腸活系商品やサービス、腸活につながる研究などをおこなう企業におうかがいし、担当の方にインタビューするこの企画、商品・サービスの特徴や魅力だけでなく、企業が商品にかける想いなどをお伝えします。第5回は、東の食の会さんを訪問。
東北の食産業復興のため、生産者をサポートしながら、商品プロデュースまでもおこなう東の食の会。今回は事務局代表の高橋大就さんと、ズボラ腸活としても話題の『358サゴハチ』のリブランディングを担当した近藤沙織さんに、お話を聞いてきました。
応援買いではなく、商品に価値を感じてもらうことを目指した「Ça va缶」
田口:
東の食の会は、どのようなきっかけで生まれたんですか?
高橋さん:
きっかけは、東日本大震災ですね。震災によって壊滅的な打撃を受けてしまった東北の食産業を復興させるという目的で、立ち上げた団体が東の食の会です。当時、東北には良い食品も生産者もいるのに、産地としてのマーケットを完全に失った状態でした。そこで消費者と産地をマッチングさせることで流通を生み出していこうとしたのが、活動の始まりです。
田口:
現在はマッチングのほかにも、商品のプロデュースやイベントの開催、人材育成などさまざまな取り組みをおこなっていますよね。
高橋さん:
そうですね。元々は東北の生産者と首都圏の小売業や外食産業とのマッチングをメインにおこなっていましたが、それだけではダメだなと気づきまして。生産者と一緒に、東北の食に新しい付加価値を生み出していく活動も必要だと思ったんです。そこから、商品のプロデュースが始まり、第一弾としてサバのオリーブオイル漬け缶詰「Ça va缶」をリリース。その後もいくつかの商品をプロデュースするなど活動の幅を広げていった、という流れですね。
田口:
Ça va缶は大ヒットしましたよね。このオシャレなパッケージ、一度は見たことある人も多いのでは。
高橋さん:
そうだと嬉しいです。Ça va缶の開発前は、やはり東北の商品の「応援買い」が多かったのですが、応援ってずっとは続かないじゃないですか。だから今後のためにも、応援じゃなくて、ちゃんと商品に価値を感じて買ってもらえるモノを目指して作りました。
田口:
一般的なサバ缶に比べて値段が高いのに大ヒットした要因って何ですか?
高橋さん:
一番は、気合というか反骨精神ですね(笑)。そもそも、日本の缶詰ってめちゃくちゃ美味しいじゃないですか。体に良くて、美味しくて、手軽に食べられる。でも、こんなにもクオリティが高い商品が、100円のワゴンセールで売られているんです。一方で、フランスのオイルサーディンが、インテリア雑貨屋で1000円や2000円で売られているわけで、この構造はおかしいぞという想いがありました。バイヤーの方々には、「絶対売れない」って言われましたけどね(笑)。
田口:
100円で売っているモノを360円で売るわけですものね。
高橋さん:
はい。実際、価値を理解してもらって、大手量販店が動き出すまでには時間がかかりましたね。Webメディアに取り上げていただく、ということを続けているうちに、テレビで紹介されて、そこでやっとマス流通がついてきたんです。
高橋さん:
ただ、うちはうちのプロデュース商品だけを売ることが目的ではないんです。食材の価値が高まれば、地域が盛り上がるので。そのきっかけになればと思い、食材の価値を上げる活動をしています。その点、機能性の高い食材ってロングセラーになるんですよね。
田口:
ブームだけで終わらないことが強みですね。
高橋さん:
ヒットしたÇa va?缶も、味だけじゃなくて骨を丸ごと食べられて栄養価が高く、機能性も高い。地域で産業になるには、跳ねることよりも継続的に売れることが大事だと思っています。そうなると、機能性の高い食材というのは、地域にとってとても重要なんです。
田口:
納得です。ちなみに、高橋さんが今後注目されている東北の食材って、ありますか?
