ヨガで腸活しよう。朝晩ベッドでできる腸活ヨガポーズ。

呼吸や動き、ポーズで心身ともに刺激を与えるヨガ。腹式呼吸によってお腹を動かしたり、お腹をねじったりするポーズなど、ヨガならではの動きは、便秘解消効果が期待できるんです。今回はインド政府公認VYASAヨーガティーチャーの亀鶴綾子先生に、腸活におすすめなヨガポーズを教えてもらいました。

腸活にヨガがいい理由

まずは亀鶴先生に、腸活にヨガがいい理由を聞いてみました。

「ヨーガ療法の理論では、内側と外側から刺激を与えて変化させて、身体を健康な状態に戻すサイクルで成り立っていると考えられています。食べ物や医療は身体の内側に、運動や筋トレは外側からの刺激としてサイクルが動き、良くも悪くも身体に影響を及ぼしているのです。
ヨガは運動の部類で、外側からの刺激だと思っている方が多いかもしれませんが、実は違います。自分の筋肉を動かすことで外側を刺激し、呼吸を意識することで身体の内側にも作用するんです。
両方の刺激でサイクルが変わると、身体の循環がよくなり、ものの考え方も変わってきます。停滞していた思考やマインドも自然と動きはじめるんですね。溜まっていたものが排出されるサイクルが身体にできて、お腹に刺激を与える呼吸法や動きをすれば、腸に停滞している排泄物にも効果が期待できると思います。
だから、毎日ヨガをしているわたしはもちろん快便です!」

ヨガの呼吸法と意識すること

腸活におすすめなヨガのポーズを実践する前に、ヨガをおこなうときに覚えておきたい呼吸法と意識すべきことをチェックしておきましょう。

・「腹式呼吸」と「自然呼吸」
ヨガの代表的な呼吸法として「腹式呼吸」があります。息を吸ってお腹に空気を入れて、吐いてお腹を引っ込める呼吸法です。お腹を意識して動かし内臓に刺激を与えてる呼吸法なので、腸活にもっとも適しています。仰向けで呼吸をすると自然と腹式呼吸になるので、座ったままで腹式呼吸をするのが難しいようなら、仰向けになって呼吸してみてください。
「自然呼吸」は、今、自分がどんな呼吸をしているのかを確認しながら呼吸をすることを言います。今日は呼吸が浅いかも深いかもと、呼吸に意識を向けてみてください。

・ヨガは「目を閉じて」おこなう
ヨガをするときに必ずやって欲しいのが、「目を閉じておこなう」こと。
目を開けていると部屋にあるものが気になったり、何かを思い出したりして、集中できません。外の景色を遮断して、呼吸や身体に意識を向けましょう。

便秘の方は特にお腹を意識してください。お腹への刺激や腸が動いているイメージをしたり、お腹に意識を集めるとより効果的だと思います。

・とにかく「リラックス」しておこなう
そして、ヨガをおこなうときに、なにより優先してほしいのが身体の心地よさや心の気持ちよさ。無理をせずにリラックスしておこないましょう。緊張感の多い普段の生活にリラックスの時間を取り入れることは、腸の活動が活発になるだけではない効果をもたらすはずです。

起床時と就寝前におこなう「腸活ヨガ」

・ベッドでできる朝の腸活ヨガポーズ

今回ご紹介するのは、朝晩ベッドの上でできる腸活ヨガです。

それぞれ3つのポーズがありますので、1つ終えたら「フー」と全身の力を抜いて、5回の自然呼吸をします。このあいだに、ゆるんでいく筋肉や血液の流れ、ゆっくりした呼吸を意識してリラックスしましょう。
「筋肉の緊張とゆるみを意識することで、脳が休まり、深いリラックスを得られるようになりますよ。ヨガを続けることで自然のリズムを取り戻し、免疫力をあげる効果も期待できます。」


