腸活系商品やサービス、腸活につながる研究などをおこなう企業におうかがいし、担当の方にインタビューするこの企画。
第9回となる今回訪問したのは、「ポテトチップス」や「じゃがりこ」といった大人気スナックをはじめ、シリアル市場を牽引する「フルグラ®」を展開するカルビー株式会社です。
食物繊維もしっかりとれて、腸活にもぴったりの「フルグラ®」。人気の秘密や、今年3月に発売になった「グラノーラプラス乳酸菌」のこだわりについて、マーケティング本部の松下さんにお話いただきました!
時短でおいしく栄養のある朝食を!「フルグラ®」が人気ブランドになったワケ
「ポテトチップス」といったスナック菓子メーカーの印象が強いカルビーさんですが、そもそも、「フルグラ®」シリーズを発売したのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?松下さん:
これまでカルビーではスナック事業を中心に、じゃがいもをまるごと使った「ポテトチップス」、天然えびをまるごと使った「かっぱえびせん」など、自然素材を活かした商品を発売してきました。そこで、オーツ麦をまるごと加工して使えるシリアルに着目して開発されたのが「フルーツグラノーラ」なんです。
松下さん:
「フルーツグラノーラ」が発売された1991年当時は、女性の社会進出が拡大した時期でもあります。働く女性が増えるなか「忙しい朝にも、簡単で栄養のある朝食を食べていただきたい」という思いで、発売に乗り出しました。
田口:
「フルグラ®」といえば、今やシリアル市場を牽引するブランドですが、発売当時から人気商品だったのでしょうか?
松下さん:
実は、そういうわけでもないんです。 発売当初の日本では、シリアルがまだ朝食として浸透していませんでした。
当時はスーパーマーケットに現在のような「シリアルコーナーの棚」もなく、お米売場に陳列されていたという話を聞いています。
田口:
そうだったんですね!となると、どうやってこれほどの人気商品になっていったんですか?
松下さん:
2011年には商品名を「フルーツグラノーラ」から「フルグラ®」に変更し、販売強化するためのマーケティング施策を実施しました。
それを機に急成長を経て、現在は国内シリアル売上No.1を誇る商品となっています。
田口:
それはすごいですね ……!売上アップのために、実際どんなことをされたんでしょうか?
松下さん:
市場をシリアル市場から「朝食」という市場にまで広げたのは大きかったと思います。
シリアルはそれまで若年層に多い朝食欠食しがちな方や、お子さんへのアプローチが多かったのですが、調査をすると、朝食の購買の決定権を握っているのは30〜40代の既婚女性でした。また、まだ当時は「フルグラ®」の認知が低かったため、より広く多くの方に朝食の選択肢として認知してもらうにはどうすれば良いかを考えました。
そこで取り入れたのが、「フルグラ®」は「グラノーラ」という多種多様な食材を使った朝食で、「おいしくて、時短で栄養がとれる」ということを押し出すPR活動です。これによって、市場を拡大してくことができました。また「グラノーラ」という食べ物の認知も一気に高まり、合わせて「フルグラ®」も浸透していきました。
他のシリアルとはココが違う!「フルグラ®」のザクザク食感の秘密とは?
改めて「フルグラ®」のこだわりを教えていただけますか?松下さん:
おいしくなければ朝食として継続してもらえないので、「食べ続けたくなるおいしさ」はすごく意識していますね。甘さの研究にも力を入れていて、食べ飽きず朝の目覚めにもぴったりな甘さに仕上げました。
田口:
「フルグラ®」といえば、ザクザクとした独自の食感も印象的です。このザクザク食感は、どうやって作られているんでしょうか?
松下さん:
この食感の秘密は、「フルグラ®」の製造の過程にあります。
「フルグラ®」は、穀物などを粉砕シロップなどを混ぜ合わせたグラノーラ生地をシート状にして焼き上げ、粉砕して作られています。この独自製法が、フルグラならではのザクザク食感のポイントなんです。
健康志向な栄養機能食品「グラノーラプラス(Granola+)」も好評
「フルグラ®」にもいろいろな商品ラインナップがありますが、最近では栄養機能食品の「グラノーラプラス(Granola+)」も販売されていますよね。
松下さん:
そうですね。これまでも「フルグラ®」は「おいしくて健康にもいい」ことを訴求していたものの、さらに栄養素や機能性に特化した商品に需要があるのではないかと考え、このシリーズの発売に至りました。
田口:
具体的には、どんな商品があるのでしょうか?