高橋さん:
会津の名産オタネニンジンですね。これもさまざまな呼び方があって、「会津ニンジン」「朝鮮人参」とも言うのですが、今、会津で力を入れている食材です。今後注目のスーパーフードになると思います。
地域の食産業を支えるのは、機能性食品
田口:
僕たちとしては、その後にプロデュースした海藻「アカモク」も気になります。
高橋さん:
アカモクは、美味しいのはもちろんのこと、腸活や美容、ダイエットなどさまざまな視点から訴求できるくらい機能性が高い食品だったので、訴求ポイントをどこに絞るかに苦心しましたね。呼び名も、学術名は「アカモク」ですが、秋田では「ギバサ」と呼ばれていたり、他の地域では「ナガモク」と呼ばれていたりとバラバラ。良い商品なのに、訴求ポイントも名前もバラバラではブランドにはなりませんよね。ただ、だからこそ伸びしろがあると思ったんです。産地同士って、どうしても県をまたいで戦ってしまうじゃないですか。それを争うのではなく、あえて同じ食材の業界同士連携することで、市場を拡大するというモデルケースを作ろうとしました。
田口:
小さな市場を奪い合うのではなく、団結して広げる。
高橋さん:
当時、アカモクの東京での認知度はほぼゼロだったんです。宮城の漁師と岩手の漁師が手を組んで、アカモクという共通のブランディングで広めることにしました。これも時間はかかりましたけど、NHKさんに特集していただいたりと、テレビに取り上げられたことで市場が一気に広がりました。
田口:
ここでも地道なPR活動が実ったんですね。
高橋さん:
今では国内産のアカモクだけでは供給が足りなくなって、輸入をしている状況なんですけど、アカモクって元々は「ジャマモク」と呼ばれて捨てられていたモノでした。船のエンジンに絡まるんですよ。
田口:
それで「ジャマモク」。
高橋さん:
本来なら捨てられていてマイナスの価値だったモノ。そこに「スーパー海藻」としての価値を見つけて、ものすごいプラスに変えることができたのは良かったです。
田口:
メインの購買層はどのような方たちですか?
高橋さん:
ほとんどが女性ですね。免疫力向上に効果があるフコイダンと、脂肪燃焼を促進する効果があるフコキサンチンが主成分なのですが、海藻の中でアカモクが圧倒的に含有量が多いんです。なので、免疫力向上と腸活という部分に訴求ポイントを絞りました。
商品の良さを徹底的に探し辿り着いた、358の「腸活」文脈でのリブランディング
ここからは、近藤さんがリブランディングを担当した「358サゴハチ」について詳しくお聞きできればと思います。「358サゴハチ」とはどのような商品なんですか?
近藤さん:
福島の伝統的な発酵食材に三五八漬けというものがありまして、「358サゴハチ」はその漬け床ですね。「358」というのは、塩:糀:米の比率のことで、この中に野菜などを漬けると、誰でも手軽に三五八漬けが作れるという商品となります。
田口:
三五八漬けを食べることのメリットについて、詳しく聞きたいです。
近藤さん:
主に3つポイントがあると思っています。
1つ目は、いろんな菌が取れること。 漬物についての文献を様々読み、そもそも漬物自体が栄養を効率よく取れるものだということを知りました。漬物は菌が豊富で、野菜についている植物性乳酸菌や、麹についている麹菌、ものによるらしいのですが一部酵母菌も入っている三五八漬けの素があることが分かりました。 今回ウンログユーザさんに使っていただいた緑の三五八漬けは成分分析に出し、酵母菌も発見できたので、こちらで三五八漬けを作っていただくと3菌揃いになります。
2つ目は、手触り感のある発酵食品だということ。今は丁寧な暮らしを求める人が増え、梅酒を自分で漬けたり、手作り感を重視する文脈がありますよね。 作り方としては水を入れて野菜を漬けるだけで漬物が出来るので、誰でも簡単に丁寧な暮らし風なことができる、という文脈は刺さるのではないかと思いました。
そして3つ目が、食材を無駄にしないこと。野菜を漬けることで、賞味期限が延びるので、ご自宅での食材の廃棄が減ると思います。
田口:
塩麹と近いのかなと思ったのですが、違いはどんなところにあるんですか?