まずは朝起きぬけにおこなう腸活ヨガをご紹介します。
1.自然呼吸
朝起きたらもう一度目を閉じて、自然呼吸を10回おこないます。

2.ガス抜き

息を吸いながら両足と両手をお腹に方に引き寄せます。そのままひざを抱えながら息を吐きましょう。腸に刺激を与えるイメージで、そのまま10回呼吸を繰り返します。 

3.片脚引き寄せ
両脚をまっすぐに伸ばして、息を吐きながら右脚をお腹に引き寄せます。腸の右側に刺激を与えるイメージで、ポーズをキープして10回呼吸を繰り返します。右脚が終わったら左脚に変えて同様におこないましょう。

4.脚あげ
左脚のひざを立てて息を吸いながら、右脚をゆっくり90度になるまであげて、キープしたまま息を吐きます。お腹に意識して力を入れて、そのまま10回呼吸を繰り返します。左脚も同じように右脚を立ててから、左脚を上げていきましょう。


⚠︎両脚をのばしたまま片脚を90度にあげると腰に負担がかかり、腰を痛める恐れがあります。必ず反対の脚を立ててから行ってください。

5.腹式呼吸
脚をまっすぐに伸ばしてお腹に手をあてて、そのまま呼吸を10回おこないましょう。呼吸が終わったらゆっくりと起き上がってください。

・ベッドでできる夜の腸活ヨガポーズ

続いて、夜寝る前におこなう腸活ヨガです。ヨガを終えてそのまま就寝すると、リラックス効果でぐっすり眠ることができますよ。

1.自然呼吸
夜寝る前にベッドに座り、目を閉じて自然呼吸を10回おこないます。

2.片脚曲げ前屈
左脚の裏を右脚の太もも内側につけて曲げ、右脚はまっすぐに伸ばします。息を吸いながら両腕をあげて、吐きながらおろす。これを5回の呼吸とともに繰り返しましょう。終わったら反対の脚に変えて、同様に5回繰り返します。

3.両ひざ倒し

両ひざを立てて座り、両手は背中から10cm程うしろにつきます。息を吐きながら右に両脚を倒してそのまま5回呼吸をして、吸いながら元の位置に戻します。左右2往復を同様に繰り返しましょう。

3.チャイルドポーズ

正座になり両手を前について頭をさげていきます。お腹に太ももが密着したら、お腹が動いているイメージで10回呼吸を繰り返します。肩や背中、首の力を抜いて、お腹が圧迫される状態を感じましょう。お腹の中が柔らかくなっている状態をイメージしながら、呼吸をしてください。

4.腹式呼吸
脚をまっすぐに伸ばしてお腹に手をあてて、そのまま呼吸を10回おこないます。呼吸が終わったらそのまま眠りに入りましょう。

腸活で通年気をつけること

亀鶴先生が腸活をするときは、ヨガ以外にもご自身で意識されていることがあるそうです。

「私は毎朝白湯を飲んで身体を温めることを意識しています。便秘や下痢の原因の一つに”冷え”が関係していることもあるので、腸活中は真夏でも冷たいものはよくないと思うんです。身体が冷えすぎると内臓の動きが停滞してしまうように感じますね。
それともうひとつ私が実践しているのは、季節の変わり目に基礎代謝をあげておくことです。運動もしやすい秋になると、運動量を増やして筋力をつけるようにしているんですが、真冬でも冷えにくい身体になったような気がしています。
今回ご紹介したヨガをはじめ、ほかに気になるポーズがあればチャレンジしてみてくださいね」

ちなみに、ライターのコバヤシの腸は、お酒を飲んだり仕事で緊張すると下痢になりやすかったんですが、朝晩このヨガをするようになって改善されてきたように感じます。下痢にもさまざまな原因があると思うのですが、朝と夜にリラックスをして緊張を解くことで、身体の循環がよくなってきたのか、下痢になりにくくなりました。

お薬を飲んだり食生活を変えたりしてもなかなか改善されない頑固な腸をお持ちの方は、今回ご紹介した「腸活ヨガ」をぜひ一度お試しください!朝晩どちらか1回でも、長く続けることで効果が表れるはずです。

この著者の他の記事を読む
この著者の他の記事を読む