松下さん:
たんぱく質を気軽に摂取したい方をターゲットとした「グラノーラプラス プロテインin」や、鉄分やビタミン不足に悩む女性向けの「グラノーラプラス 鉄分&8種のビタミン」、カルシム不足や骨の悩みを気にしている方向けの「グラノーラプラス カルシウム」などがあります。
それぞれ、お客さんが抱える健康や身体のお悩みにアプローチする商品となっていて、お客さんとの接点を増やせているのを感じます。
田口:
そういった商品開発で、特に意識していることはありますか?
松下さん:
昨今のトレンドや注目されている栄養素をいち早くキャッチして商品化することは意識していますね。
実際、トレンドをいち早く察知して発売した「グラノーラプラス プロテインin」は顕著に売上が伸びています。
食物繊維豊富なグラノーラに乳酸菌をプラス!シールド乳酸菌®配合の「グラノーラプラス乳酸菌」
シールド乳酸菌®を配合した「グラノーラプラス 乳酸菌」は2021年3月にラインナップに加わった商品ですが、どんな特徴があるのでしょうか?松下さん:
「グラノーラプラス 乳酸菌」は、1食(50g)でシールド乳酸菌®100億個を摂取できるグラノーラ。乳酸菌を意識的に摂取されている40〜50代女性をメインターゲットに、日々の体調管理に取り入れてもらえるようにと生まれた商品です。
田口:
「乳酸菌」に着目したのにはどういった背景があったのでしょう?
松下さん:
まず、普段から乳酸菌を摂取されている方を調査したところ、40〜50代の女性が最も多いことがわかったんですね。さらに乳酸菌を摂取している理由を深掘りしたところ、整腸作用や便秘改善、免疫力の改善に期待していることが判明したんです。
この結果や、昨今の社会情勢でも注目されている「免疫力」というキーワードをふまえて、乳酸菌に着目した開発が進められました。
田口:
乳酸菌のなかでも「シールド乳酸菌®」を選んだ理由はありますか?
松下さん:
森永乳業さんが提供する「シールド乳酸菌®」が「健康をサポートする」をキーワードにしていて、私たちのコンセプトや思いに合致したことが大きいです。また、この菌は殺菌菌体なので、「フルグラ」にも添加しやすいのもポイントでした。
田口:
開発で特にこだわったポイントはありますか?
松下さん:
味を決めるのには苦労しましたね。開発担当と一緒に、何度も繰り返し試作をおこないました。
毎日食べても飽きずに続けていただけるよう、特にグラノーラ生地の甘さやトッピングにはこだわっています。
試作の末、グラノーラ生地は「はちみつテイスト」でほんのりと自然な甘さに仕上げました。トッピングは、はちみつテイストに合うものを考え、彩りも良いりんごやクランベリーを追加しています。また、味のアクセントになるよう「ヨーグルト風味フレーク」もトッピングしました。
オーツ麦が持つ可能性にさらに注目!間食にぴったりな「ひとくちサイズ」の「フルグラ®」も
シリアル事業について、今後の展望を教えてください。
松下さん:
「フルグラ®」の主原料の素材でもあるオーツ麦は、タンパク質や食物繊維、鉄分といった栄養素が豊富に含まれているんです。今後はシリアル事業を「オーツ麦の加工事業」と再定義して、さらに幅広い視野でオーツ麦を使った企画開発を進めていきたいと考えています。
そのほか、「フルグラ®」を「朝食以外」のシーンで食べてもらうことにも力を入れています。
田口:
朝食に限らず、間食などで食べてもらうイメージでしょうか?
松下さん:
その通りです。実際に、自宅で朝食として食べてもらうだけでなく、テレワークの合間や外出時に手軽に食べていただけるのが、「フルグラ®」を1口サイズに仕上げた「フルグラビッツ」です。
栄養素が豊富で食物繊維もたっぷりなので、⼩腹が空いたときの健康志向な間食として、ぜひ楽しんでもらえたらと思っています。
田口:
ちなみに、今後さらに「腸活」を意識した商品開発などの予定はあるのでしょうか?
松下さん:
今のところ、まだ腸活に特化した商品化の予定はありませんが、グラノーラは食物繊維が豊富なこともあって、腸活を切り口としたPRや商品開発の可能性はあると思います。
田口:
そうなんですね。いつかウンログとのコラボもできたら嬉しいです……!
松下さん:
ウンログさんとの親和性はすごくあると感じますね!
今年発売になった「グラノーラプラス 乳酸菌」も、ウンログユーザーさんのような腸活を意識されている方に、ぜひ食べていただければ嬉しいです。
田口:
今日はありがとうございました!