近藤さん:
塩麹は塩と麹を合わせた調味料なのですが、三五八はそこに蒸し米を加えた漬け床です。塩麹に蒸し米が入ると、三五八になります。三五八に漬けることで、麹や色んな菌が素材の旨味を引き出してくれ、甘くて美味しい漬物になります。
田口:
なるほど。先日、私もきゅうりを漬けてみたのですが、めちゃくちゃ美味しくて2本ぐらいすぐ食べてしまいました。
近藤さん:
ありがとうございます(笑)!きゅうりが苦手なお子さんでも、358に漬けるとよく食べるという声はよく聞きますね。
田口:
ご飯に入れて食べると塩むすびみたいになって美味しい、という話も聞きました。
近藤さん:
そうですね。炊くときに、1合に対して大さじ1ぐらい入れていただくと、ほんのり甘くなります。炊けたときにおこげもできて美味しいです。焼きおにぎりみたいな感じになります。
田口:
レシピを開発するのも楽しみな商品ですね。ちなみに、358をリブランディングするにあたり腸活に注目されたのは、丁寧な暮らしという文脈と腸活の相性が良かったからなんですか?
近藤さん:
どちらかと言うと、358の本当の良さを調べていったらたまたま腸活に繋がったんです。東の食の会で大切にしているマーケティング、ブランディングの考え方は、長期的な販売です。ダイヤモンドの原石を見つけて磨くように、食材や商品の良さを徹底的に探した上で、どこを磨けばもっと輝くのかを追求していく形なんです。
田口:
358の場合は、それが腸活だったんですね。
近藤さん:
そうですね。実際に私も食べていて、本当に体の調子が良くなったという実感があります。リピーターが増えている実績もあるので、腸活という切り口には伸び代があるのではと思ったんです。
ウンログとの取り組みを通して
弊社の「ウンといいBOX」に「358」をご提供いただきましたが、その経緯について教えてください。
近藤さん:
実はこの358について、腸活としての効果をどう伝えたら良いか悩んでいました。 358を使って漬けたきゅうりを成分分析に出したりしていたのですが、単純な菌数は出るものの、それがどうすごいのかの裏付けが難しくて。 菌の種類や効果については、かなりの費用をかけて専門家に見てもらわないとお伝えできないので、困っていたんです。 そんな時にウンログさんの存在を知りました。 ウンログのユーザーさんは、観便を習慣づけるほど腸活に関心が高いじゃないですか。「腸活に興味がある人を対象に、358を使っていただくことでわかる具体的な358の良さを伝えていきたい」と考えていた私たちと相性が良いのではと思ったんです。 358は、継続することで効果を実感できる商品なので、継続して使っていただいた方の声をおうかがいしたいと思い、ウンといいBOXに参加させていただきました。
田口:
ありがとうございます! いい結果が出るといいですね!
近藤さん:
もちろん、人によって合う合わないはあるとは思いますが、実際に使用されたお客様の声は貴重ですよね。
田口:
腸活・観便の文脈で言うと、僕たちはこれから観便を広めるためのイベントを開催していこうと考えているのですが、そのような場で358を紹介させていただくことは可能ですか?
近藤さん:
ぜひ! 358をご購入されているお客様や、Instagramアカウントのフォロワーさんたちはもともと腸活に関心がある方々なので、ウンログのユーザーさんと一緒にイベントができると良いのかなと思います。
田口:
「ウンログ女子部」という女性のユーザーさん限定のイベントも定期的に実施しているので、そこで358のワークショップをやっても面白いですね。
近藤さん:
確かに。「水を入れて漬けるだけでいい」という手軽な商品なので、イベントのワークショップ向きなのかもしれないです。
田口:
ぜひウンログユーザーのみなさんにも358のある暮らしを体験していただきたいですね!
ウンログでのユーザーの声は以下サイトにて纏めて掲載されています。是非ご覧になってみてください。
https://instagram.com/sagohachijapanesepickle
ライター 早川大輝
「エンタメ」と「食」が大好きな編集者。小さい頃から胃腸が弱く、刺激の強い食べ物・飲み物を摂取したときや、プレッシャーのかかるここぞという場面では必ずお腹を下す