腸内細菌にエサを届けられている? あなたに合ったオリゴ糖の選び方&使い方【徹底比較】

「なんとなくおなかが重い・・」「便通が気になる」「肌の調子がイマイチ」──そんな日々のちょっとした不調、気づかぬうちに腸内環境と関係しているかもしれません。

私たちの腸には100兆個を超える腸内細菌がすんでいるといわれています。その中でも腸内環境を整えてくれる菌たちを応援してくれるのが「オリゴ糖」

でも、オリゴ糖にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴も異なります。味や溶けやすさ、日常の料理への取り入れやすさもポイントです。

今回は、管理栄養士監修のもと「オリゴ糖の基本と選び方」「おすすめレシピ」「市販品の比較」まで、毎日の生活にすぐに役立つ情報をお届けします。

腸活にはオリゴ糖が重要!?その理由とは

腸には約1000種類、100兆個以上の腸内細菌がすんでいます。その中でも腸内環境を整えてくれる腸内細菌たちを応援してくれるのが「オリゴ糖」。

特に日本人に多いと言われているビフィズス菌などの有用菌のエサになることで、腸内環境のバランスを整えるサポートをしてくれます。

オリゴ糖は、糖が2~10個つながった「少糖類」のこと。

砂糖よりもカロリーが低く、低カロリー甘味料としても使用されます。虫歯の原因にもなりにくいのも特徴です。

自然の食べ物としては、たまねぎ、にんにく、ごぼう、アスパラガスといった野菜や蜂蜜などにオリゴ糖は含まれています。

現代の食生活では、オリゴ糖の摂取が不足しがち。だからこそ、意識的にとることが大切なんです。

管理栄養士監修!オリゴ糖比較表

オリゴ糖といっても種類がたくさんあります。どのような種類、特徴や違いがあるのか、専門家に解説していただきました

オリゴ糖比較表

👀横長なのでスクロールしてご覧ください。

オリゴ糖名主な原料・由来
【製造方法】
構成成分特徴・用途
【トクホ/機能性】
摂取推奨量
※トクホ規格基準に基づく
最大無作用量
※参考体重60kgの場合(体重1kg当たり)
有効菌
※臨床試験データに基づく
含まれる食品例代表的なオリゴ糖甘味料商品例
(メーカー名)
乳糖果糖オリゴ糖
(乳果オリゴ糖・
ラクトスクロース)
砂糖+乳糖
【酵素合成】

ガラクトース+グルコース+フルクトース
・難消化性
・砂糖の味質に近い
・少量で効果があり、おなかが緩くなりにくい
・健康食品や乳飲料などに使用
【トクホ】整腸、ミネラル吸収促進
2~8g/日48g/日
(0.8g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. infantis
・B. longum
・B. breve

酪酸菌
・C. butyricum
・加糖ヨーグルトに微量含まれる・オリゴのおかげ(パールエース)
・オリゴワン オリゴ糖シロップ(ハーバー研究所)
フラクトオリゴ糖砂糖
【酵素合成】

グルコース + フルクトース
・難消化性
・砂糖の味質に近い
・菓子や飲料、サプリメントなどに使用
【トクホ】整腸、ミネラル吸収促進
3~8g/日24g/日
(0.4g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. infantis
・B. longum
・B. breve

乳酸菌
・L. acidophilus
・L. plantarum
・L. salivarius

酪酸菌
・C. butyricum
・ごぼう
・ライ麦
・にんにく
・バナナ
など
・沖縄・奄美のきびオリゴ(ウェルネオシュガー)
・フラクトオリゴ糖(日本オリゴ)
ガラクトオリゴ糖乳糖
【酵素合成】

グルコース+ガラクトース
・難消化性
・熱や酸に強い
・ヨーグルト、育児用粉乳などに使用
【トクホ】整腸
2~5g/日18g/日
(0.3g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. bifidum
・B. infantis
・B. longum
・B. breve

