない。
・ウォシュレットの使用後はゴシゴシ強く拭かない。
まとめ
日本で普及されているウォシュレットは、排便後のおしりを洗うだけでなく、排便を促すために使用されることもあります。
ウォシュレットによる刺激は、腸がだんだんと慣れることで、排便するのにより強い刺激が必要になり、長期的に見れば便秘の解決にはなりません。
便秘を解決したいのなら、食事内容に気をつけたり、適度な運動を心がけるなどの規則正しい生活が重要になります。
ウォシュレットの使用も、排便を促すためではなく、排便後のおしりを洗うなど、本来の使用目的で利用したいですね。
ライター・看護師 はらっぱ
国立大学看護学部卒業後、看護師として都内にて国立病院、私立病院に勤務。現在は育児中。