いろんなものについている「トクホ」マークってそもそもなに?
「トクホ」って聞いたことありますよね。CMでも頻繁に目にする機会が増えました。
トクホとは、特定保健用食品の通称。簡単に使えるわけではなく、効果に科学的根拠があると国から認められないといけません。いわば、「お墨付き」商品ですね。
トクホ認定が欲しいメーカーは、効果を検証して消費者庁に申請、その後消費者委員会と食品安全委員会が有効性と安全性を審査します。それを通過して晴れて消費者庁長官から個別に特定保健用食品として表示許可を受けます。 国が健康効果を表示することを認めたのは、実は日本のトクホが世界初なんですよ。
2015年の段階で1174品が認定を受けています。
トクホの「保健用途」は大きく8つ
トクホの保健用途、簡単に言うと、使う目的は8つに大別できます。 商品によっては、高コレステロール向けかつお腹の調子を整えるというように、複合的に効果がある商品もあります。
それぞれの代表的な成分も挙げていきます。聞いたことがある成分もあるはずですよ。
おなかの調子を整える
ビフィズス菌、乳酸菌、ビール酵母・寒天由来の食物繊維、様々なオリゴ糖、難消化性デキストリン
コレステロール調節
キトサン、リン脂質結合大豆ペプチド、大豆タンパク質
高血圧対策
カゼインドデカペプチド、かつお節オリゴペプチド、杜仲葉配糖体
ミネラルの吸収を助ける
クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCP)、カゼインホスホペプチド(CPP)
骨の健康維持
大豆イソフラボン
歯の健康維持・虫歯予防
茶ポリフェノール、マルチトール、キシリトール
血糖値調節
グァバ葉ポリフェノール、難消化性デキストリン、小麦アルブミン
血中中性脂肪・体脂肪上昇抑制
ジアシルグリセロール、グロビン蛋白分解物
便秘のあなたが気になる「お腹の調子を整える」商品には…
トクホ認定商品の中で最も多いのがお腹の調子を整える効果をうたったもの。 特定の科学的根拠に基づく、オリゴ糖、乳酸菌類、食物繊維類、その他の成分が含まれています。 何がどの程度含まれているのかよく見て、普段の食生活を考えベストな商品選択をしましょう。
オリゴ糖
オリゴ糖は、善玉菌のひとつであるビフィズス菌を増やす働きがあります。 ビフィズス菌が増えると、腸の運動が活発になり便秘予防に。 さらに腸内の腐敗を防ぎ、腸内環境を正常に保ってくれます。 オリゴ糖は定期的に摂取しないと効果が長続きしませんので、トクホで気軽に摂りたいですね。
乳酸菌
ビフィズス菌と同じく善玉菌。 こちらも腸内環境の正常化には欠かせない存在です。 さらに免疫力アップ、コレステロール上昇の抑制の効果も。
食物繊維
便のかさを増やし、腸内を刺激して排便を促します。その際余分なコレステロールや中性脂肪を吸着し、うんちと一緒に体の外へ出してくれます。 善玉菌のエサとなり、善玉菌優位の環境を作るので、不溶性・水溶性ともバランスよく摂取したいところです。
その他の成分
ビフィズス菌を増やす、プロピオン酸菌による乳清発酵物や納豆菌K-2株を指します。
トクホ以外も参考にしたい「栄養機能食品」と「機能性表示食品」
トクホの他にも、栄養機能食品や機能性表示食品といった表示を見たことはありませんか?これら3つは保健機能食品と呼ばれています。 トクホ以外の2つについて簡単に説明します。
栄養機能食品
普段の生活で不足している栄養素を、一日に必要な分だけ摂取するための補助的な食品。
トクホとの決定的な違いは、国が有効性や安全性を検証せず、届け出を受理するのみだということ。トクホのように、消費者庁長官から個別に表示の許可を受けてはいません。 国が定めている栄養成分(ビタミン類やカルシウムなど)の基準に適合していれば、メーカーの責任で表示できます。
機能性表示食品
平成27年4月に始まった新制度。 こちらも栄養機能食品と同じく、個別に審査、消費者庁長官からの表示許可をされているわけではありません。
栄養機能食品が栄養成分を基準としているなら、こちらはお腹の調子を整える、脂肪の吸収を穏やかにするなど、食品の機能性にポイントが置かれています。
最後に
トクホは国によってその効果を認められた食品です。 かといって頼りすぎるのは禁物。どの食品にもいえることですが、食べ過ぎると効果が無くなったり、逆効果になることさえあります。 自分の体調を考慮し、健康を維持してくれるサポート役として、適宜適量を取り入れてみましょう。
ライター KURO
趣味の自転車を楽しむためにも、お腹の冷えにめっぽう弱い体質を改善しようと奮闘中。
読んだ人が、少しでも「ためになった」と思ってくれるような記事を書いていきたいと思います。