食物繊維の理想量を摂取するには。レタス3個分では足りないって本当?ーお悩みすっきり相談室

大なり小なり”お悩み”は誰にでもあるもの。だけど、便秘や下痢のお悩みってなかなか打ち明けられないですよね。この企画ではリアルなお腹の悩みをウンログのうん広報・ナガセがスッキリ解決!あなたのお腹が毎日すこやかであるように、腸活の観点からゆるーくお答えします。

 

今回のテーマは「食物繊維を摂ってるのにうんちが出ない」。便秘解消のためには食物繊維を摂ると良いというのはよく聞きますが、頑張って毎日食べているのに全然出ない!という声も多い印象。実はそれ、全然足りていないのかも…。

今回のお悩み

毎日レタス3個分は食物繊維を摂るようにしています。だけど全然うんちが出てきてくれません。どうしたらいいでしょうか。

理想の食物繊維摂取量は1日に18g以上!

食物繊維は腸の中でうんちを形成したり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えたり、腸には必要不可欠な栄養素です。食物繊維が十分量摂取できているかを確認するには、規則的な排便があるかどうかが基準。つまり、食物繊維が十分に摂取できないなければ、うんちが出ることはそもそも期待できないのです。

18~69歳の女性の1日の食物繊維摂取目標量は18g以上(※)。しかし、実際の摂取量は平均14g程度と言われています。日本人は慢性的に食物繊維が足りていないのが現状です。

(※)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

食物繊維摂取目標量はレタスだと何個分?

「レタス◯個分」は、それだけで必要量を満たせるような気がしてしまいますよね。だけど、実際に摂取できる食物繊維量に注目してみてください。レタスの食物繊維量は100gあたり1.1g。レタス1個(約300g)で3.3gなので、レタスだけで食物繊維摂取目標量を補おうとすると1日に約5.5個分が必要になります。レタスは食物繊維の代表格のように思えますが、実は野菜の中でも食物繊維量が少ないのです。

「レタス◯個分」の表示をみたときは、ぜひそれが何gなのかを計算してみてくださいね。不足しているようなら別のものを合わせて補うようにしましょう。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスにも注意!

食物繊維摂取量を増やすといっても、むやみに増やすのは逆に便秘を悪化させてしまうことがあるので要注意です。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、どちらもバランスよく摂取する必要があります。

不溶性食物繊維はうんちを形成したり、腸を刺激して蠕動運動を活発にする効果があります。しかし、腸内の水分を吸収するため、割合が多すぎるとさらにうんちを硬くしてしまう場合も。水溶性食物繊維は水分によってゲル状になり、うんちの水分量を増やして排便しやすい硬さにしてくれます。水溶性食物繊維は不溶性食物繊維に比べて含まれる割合が少ないので、積極的に摂取するようにしましょう。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェック!
「食物繊維、正しく理解してる?便秘改善におすすめなホントの理由」

食物繊維量が多い食材は?

食物繊維摂取量を増やすには、なるべく食物繊維含有量の多い食材を選べるようになることが必要です。食物繊維はどんな食材に多く含まれるのでしょうか。代表的な食材と100g中に含まれる食物繊維量をご紹介します。

乾燥キクラゲ(57.4g)

きのこは食物繊維が多く含まれますが、キクラゲが最も含有量が多いです。中華食材として利用されることが多いですが、きんぴらやナムルなどでも美味しいので常備菜としてストックしておくと良いでしょう。女性に嬉しい鉄分やビタミンDといった栄養素も豊富です。

乾燥ひじき(43.3g)

海藻類は食物繊維量がとても多い食材の1つ。ひじきはその中でも食物繊維量が特に多いです。メイン食材にはなりにくいですが、煮物やサラダなどに入れると副菜で食物繊維量をグンと上げられるのでおすすめです。

切り干し大根(20.7g)

食物繊維を摂取したいなら、ぜひ味方につけたいのが乾燥野菜やドライフルーツです。水分量が少ないので100gあたりの食物繊維量が増加します。切り干し大根は煮物やサラダはもちろん、そのままお味噌汁に入れるだけで食物繊維量を増やすことができます。

ドライイチジク(11.3g)

ドライフルーツの中で特におすすめなのがイチジクです。イチジクは不溶性食物繊維はもちろん水溶性食物繊維も含んでいて食物繊維のバランスも良いのが特徴です。そのままおやつとして食べるてもいいですが、ヨーグルトと一緒に摂取すれば、シンバイオティクスデザートにも。

大麦(9.6g)

穀類は不溶性食物繊維を多く含みますが、大麦は水溶性食物繊維の方が割合が大きいです。特にうんちがかたい人は、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維を摂取することで、うんちがやわらかくなり出しやすくなります。スーパーで売られている押麦やもち麦は大麦の一種です。いつものごはんに加えて炊くだけでOKなのでハードルも低いです。

少しずつプラスして食物繊維量を増やそう

食物繊維の摂取目標量を補うためには、意識して食物繊維量を増やさなくてはいけません。単品でなんとかしようとするのではなく、食物繊維量の多いものをプラスして少しずつ摂取量を増やしていくようにしましょう。

また、量は十分なのになかなか改善しない場合は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスに問題があるかもしれません。腸の中でうんちがかたくなってしまっている場合は、うんちがやわらかくなるように意識的に水溶性食物繊維を増やすようにしてみてくださいね。
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