乳酸菌
・L. acidophilus
・L. casei
・L. fermentum
・L. salivarius
・母乳に微量含まれる・カップオリゴ(ウェルネオシュガー)
・プライムオリゴ(プライムケア東京)
イソマルトオリゴ糖デンプン(トウモロコシやタピオカなど)
【酵素合成】

グルコース
・部分消化性
・熱や酸に強い
・飲料、パン、サプリメントなどに使用
【トクホ】整腸
10g/日90g/日
(1.5g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. infantis
・B. longum
・B. breve
・発酵製品に微量含まれる・オリゴ糖(光商)
・イソマルトオリゴ糖(マルミ)
ビートオリゴ糖
(ラフィノース)

てんさい糖蜜
【分離精製】

ガラクトース+グルコース+フルクトース
・難消化性
・甘味は砂糖の20%程度
・熱や酸に強い
・飲料や育児用粉乳、サプリメントなどに使用
・整腸
5g/日
腸内細菌雑誌13,1-7(1999)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. infantis
・B. longum
・B. breve

乳酸菌
・L. fermentum
・L. salivarius

酪酸菌
・C. butyricum
・てんさい
・豆類(大豆、エンドウ豆)
など
・てんさいオリゴ(加藤美蜂園)
・ビートオリゴ(日本甜菜製糖)
ミルクオリゴ糖
(ラクチュロース)
乳糖
【異性化反応】

ガラクトース+フルクトース
・難消化性
・ヨーグルト、育児用粉乳、医薬品などに使用
・整腸
4g/日
(森永乳業)
18g/日
(0.3g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. bifidum
・B. infantis
・B. longum
・B. Breve

乳酸菌
・L. acidophilus
・L. plantarum
・L. casei
・L. fermentum
・L. salivarius

酪酸菌
・C. butyricum
・加熱殺菌された牛乳に含まれる・ラクチュロースシロップ(森永乳業クリニコ)
・毎日爽快ミルクオリゴ糖シロップ(森永乳業)
キシロオリゴ糖ヘミセルロース(トウモロコシ、バガスなど)
【加水分解】

シロース
・難消化性
・非常に少量で整腸作用
・熱や酸に強い
・健康食品などに使用
【トクホ】整腸
1〜3g/日6g/日
(0.1g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. longum
・タケノコに微量含まれる
大豆オリゴ糖大豆
【抽出分離】

ガラクトース+グルコース+フルクトース
・難消化性
・熱や酸に強い
・大豆加工品などに使用
【トクホ】整腸
2〜6g/日54g/日
(0.9g)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
・B. infantis
・B. longum
・B. breve

乳酸菌
・L. salivarius
・大豆
コーヒー豆マンノオリゴ糖コーヒー抽出粕
【加水分解】

マンノース
・難消化性
・甘みはほとんどない
・コーヒー飲料などに使用
【トクホ】整腸、脂肪吸収抑制
1~3g/日
日本食品工学会誌、Vol.8 No.4 231-238(2007)
ビフィズス菌
・B. adolescentis
乳酸菌
・L. acidophilus
・L. gasseri

※出典 藤井ら、日本食品工学会誌,Vbl.8,No.4,pp.231-238(2007)
キチンオリゴ糖キチン(甲殻類由来)
【加水分解】

N-アセチルグルコサミン
・難消化性
・サプリメントなどに使用
・整腸
ビフィズス菌
・B. longum
・B. adolescentis
・B. breve
・B. bifidum

乳酸菌
・L. salivarius
・L. casei

※出典 川口ら、J. Appl. Glycosci. vol45.415~419 (1998)

🔗表のPDF(単糖の種類説明つき)をダウンロードする

※有効菌 出典:独立行政法人 農畜産業振興機構「プレバイオティクスとフラクトオリゴ糖 ~シュガーリプレイスメントから免疫改善まで~」
※最大無作用量 出典:「中村禎子ほか 呼気水素ガス測定を指標の1 つとした難消化吸収性糖質の生体利用性の評価 におい・かおり環境学会誌 48巻 6号 平成29年」
※最大無作用量とは、体に悪い影響が出ない範囲で安心してとれる量のことです。オリゴ糖の場合は、「一時的におなかがゆるくなる」といった影響が出ない最大の量を指します。この量が多いほど、たくさん摂っても安全性が高いといえます。”

こんなに使える!オリゴ糖レシピ3選

市販のオリゴ糖シロップを使って【かんたん】【おいしく】腸活したい人におすすめの「でるでるレシピ」を紹介します!

