【参加募集中】麹だけでつくったあまさけ2週間チャレンジ

災害時に70.0%がトイレ難民のリスクあり! 新型コロナの影響で 自宅で避難生活を望む人は約80% 災害時の便秘に対しても備えが必要

うんち記録アプリ「ウンログ」を運営するウンログ株式会社(東京都渋谷区、代表取締役 田口たかし)は、特定非営利活動法人日本トイレ研究所(東京都港区、代表理事 加藤篤)の協力のもと、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行における災害時の避難方法とそれに伴うトイレや排泄の問題を明らかにするためにウンログユーザー3000人を対象に「防災と災害時の排泄に関する意識調査」を実施いたしました。

調査の目的

昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により、災害時の避難についても感染リスクを低くするための方法が議論されています。感染症対策においては、トイレや排泄といった問題は非常に重要なポイントです。

今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中での災害時の避難に関する意識調査とそれに関連するトイレ環境や排便の課題を調査分析しました。

サマリー

(1)新型コロナウイルスの影響か?災害時に「自宅で避難したい」は約80%。しかし、70.0%の人がトイレ難民になる可能性!
(2)87.4%が必要数以下!災害の備えに必要な携帯トイレの個数は浸透していない。
(3)環境変化でうんちが変化する人は86.1%。災害時の便秘に備えて対策の用意を!

(1)災害時の避難場所とトイレについて

①新型コロナウイルスの影響か?災害時に「自宅で避難したい」は約80%。

災害によって停電・断水している場合の避難生活を送る場所は「自宅」が79.5%となり、2018年3月に日本トイレ研究所が行った調査(※1)では67.2%だったのに対して、12.3pt多くなっていることがわかりました。一方、「避難所」と回答した人は11.6%に留まり、2018年の調査から18.9pt減少しています。これは、これまでの避難所の環境では、人が密集し、密接した環境になりやすいため「3密」の条件が揃いやすく、新型コロナウイルス感染症への感染リスクが高まる可能性があると考える人が増えているからだと考えられます。

(※1)大地震におけるトイレの備えに関する調査結果より

②災害時のトイレ方法は「外部から水を確保して、その水で流す」が2人に1人。

災害時の避難生活の場所に「自宅」を希望する人のうち48.4%が、災害時に自宅のトイレが使えなくなった場合は「外部から水を確保して、その水で流す」と回答しました。

トイレの排水管が壊れると外部から水を持ってきて流した場合でも、汚水が溢れたり、逆流する危険性があります。マンションでは上の階から流した汚物が下の階で溢れるといったトラブルが起きています。一軒家でも地中の排水管が壊れると、流れなくなる場合もあるので注意が必要です。

③自宅での避難生活を希望する人の70.0%がトイレ難民の可能性!

災害時の避難生活場所に自宅を希望する人のうち、70.0%が携帯用トイレなど災害用トイレを備えていないことがわかりました。下水道の安全が確認できるまでは、避難所のトイレも使える数が限られる場合もあるため、70.0%がトイレ難民となってしまう可能性が明らかになりました。

(2)備蓄しておくべき携帯用トイレの数について

①備蓄しておくべき携帯トイレの数は35回分以下が87.4%。浸透しない携帯トイレの備蓄数

災害の備えとして用意しておきたい携帯トイレの数は35回分以下が全体の87.4%に達しました。中でも「6〜10回分」が28.1%で1位。国の計画では、1週間分の携帯トイレを備蓄することを推奨しています。1人あたりの1日の平均的なトイレの使用数の目安は5回とされている(※2)ので、5回×7日=35回分が最低必要と考えられます。36回分以上と回答したのは全体の12.7%にとどまり、備蓄しておきたい携帯トイレの必要数についての正しい情報がまだ浸透していないと言えます。

※2「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(内閣府)より

(3)環境の変化と排便の変化について

①環境が変化するとうんちの状態に変化がある人は86.1%。1位は排便回数が減少する。

環境が変化するとうんちの状態が変わるかどうか聞いたところ、「変わる」と答えた人が86.1%となりました。どのような変化かは、1位が「うんちの回数が減る」、2位が「コロコロやカチカチなどうんちが硬くなる」となりました。

東日本大震災の発生時には、避難所でのトイレの利用しづらさからトイレを我慢したり、水分摂取を控えてしまうことによる「震災便秘」も発生しました。平時の環境の変化でも86.1%の人がうんちに変化があることから考えると、たとえ自宅での避難生活でもうんちに与える影響は大きいと考えます。

②うんちに変化があった時の対処法1位は「食事を変える」の43.4%。

うんちに変化があった場合の対処法1位は「食事を変える」、2位は「整腸剤を飲む」、3位は「リラックスタイムをつくる」となりました。災害発生時の便秘の対処法として、整腸作用を期待できる食品や整腸剤も備えておくほうが良いでしょう。

調査概要

調査期間:2020年8月13日(木)〜2020年8月20日(木)
調査エリア:全国
調査対象:ウンログのサービスを利用している10代以上の男女
サンプル数:n=2255
調査方法:インターネットアンケート

まとめ

ウンログ株式会社 代表取締役 田口たかしコメント:

今回のアンケート調査では、避難場所に自宅を希望する人が79.5%と、2018年の日本トイレ研究所による調査と比較して、割合が大きくなっていることがわかりました。しかし、自宅での避難を希望する人の70.0%が携帯用トイレの準備がなく、災害時にトイレ難民になる可能性があることも明らかになりました。排泄は人間が生きていく上で欠かすことのできない生理現象です。ぜひ携帯トイレなど準備して、災害時にも安心して排泄ができる備えをして欲しいと思います。

また、9割近い人が平時における環境変化でうんちの状態に変化があると回答しています。東日本大震災の際には、被災地の高齢者や女性を中心に震災ストレスや食事の偏りによる便秘も発生しました。災害発生時における特殊な生活環境では、在宅避難でもお腹の調子に変化が起こることは避けられないと予測されます。

携帯用トイレを備蓄し災害時にトイレ難民を回避することはもちろん、在宅避難のためには食糧の備蓄も必要です。乾燥わかめや切り干し大根など食物繊維が豊富な乾物、味噌や漬物などの発酵食品といった、お腹の調子を整える食品も一緒に準備をして欲しいと思います。

特定非営利活動法人日本トイレ研究所 代表理事 加藤篤コメント:

災害時のトイレ問題は、命にかかわる重大なテーマにもかかわらず、備えが進んでいません。地震や水害により、水洗トイレは使用できなくなります。しかし、私たちの排泄は待ったなしです。過去の災害では、発災から6時間以内に70%の人がトイレに行きたくなったというデータがあります。使用できないことに気づかずにトイレを使用するため、便器は大小便で満杯になり、劣悪な衛生状態となります。

今回のアンケートでは、新型コロナウイルス感染症が影響していると思いますが、自宅避難を希望する人が79.5%でした。しかし、このうち約7割の人が携帯トイレなど備えていないことが分かりました。外部から水を確保するなどして対応しようとしています。トイレに流す水を人力で確保するのは量的に相当大変であること、また被災により排水管等が損傷すると流せなくなることを周知し、備えを推進することが必要です。

指定避難所のトイレ整備の基本的な状況について、市町村の7割以上が「対策は十分でないと感じている」と回答した調査結果もあります。この状態で大規模災害が起きれば、トイレパニックが起こり、関連死が増えることが危惧されます。被災者の命を守り、生活を継続するためには、災害用トイレの備えが不可欠です。快適なトイレを備えることは決して贅沢ではないと考えます。一人ひとりが安心してトイレを使用できる環境を整えるべきです。
この著者の他の記事を読む