深夜2時ごろ。ぱっちり目覚めてしまった筆者は、トイレへ立ちました。
便器のフタを開けてみると、あれ、何かおかしい・・・?
いつもの水位まで、水が溜まっていないのです。さながら枯れ果てた井戸のよう。
流してみたら水も溜まるでしょ、なんてあまり考えもせずレバーを引いたのがウンの尽き!
勢いよく流れた水はみるみるうちに便器いっぱいになり、ついには溢れ出てきたのです。
え? え? ナニコレ?
あまりのことに声も出ず棒立ち。
足先に水が迫ってきたところで我に返って、ダッシュで家を飛び出し、水道の元栓を閉めました。戻ってみると、外の洗面台のあたりまで床がびしょびしょに。
ウワサに聞くだけだったトイレ大洪水が、まさか自分の身に起こるなんて・・・でも自分で原因を調べても、修理まではできそうにない。ということで、テレビCMでおなじみの某水道屋さんへ電話をして、プロに来てもらうことになりました。
(こういうとき、24時間対応って本当に助かります。ありがとうございます!)
トイレの修理って大変!
修理屋さんを待っている間、7か月になる猫が溢れたトイレ水をどうにかして舐めようとするので(汗)ケージに隔離。
30分ほどして、1人の修理屋さんが何やら色々な道具を持って登場。この時すでに深夜3時すぎ。
それでも笑顔でとってもフレンドリーなお兄さん。神様かと思いました。
電話で事前に状況は説明してあったのですが、トイレへ案内すると「あはは〜派手にやったね!とりあえずラバーカップで詰まりをとってみますね」と楽しそうなお兄さん。私はスッポン(ラバーカップというらしい)も持っていなかったので、ネットに書いてある応急的な処置すらも試せなかったのです。これでアッサリ直っちゃったら拍子抜けだな・・・とか思っていたのですが、思いの外苦戦している様子。
それにしても何が詰まっちゃったのだろう・・・
いつも私は快便、というかむしろユルいほうだし、トイレットペーパーも使いすぎには気をつけてるし。まさかズボラなトイレ掃除が原因とか?
っていうか、他人に家のトイレチェックされるのって恥ずかしい・・・さっきからトイレずっと我慢しているんだけど言いにくい・・・
お兄さん 「う~ん、これは、便器外してみないとダメかもしれないなあ。」
もしかして、これ長期戦になりそう・・・?
※ちなみに、深夜にトイレが詰まってしまって、スッポンが手元にないときは近所のコンビニとかで貸してくれることがあるみたいです!でも一家に一本、持っておきたいですね。
大洪水の犯人は・・・まさかの!
その後、修理は思ったより難航。
液体の薬を入れたり、スッポンを繰り返したり・・・最後は「高圧ポンプ」というのを試していただいて、作業開始から1時間ほどで、やっと詰まりがとれました。果たして原因は・・・
お兄さん 「猫ちゃん飼われてますよね?ウンチとか猫砂とか、トイレに流してませんか?」
─── な、なぜそれを!
お兄さん 「猫のウンチは人間のとは違って、トイレに詰まっちゃうんですよ。
人間でも、便秘がちの人のウンチは固くて詰まりやすいんですが、猫のウンチも固くて溶けにくいんです。それが少しずつ排水管に溜まって大きな塊になってしまったのが、今回の原因ですね」
─── ええ〜〜!知らなかった!!
猫砂だって「トイレに流せる」のを使っていたし、そもそもウンチ=トイレに流すもの、だから大丈夫!って思い込んでいました。
後日、調べてみると
「猫はグルーミング(毛づくろい)をするため、ウンチに毛が多く混じって水に溶けない」
「軽くて浮くので、排水溝やS字トラップのところに詰まりやすい」
などの理由から、特に猫のウンチは詰まりやすいのだとか。確かに人間の髪の毛も、そのまま流したりしたら排水溝に詰まったりしますよね。
しかも下水の処理能力によっては(自治体によって異なります)、ペットの排泄物に対する菌は殺菌できないため、そのまま菌が海や川に流れてしまうのだそう。「家のトイレが詰まる」という個人的な問題を超えて、環境の汚染にもつながるおそれがある、というのだからビックリ。
─── トイレに流せない。それならウンチは燃えるゴミと一緒に、ゴミの日に出せばいいじゃない!