【ドリンク】飲むマンゴーチーズケーキ

材料(1人分)

・冷凍マンゴー … 80g
・無糖ヨーグルト … 100g
・クリームチーズ … 30g
・牛乳… 100ml
・オートミール … 大さじ2
・オリゴ糖シロップ … 大さじ1(好みで調整)
・レモン汁 … 小さじ1

【作り方】

  1. 材料をすべてミキサーに入れ、なめらかになるまで攪拌する。
  2. グラスに注ぎ、お好みでミントをトッピングして完成。

【デザート】ブルーベリー×オリゴ糖の腸活ボウル

材料(1人分)

ベーススムージー
・冷凍ブルーベリー … 100g
・冷凍バナナ … ½本
・無糖ヨーグルト … 大さじ3
・オリゴ糖シロップ … 大さじ1/2(好みで調整)

トッピング
・いちご … 適量
・冷凍マンゴー … 適量
・バナナ(スライス) … ½本
・無塩ナッツ… 適量
・オリゴ糖シロップ(追いがけ用)… 少々

作り方

  1. ベースの材料をミキサーにかけて、なめらかになるまで攪拌する。攪拌しにくい場合はヨーグルトを足す。※ぶんぶんチョッパーでも可
  2. 器に流し入れ、スプーンで表面をならす。
  3. トッピングを飾り、仕上げにオリゴ糖シロップを少しかけて完成。

【おかず】食べる!ごぼうドレッシング

材料(3〜4人分)

・ごぼう … 1本(約100g)
・玉ねぎ … 1/4個(約40〜50g)
・オリゴ糖シロップ … 大さじ1.5
・酢(リンゴ酢など) … 大さじ2
・醤油 … 大さじ2
・白すりごま … 大さじ2
・塩 … 小さじ2/3(約4g程度)
・黒こしょう … 少々
・米油 … 大さじ2

【作り方】

  1. 下準備:ごぼうは皮を残したまま5cm程度の長さに切り、竹串がすっと通る程度(目安:5〜10分程度)まで煮た後、粗熱をとり、水気をしっかりと切っておく。
    玉ねぎはくし切りにする(辛みが気になる場合は水にさらす)。
  2. 撹拌:ミキサーまたはハンドブレンダーで米油以外の材料を攪拌し、ペースト状にする。
    その後、米油を少しずつ加えながら攪拌して乳化させる。
  3. 調整:味見をし、必要であれば塩や酢・オリゴ糖シロップで味を微調整する。
  4. 保存:冷蔵庫で30分以上寝かせて味をなじませたら完成。

市販オリゴ糖商品の比較表

市販のオリゴ糖商品の購入の参考に、オリゴ糖商品比較表をご紹介!

