便秘解消のときの水の飲み方は?適切な水の選び方もチェック

「便秘を防ぐためには水を飲むのがいい」といったアドバイスを受けることが、よくありますよね。そこで気になるのが、便秘解消のための1日あたりの水分摂取の目安や水の選び方があるのかということ。今回は、医師の大塚真紀先生の監修のもと便秘解消のための水の飲み方のポイントを紹介します。

人間の体に必要不可欠な水

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人間にとって水は欠かすことのできないものです。例えば、人間の体のほとんどは水でできています。性別や年齢、体格などにより差はあるものの、成人では体の約60%を水分が占めているのです。体内にある水は細胞内や血液などに体液として分布し、エネルギーの産生など代謝に関係しています。

口から取り込んだ水分は、腸で吸収されて血液や細胞内を満たす体液となります。血液に含まれる体液は、酸素や栄養素を細胞へ運んだり老廃物を細胞の外に運ぶ役割を果たしています。また、体温調節のため汗となって排出されることもあります。

体のなかの水分が不足してしまうと血の巡りが悪くなり、代謝の働きが鈍ってしまいます。尿が出にくくなり老廃物がでにくくなったり、脳や循環器系の病気のきっかけとなることもあります。健康の観点からも水は人にとって重要なものなのです。

水分不足は便秘にもつながる

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水分の摂取量が十分でないと便は硬くなってしまいます。そもそも食べ物のカス(便)に含まれる水分が少ない上、腸は水分不足を補おうとさらに水分を吸収してしまうため、便そのものの水分量も減ってしまうのです。 便に含まれる水分量が減ってしまうと、便の量も減ってしまいます。すると、腸の運動を促す刺激が減り、より便秘になりやすくなります。また、ようやくお通じがと思っても、カチコチの便で直腸や肛門を傷つけてしまうことも……。

実際に米国で2013年に行われた健康・栄養調査では、1日の水分摂取量が1882mg以下の人は、便秘の人が多かったという結果が報告されています。たかが水分不足と侮ってはいけないのです。

便秘を防ぐための水の飲み方とは?

では、便秘を防ぐために1日にどれぐらい水分を摂ればよいのでしょうか。

大人の場合、1日に必要な水分摂取量は、だいたい1~1.5Lと言われています。あくまでこれは平均的な成人の目安で、年齢や体重、汗の量などによっても変わってきます。

一方、尿や便、汗として毎日2~2.5Lの水分が体の外に排出されると言われています。そう聞くと1日に2.5Lの摂取が必要そうに思えますが、食事に含まれていたり、細胞でおこなわれる代謝からも水分が作り出されるため、飲む量としては1~1.5Lが目安となります。

ただし、体を動かしたときや、夏などの暑い日には、さらに水分を摂る必要があります。運動しているときには、1時間あたり0.5~1Lの水分の摂取が推奨されています。15分毎にコップ1杯程度の水分を摂ることが理想的です。
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水分補給は何を飲むかが大事

1日に摂りたい水分量1.5Lをコップに換算すると約8杯分になります。なかには「そんなに水を飲むなんて無理」と思う方もいるかもしれません。しかし、1日何回かに分けて少しずつ水分を摂っていけば、そんなに難しいことではありません。

例えば、朝起きて1杯、食事毎に1杯ずつ(3回)、食事と食事の間に1杯ずつ(2回)、夕方に1杯、夜に1杯飲めば計8杯で、1日の目標量をクリアできます。このように、一気にではなく、間隔をあけて少しずつ摂るのが理想的です。

また、水分を補うことができれば、水にこだわりすぎる必要はありません。牛乳やフレッシュジュース、味噌汁やスープなどの汁物も立派な水分補給としてカウントできます。ただし、ジュースや汁物は糖分や塩分を摂りすぎてしまう可能性があるため、飲みすぎないように注意しましょう。

水分摂取の観点からみると、お茶やコーヒーには注意が必要です。お茶やコーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があります。水分補給しても尿として排出されてしまうため、便秘や便が硬めの人にはおすすめできません。お茶やコーヒーで水分を補給したいという場合は、ノンカフェインのものを選ぶようにしましょう。

同じような理由で、お酒などのアルコール飲料にも利尿作用があるので、便秘解消のための水分摂取としては不向きです。 運動やお風呂後の1杯は喉の渇きを潤す程度で、水分補給には別の飲み物を選ぶようにしょう。
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では、便秘解消を目的とした水分補給にはどんな飲み物がよいのでしょうか。おすすめは硬水や炭酸水です。硬水とは、マグネシウムやミネラルが多く含まれる水で、海外で採れるお水に多く、お店では輸入品のミネラルウォーターとして販売されています。

硬水に含まれているマグネシウムには、便の水分を保持する役割があります。便を柔らかくする下剤にもマグネシウム剤というものがあり、便秘の治療に用いられています。一方、炭酸はガスが胃腸を適度に刺激してくれます。硬水のなかでも炭酸を含むものは、より高い便秘予防の効果が期待できます。

ただし、日本では普段、ミネラル成分の少ない軟水を摂っており、日本人の体には軟水が適しているようです。そのため、体質によっては、慣れない硬水でお腹をこわし、下痢になってしまうこともあるようです。

便秘を改善しようと硬水を飲んだのに、それによって新たなお腹の問題が発生しては本末転倒ですよね。そういったことが起きないように、硬水に慣れていない人は、体の体調をみながら、少しずつ摂取していくようにしてみてください。

まとめ

水分不足は便秘のきっかけになります。成人が1日に必要な水分摂取量はコップ8杯分です。飲み方は、数回に分けましょう。カフェインを含む飲み物には利尿作用があり、便秘対策の飲み物としては不向きです。おすすめは炭酸を含んだ硬水です。硬水はマグネシウムを豊富に含み、便の水分を保持する役割があります。しかし、体質によって下痢を引き起こす可能性もあるため、硬水を飲む際は、少しずつ摂取して慣らすようにしましょう。
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