なんて思ったのですが・・・
ウンチってゴミに出しちゃだめなの!?
念のため、ネットで検索してみたら、某・知恵共有サイトでは「都内ではウンチはゴミに出しちゃいけないんですよ」との回答が。
そ、そんな・・・だとしたら、どうやって処分すればいいの?
そこで私は、いま住んでいる都内某市のホームページをチェック。しかし、人間の赤ちゃんのオムツを捨てるときの注意事項に「汚物はトイレに流すこと」となっていますが、ペットの排泄物については書いてありませんでした。
・・・これは直接聞いて確かめてみるしかない!
ということで、早速、市の「ごみ減量推進課」に電話をかけてみました。
─── あの、猫のウンチをトイレに流したら、詰まってしまったのですが・・・
①猫1匹を飼育中
②住居は集合住宅
以上のことを伝えて「今後どうやって処分したら良いですか?」と尋ねたら、
回答 「個人の方が、飼育されている猫ちゃん程度の排泄物であれば、ビニール袋に包むなど衛生上のご配慮をいただければ、緑の袋に入れて、燃やすごみとして出して大丈夫です」
【結論】 燃えるゴミでOK
私の住んでいる市では、燃えるゴミとして回収してくれるんですね(一安心)! 聞いてみてよかったです。
要チェック! 都内でも自治体によって対応が違うらしい
それなら、都内ならどこでも同じようにゴミとして出せるのかしら。某サイトにはダメって回答があったけど・・・
せっかくなので、ペットがたくさんいそうな地域についても調べてみました!
(犬の飼育数が多い地区は、猫も多いはず!と仮定して、候補を選出しました。)
世田谷区
ホームページ
(犬について)フンは必ず持ち帰り、小石等を取り除いてトイレに流してください。
問い合わせの回答
少量ずつならトイレに流して大丈夫です。猫砂はできる限り除いてください
【結論】 トイレに流す
練馬区
ホームページに記載なし
問い合わせの回答
特別区(東京23区)のごみ焼却を担っているのは東京二十三区清掃一部事務組合です。その事務組合規則8条により、ふん尿は、ごみ焼却施設への持ち込み禁止物に指定されています。そのため、ペットのふんを燃えるゴミなどとして出すことを認めていません。
また、東京都下水道局では、下水道を規定する下水道法が、そもそもペットのふん尿が排出されることを想定していないものの、ヒトの排泄物は排出を認めていることから、排出されるものが下水基準に違反しなければ、排出を認めないものではないとしています。
ただ、猫の排泄物には、その習性から体毛を多量に含むことがあり、配水管を詰まらせるようなこともあることから、下水道局では、異物を取り除いたあと排出するようお願いしています。
なお、以上は、特別区(東京都23区)に限定したものであることを申し添えます。
【結論】 トイレに流す
足立区
ホームページに記載なし
問い合わせの回答
ペットの排泄物についてはトイレに流していただくことをお願いしております。その理由として、東京23区の清掃工場(ごみ焼却炉)では、ふん尿の持込が禁止されていることから、処分ができないためです。
確かにペットの糞は水に溶けにくく、毛玉も混入するため、トイレのつまりを誘発しますが、下水道の処理には問題はありません。
少しずつ流すなどの工夫で処分をお願いいたします。
【結論】 トイレに流す
大田区
ホームページに記載なし
問い合わせの回答
大田区におけるごみ収集においては、公道上の集積所へごみを出していただくことから、衛生問題の関係上「ペットの排泄物」は、お出しいただけません。
排泄物については、可能な限り猫砂等を除去し、量等を調節しながら、下水に流す等の処理をお願いいたします。
【結論】 トイレに流す
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なるほど! 現在、東京23区では、排泄物は(人間のも動物のも)ゴミとして処理できないことになっているんですね!
