冷えは大敵 できればぬるめのお湯にゆったり浸かって
便秘も下痢も厄介なお腹の不調ですよね。
真逆に思えるこの2つの症状ですが、双方ともその原因の多くは「冷え」。実は共通しているんです。
まずは下痢と冷えの関係から。
お腹を冷やすと、循環器や消化器の活動を司る自律神経の働きが乱れてしまいます。
すると、食事をして腸内に入ってきたものを「体に害がある」「体を冷やして体温を下げてしまう」と判断してしまう場合も。すぐに体の外に排出しようとして、下痢が起こります。
次に便秘になる場合。
冷えによって血液の循環が悪くなり、腸のぜん動運動も弱くなります。うんちを出そうとする働きがうまく機能しなければ腸に残りがちになってしまい、便秘になるのです。
このような冷えを原因とするお腹の不調には、体を温めてあげることが得策。
普段の生活の中で最も簡単な方法は入浴ですよね。
体をしっかりと温めるためには、38度から40度のぬるめの温度で10分から15分程度、ゆっくりと浸かるのがいいでしょう。
いくらぬるいといっても、熱い夏にはちょっと…という方には半身浴がおすすめ。全身浴よりも必要な時間は10分ほど伸びますが、体を温める効果は得られます。
感染性の下痢の場合、お風呂のお湯が感染経路になることも
今まで述べてきたことは、冷えが原因の場合でした。
しかし、下痢には感染症を原因とする場合もあります。そこで注意したいのが二次感染のリスクです。
下痢を引き起こすウイルスは、お風呂の温度(42度前後)では死なないことが多いのです。
ですからお風呂のお湯が感染経路となり、家族に次々と下痢の症状が現れるなんてことも。
代表例としてノロウイルスが挙げられます。冬に猛威をふるうノロウイルスは熱や乾燥、アルコールに強く、感染力も強いので、流行期には特に注意する必要があります。
もし家族に感染性下痢の人がいるときには、お湯を通じての感染を防ぐため、お風呂の順番は最後にしましょう。
残り湯を洗濯に利用している方もいるかと思いますが、感染者がいる間は、そのままお湯を捨ててください。
ウイルスが残留しているかもしれないので、お風呂掃除もしっかりと。
また、直接体に触れるタオルを共用してしまうと感染源になり得ます。感染予防のため、専用のタオルを用意してあげましょう。
使い終わったタオルは、洗濯時も別にするのがおすすめ。塩素系漂白剤を水で薄めたものに浸して、しっかりと殺菌しましょう。
湯船に浸かれないときはシャワー&足湯を活用して
体を温めるための有効な手段であるお風呂ですが、下痢が何回もある・発熱があるなど、体調があまりにも優れないときには、無理をして入浴しないようにしましょう。
入浴時ほどの効果は無いにしても、シャワーを浴びるだけでもリラックス効果や体を温める効果を期待できますよ。
下痢をしているときには、まずはお尻を洗って清潔にしてから浴びるようにしましょう。感染症の原因となるウイルスがうんちとともに残っているかもしれません。
シャワーはただ体を清潔にするだけでなく、マッサージに利用することもできます。
便秘に悩んでいるなら、熱めのシャワーを、腸の向きに合わせて時計回りにあててお腹を刺激してみましょう。
入浴ができないときのもう一つの方法としておすすめなのが、足湯。
お風呂まで行って服を脱がなくても、お湯と容器さえあれば実践できるのが嬉しいポイント。
体全体を温めるには、42度前後のお湯に、足首から下を8分程度浸しましょう。
ただお湯に浸すだけではなく、足の指や足首を動かして、血流を促してあげるとより効果的です。
気温が低くお湯が冷めやすい時期には、途中でお湯足しをして適温の維持を。
おわりに
便秘に悩む人も下痢に悩む人も、「冷え」を防ぐことが改善への近道です。
全身浴の他にも半身浴や足湯など、体調に合わせて活用してみましょう。
中には感染性下痢の場合もあるので、あまりにもいつもと違う症状が出ているなら、病院で診察を受けることも必要です。
体を清潔にするため以外にも、体のコンディションを整えるために、ゆっくりとお風呂に浸かってみてくださいね。
ライター KURO
趣味の自転車を楽しむためにも、お腹の冷えにめっぽう弱い体質を改善しようと奮闘中。
読んだ人が、少しでも「ためになった」と思ってくれるような記事を書いていきたいと思います。