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元祖・発酵食品チーズを食卓へ! 腸内細菌を元気にする食生活

チーズとヒトは紀元前からの長―いお付き合い

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よりよい腸内フローラ形成には発酵食品がいい!と耳にした方も多いでしょう。

では発酵食品と聞いて何が浮かびますか? チーズは比較的最初の方に挙がるのではないでしょうか。

日本人にもお馴染みの食べ物であるチーズですが、その歴史は古く、紀元前まで遡ります。

チーズ発見の通説は、ヒツジの胃袋で作った水筒に入れていたヤギの牛乳が、偶然チーズに変化していた、というものでした。 しかし近年、ポーランドで紀元前5000年にヤギのチーズが作られていた跡が発見され、これまで想定していた以上にチーズが古くから広まっていた可能性が出てきました。

いずれにせよ、この固形発酵食品が遥か昔から愛されていたことは間違いないでしょう。

よく聞くナチュラルチーズとプロセスチーズってなんですか?

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世界に1000種類あるといわれるチーズを大別すると、ナチュラルチーズプロセスチーズに分けられます。よく聞く名称ではありますが、いったい何が違うのでしょうか?

ナチュラルチーズ

牛やヤギの乳を発酵熟成させたもの。ヨーロッパでチーズといえばこちらで種類も豊富。 最大の特徴は発酵が止まっていないこと。これにより、風味は時間を追うごとに変化していきます。自分好みの味を追求できるのが魅力です。

プロセスチーズ

ナチュラルチーズを溶かし、加熱・加工したもの。日本やアメリカで一般的にチーズといえばこちらになります。 加工がしやすく、スライスチーズやおつまみチーズなど、日本の食文化の幅を広げた存在です。 加熱処理されたため発酵は止まっており、保存性を高めつつも味を均一に保つことが可能です。

美味しくて体にうれしい チーズの力

100gのチーズを作るのに必要な牛乳は1000ml。つまり、牛乳の栄養素が10分の1の量に凝縮されているんです。当然栄養価は高くなります。

牛乳はお腹がゴロゴロするから…という人も、チーズなら大丈夫ですね。

チーズの種類よって含まれる栄養素の量は異なりますが、代表的なものを紹介します。

カルシウム

骨や歯を作るのに欠かせないカルシウム。チーズに含まれる栄養素の代表格です。 どのチーズにも多く含まれていますが、固いパルメザンやゴーダは特に含有量が多め。

少量でたくさんのカルシウムを摂取できる上、吸収率も50から60%と他の食材を圧倒しています。 骨粗しょう症が心配な高齢者の方や、女性の閉経後の女性ホルモン減少に伴うカルシウム不足対策に最適な食材です。

ビタミンA

風邪対策になるのがビタミンA。のどや鼻の粘膜を保護し、細菌から身を守ってくれます。 他にも健康な肌の維持や、暗いところでの目の働きを良くする効果も。

ビタミンB群

糖質やタンパク質、脂質をエネルギーに変え、さらにそれを体内の細胞に供給してくれるビタミンB群。 糖質を唯一のエネルギー源とする脳の働きにも欠かせません。 肌荒れや口内炎、髪のダメージも防いでくれます。

タンパク質

チーズは動物性タンパク質を豊富に含む食材です。 筋肉だけでなく、血液や髪の毛、臓器など体を形作るとても大事な栄養素です。子どもの成長期には特に必要とされます。 タンパク質が不足すると、体力や免疫力が低下してしまいますから、積極的に摂取したいですね。

抗酸化作用

栄養素ではありませんが、チーズには高い抗酸化作用があるということがわかってきました。 チーズの消費量と循環器系疾患死亡率が反比例するという調査結果があり、内臓脂肪の蓄積を抑制したり、コレステロール値を正常にしたりと、メタボ対策に有効であるとされています。

食べ過ぎに注意!栄養価が高いだけに高カロリーなものも

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チーズには脂質が多いので、食べ過ぎには注意が必要です。

栄養価が高いパルメザンチーズはカロリーも高め。逆に、水分量の多いフレッシュチーズなどはカロリーが少ない傾向があります。

また、チーズには足りない栄養素もありますから、他の食品で補うようにしましょう。

大豆やごま、ナッツなどの豆類からはマグネシウムを。おつまみにいいですね。 ビタミンは野菜から。チーズと一緒にサンドイッチにしたり、チーズドレッシングのサラダなどを。 きのこや海藻と合わせれば、食物繊維不足もカバーできます。

よりよい腸内フローラ形成に役立つ発酵食品、チーズ。栄養価も高いのですが、食べ合わせや摂取量には注意が必要です。チーズに限らず、偏りはNG。 上手な付き合い方をして、チーズの栄養効果を最大限受け取れるようになりましょう。

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