便秘と痔 恐怖のスパイラルの原因は「座りっぱなし」だった

便秘は痔を呼び、痔は便秘を呼ぶ

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便秘。どちらも長引くこともある症状ですが、同時に悩んだことはありませんか?

この二つの症状に同じタイミングで悩むのは珍しいことではありません。それは、便秘と痔は密接に関わっているから。片方が悪化すればもう片方も悪化してしまう、非常に厄介な関係にあります。

便秘になると、うんちは水分が抜けて固くなります。そんな時に無理にうんちを出そうと強くいきんでしまうと、肛門が切れて出血することがあります。これが切れ痔です。 あるいは、いきみによって肛門周辺にある静脈がうっ血を起こします。これがいぼ痔です。

こうして痔になると、排便時の痛みからトイレに行くのをためらうようになる人もいます。うんちはお腹の中にあるままで水分だけが抜けていきますから、より便秘は悪化することに。

このように、便秘になると痔になりやすくなり、痔になると便秘を悪化させていくというスパイラルが出来上がるのです。

「座りっぱなし」な生活がその原因に

密接な関係にある便秘と痔ですが、その両方の原因となり得るのが、長時間同じ姿勢を取り続けることです。

仕事はデスクワーク中心で長時間イスに座って作業し、家に帰ってもあまり体を動かすことはせず、やはり座りっぱなしの状態が続く…そんな人は便秘・痔を発症させる危険度が高いといえます。

自分の生活パターンを振り返り該当している人は、今は発症していなくても、これから発症する可能性もあるので要注意です。

座りっぱなしのここがNG

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では、なぜ座りっぱなしの状態が便秘や痔を悪化させてしまうのでしょうか。

長時間同じ姿勢を取り続けていると下半身の血の巡りが悪くなり、肛門周辺でうっ血を起こしやすい状態になります。

また、座ったままで体を動かさないことが習慣になってしまうと、筋力が低下してしまいます。

特に腹筋は腸のぜん動運動を助けるという重要な働きがあります。女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、この筋力低下による影響がより顕著になります。

座る姿勢も重要な要素。 猫背になって体を丸めるような姿勢だと、腸を圧迫し、働きを弱めてしまいます。

長過ぎるトイレもNG。

便秘だからと、マンガやスマホを持ち込んで長い時間便座に座るのはよくありません。便座に座っているだけで、知らず知らずのうちに力を入れていることがあり、肛門に余計な負荷をかけてしまうことに。

ながらストレッチや腹式呼吸で便秘も痔も改善しよう

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便秘を改善するために是非ともを取り入れたいのが、ながらストレッチなど軽めの運動や腹式呼吸です。

前述したように、座りっぱなしの状態と腹筋などの筋力不足が便秘や痔を悪化させてしまうのでした。そうならないように、仕事の合間や移動中のスキマ時間に、筋肉を刺激したり血流を促してあげることが大切です。

腹筋と聞くとハードルが上がったように感じる人もいるでしょうが、大切なのは刺激してあげること。筋トレまでいかずとも、自分の中で無理なく実践できるものを探してみましょう。

いくつか簡単に出来るものを紹介します。

背伸びストレッチ

手を組んで上方向に挙げて、座りっぱなしで凝り固まったお腹や背中の筋肉をぐっと伸ばしてあげましょう。

しっかり呼吸をして、伸ばしたい場所の筋肉を意識して伸ばすのがポイント。

スペースに余裕がある時は、左右や前後に体を倒してあげると、よりストレッチ効果が望めます。

骨盤まわし

立ったままでも座ったままでもできる、骨盤周りをほぐすストレッチ。

骨盤を回すことを意識して、腰を時計回りに10回、反時計回りに10回グルグルと回してみましょう。

腹式呼吸

腹式呼吸は体幹部分の筋肉を刺激するのに効果的です。

大きく息を吸って、口からゆっくりと、もう吐き切れないというところまで息を吐きます。

これを1回10秒・6回ほど繰り返すだけで、普段あまり腹筋を刺激していない人なら効いている感覚があるでしょう。

いずれもほんの数分でできるので、座りっぱなしによる下半身のうっ血や筋力低下を予防して便秘と痔をダブルで予防・改善していきましょう。

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