味の評価は、ウンログユーザー10名にご協力いただき、商品名を伏せて10種類のオリゴ糖を試食していただきました。

オリゴ糖商品比較表

👀横長なのでスクロールしてご覧ください。

オリゴ糖商品名
(メーカー名)
商品写真オリゴ糖の種類液色コメントまとめおいしさ甘みの強さ苦味・渋み香り後味
オリゴのおかげ
(パールエース)
乳糖果糖オリゴ糖
(乳果オリゴ糖・
ラクトスクロース)
無色透明「砂糖に近い甘さで、クセが少なくさまざまな料理に使いやすい」「口に含んだ時に鼻に抜ける香りがある」など、自然な甘みと香りのバランスがよく、料理・お菓子作りどちらにも活用しやすそうです。
さとうきびオリゴ
(パールエース)
フラクトオリゴ糖ブラウン「黒糖やカラメル、さとうきびを思わせる風味」「濃厚で上品な甘さ」「べっこう飴のような懐かしさを感じる」など、コクのある甘みと香ばしさが印象的という声が目立ちました。バニラアイスやヨーグルト、煮物などとの相性が良さそうという声もあり、甘味料としての応用の幅がありそうです。
フラクトオリゴ糖シロップ
(日本オリゴ)
フラクトオリゴ糖無色透明「クセがなくてさっぱり」「はちみつのような風味で後味もスッキリ」「他の味の邪魔をしない」など、やさしい甘さと後味の良さが高評価でした。
ヨーグルト・グラノーラ・コーヒー・お料理にも使いやすそうという声が多く、幅広いシーンでの活用が期待できそうです。
沖縄・奄美のきびオリゴ
(ウェルネオシュガー)
フラクトオリゴ糖ブラウン「黒糖や黒みつのようなコクと風味」「はちみつのようで甘味が強く、上品でおいしい」など、深みのある甘さと複雑な香りが好印象という声が多数ありました。
ややクセを感じるという意見もありつつも、「そのままでもおいしい」「和スイーツや煮物に合いそう」など、使い方次第で魅力が引き立つアイテムと評価されています。
てんさいオリゴ黒
(加藤美蜂園)
フラクトオリゴ糖ブラウン「黒みつに近い風味」「カラメルのようなコク」「スイーツのように濃厚」といったコメントが多く、しっかり甘く、香ばしさとミネラル感が感じられる、存在感ある味が特徴です。
「とろみがあり、色も濃く、紅茶やスイーツに合いそう」「香りもあっておいしい」と評価されてます。
イソマルトオリゴ糖
(マルミ)
イソマルトオリゴ糖無色透明「水あめのような風味」「クセがなくて食べやすい」「料理やヨーグルトに合いそう」といった意見が多く、シンプルで使い勝手の良い味わいが特徴です。
「甘さはやや強めだが、後に残らない」「照り焼きやコーヒーに合いそう」など、幅広い用途に使えるポテンシャルも評価されています。
ラカントフローラビオ
(サラヤ)
イソマルトオリゴ糖はちみつ色「濃厚」「上品な味」といった声があり、そのままでも美味しく食べられると評価する人も見受けられました。
コクのあるしっかりした甘みを好む方、個性のある味を楽しみたい方やには好まれそうです。
てんさいオリゴ
(加藤美蜂園)
ビートオリゴ糖
(ラフィノース)
はちみつ色「黒糖系のコク」や「ミネラル感」を感じる風味が特徴で、特に黒みつやはちみつを思わせるような自然な甘さが好評でした。
「とろみが強め」で「砂糖に近い味わい」もあり、料理や和食に使いやすそうという声が多く見られました。
ラクチュロースシロップ
(森永乳業クリニコ)
ミルクオリゴ糖
(ラクチュロース)
はちみつ色「サラっとした質感」と「すっきりとした甘さ」が特徴で、「残った甘味もおいしい」といった好意的な声が寄せられました。
また、ほんのり酸味や、べっこうあめを思わせる風味も感じられ、「他にはない個性」が垣間見えるという評価もありました。
カップオリゴ
(ウェルネオシュガー)
ガラクトオリゴ糖無色透明クセがなく「無味無臭」「何にでも合いそう」といった声が多く見られたシロップ。
甘さは控えめながら、「後味がスッキリしていて食べやすい」といった意見もあり好評でした。
素材の風味を活かしたい料理やドリンクに合わせやすそうです。

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※星評価は、ポジティブな評価が高得点になるよう5点満点でスコアをつけています。

自分に合ったオリゴ糖で“おなかの調子”をととのえてみませんか?

オリゴ糖は、日常の食事にちょっと加えるだけで、腸内環境をサポートしてくれる頼もしい味方。

比較表やレシピを参考に、自分に合ったオリゴ糖を見つけてみてくださいね!


監修:梅原しおり 管理栄養士
管理栄養士免許を持ち、「みんながうんちを見て、自分に合う食事をみつける世界へ」をモットーに、うんち栄養士として活動。著書に『あなたのウンチはどんな形?』(扶桑社)