うんちの異常、原因は腫瘍? 大腸がんの初期症状について

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若い頃は快便だったのに、歳を取って便秘がちになったという方も多いのではないでしょうか。 便秘以外にも大腸に関わる不快症状がある場合、実は大腸がんの症状だったというケースがあります。 最近では、食生活の乱れや飲酒、生活習慣病の増加などによって大腸がんになる人が増えています。 大腸がんによる死亡者数は、がん死亡者数の中でも男性は第4位、女性では第1位に上っています。 ですが、大腸がんは決して予後が悪い病気ではなく、早期発見・早期治療ができれば完全に治療することができる病気です。 たかが便秘と思わず、大腸がんの症状かも知れないことを思って、便秘やその他の症状についての理解を深めておきましょう。

欧米化した食生活によって増加している大腸がん

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大腸がんは盲腸、大腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸、肛門のいずれかに発生するがんのことをいい、日本人では特にS状結腸や直腸に多いといわれています。 大腸がんが発生する原因は、食生活の欧米化や加工品の摂取、飲酒、肥満などの生活習慣病などが指摘されている他、遺伝も影響するといわれています。 大腸がんの発生が多くなるのは40歳以降で、その後は年齢と共に罹患率が徐々に上がっていきます。 男女比は男性の方が女性の約2倍多く、男性の発生率が高いことが分かります。 大腸がんは、初期症状に乏しく進行してから気づくことが多いので死亡者数が男女共に多くなっていますが、粘膜内に留まるステージ0、筋層内までに留まるステージⅠで発見できれば5年生存率は90%以上と高い確率で治癒が可能となっています。

その便秘、がんの仕業かも知れません

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大腸がんは初期症状が乏しいことが多いですが、少ない中でも排便に関する症状が一番多いので知っておきましょう。

大腸がんの症状

 
  • 便秘
  • 便が細くなる
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 血便が出る
  • お腹が張る
  • 残便感がある
  • 体重が減る
  • 貧血
  • お腹にしこりを感じる
  • 腹痛
  いかがでしょうか。便秘や残便感、お腹が張るなどの症状は大腸にできたがんによって、便の通り道が狭くなることで起こります。 がんが大きくなって便の通り道を完全に塞いでしまうと、腸閉塞を起こすこともあります。 血便はがんからの出血と便が混ざって起こり、出血がひどくなると貧血が起こることもあります。 がんによって消化吸収能力や食欲が低下すると体重も低下していきます。

こんな便には要注意! 大腸がんの部位による便の異常

大腸がんは発生する部位によって、症状がさらに分かりづらい場合があります。 便は大腸の中を通過しながら水分が吸収されていくため肛門に近づくほど固形化していきます。 そのため、まだ便に水分が多く含まれている上行結腸や横行結腸でがんが発生した場合、例え出血しても水分と混ざって分からなかったり、便の通り道が狭くなっても便が通り抜けてしまうことがあります。 一方、下行結腸やS状結腸で大腸がんが発生した場合は、便がすでにかたまりとなっているため便秘や血便、便が細くなるなどの症状が比較的出やすいです。 また、直腸で発生した場合は肛門から近いため最も症状が出やすく、特に血便の場合、真っ赤な鮮血が出ることが多く痔だと思ったら大腸がんだったということもあります。

たかが便秘とあなどらず、定期健診に行こう

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大腸がんが発見されたきっかけで一番多いのは、定期健診で受ける便潜血検査です。 便潜血検査で大腸がんの全てを発見することはできませんが、見た目には分からない血便を発見できたり、痔だと思っていたら大腸がんの検査を勧められ、検査をするきっかけになったという場合もあります。   大腸がんは、初期症状が出にくいことや症状が便秘や血便など一度や二度あっても見逃してしまうような症状なので分かりにくいです。 そのため、定期的に健診を受けて自分の便の状態をチェックすることが大切なのです。

まとめ:40歳を過ぎたら便潜血検査を受けよう!

大腸がんは40歳を過ぎると徐々に多くなってきます。 そのため、40歳を過ぎたら定期的に便潜血検査を受けるようにしましょう。 また、家族に大腸がんになった人がいる場合や大腸ポリープがある人などは特に注意が必要です。 また、自分の排便の状態を常にチェックしておくことも大切です。 急に便秘の症状が現れていないか、血便はないかなど便の状態や排便習慣を小まめにチェックするようにしましょう。 大腸がんは早期に発見できれば予後はよいため、異常が起こる前の健診と何か異常があればすぐに検査を受けることが大切なのです。
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