たしかに、ワンちゃんだけでも20,000匹を超える地域となると、ウンチも相当な量になりますもんね。
ちなみに23区外で、ペットが多い「八王子市」「町田市」にも聞いてみたところ
八王子市
ホームページ
ペットシーツは燃えるゴミ
問い合わせの回答
トイレに詰まってしまう恐れがあるので、燃えるゴミに出してください。
【結論】 燃えるゴミに出す
町田市
ホームページに記載なし
問い合わせの回答
町田市の下水道はペットの排泄物は処理できないことになっています。トイレには流さず、燃えるゴミとして出すようにしてください。
【結論】 燃えるゴミに出す
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23区外の市では、私の住む町と同じように、ウンチはゴミとして収集してくれるところが多いようです。(人間のウンチはトイレに流すようにしてくださいね!)
今回は東京都内の数カ所の自治体に問い合わせてみましたが、下水処理場の管理は細かく分かれていて地域ごとで対応も様々です。ホームページには明記のない場合が多いですが、気になる場合はメールなどで聞いてみてください!
※あくまでも筆者の飼育状況(集合住宅、1匹飼育)を伝えた上での回答です。多頭飼いで、処理するウンチの量が多い場合には、また他に推奨される方法があるかもしれません。
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「ウンチのゆくえをもっと知りたい」それならこの記事も読んでみて ↓
「流せる猫砂」をトイレに流す時のコツって?
また、「トイレに流せる猫砂」の使用方法についても、ウチで使っている猫砂のメーカーさん(サンメイトさん)に問い合わせてみました!
「流せるって書いてあるのに詰まっちゃったんですが・・・」(断じてクレームではありません。笑)と聞いてみたところ、どうやら流し方にコツがあったということがわかりました!
「流せる」というのは、「水に溶ける」ということであって、つまり、水量に対して猫砂があまりに大量だと溶けずに固まりが残ってしまうのです。
特に、最近のトイレはエコを意識した節水タイプが多く、猫砂を流すことを想定した作りにはなっていないので、「流せるタイプ」であっても注意が必要なのだとか。
① 少量ずつ数回に分けて流すこと。1回おきに水だけを流すとより安心。
② 固まるタイプの砂は、固まりを崩して流すこと。1回に流す量は約50cc(ゴルフボールくらいの大きさ)を目安に!
③ トイレットペーパーと一緒に流さないこと
④ 硬くなって崩れない固まりは、流さず、燃えるゴミに出すこと。
これらのポイントを抑えれば、トイレに流せる猫砂として安心して使えるそうです。
(ですが、この方法だと水道代の請求が怖い。。そんな人は、猫砂はウンチとは分けて、燃えるゴミとして処分するのがベストですね!)
メーカーさん曰く「各製品の裏面にある使用方法をよく確認して、注意事項は守って使用してくださいね」とのこと。
取扱説明書は読まずに雰囲気で使っちゃうタイプの私、少し反省しました。
あなたの街では、どうですか?
集合住宅では、水まわりのトラブルは近隣の住民にも被害が出る可能性もあるので、トイレの詰まりには特に気を付けたいところです。幸い、今回の私のケースでは近隣に迷惑はかかりませんでしたが・・・トイレの修理費は5万円超え、と痛い出費になりました。
ちなみに、最近増えているペット共生物件では、なんと共用スペースに「ペットの排泄物を流す専用のトイレ」が設置されているところもあるのだとか!なんともありがたいですね。
あなたのお住いの街ではどうでしょうか? ペットを飼っている人は、ぜひこの機会に「ウンチのゆくえ」についても知っておきましょう!
あなたはペットのうんち、どう処理してる?
ペットと暮らしているあなたは、アンケートでぜひご自身の経験を聞かせてください。
どんなエピソードでも歓迎です!
「ペットのうんちの処理方法について」 ← アンケートはこちらから!