運を使い果たした男がウンログで40万ダウンロードのアプリ・ウンログの開発者に聞く!(後半)

ウンチは健康のバロメーター。あなたよりあなたの体調を知っています。
そのウンチを見て・知って・記録して健康・美容につなげるアプリ「ウンログ」をうみだした田口敬さん(ウンログ株式会社・代表取締役)に、ウンチと健康について聞きました!

きっかけは自分の健康改善体験

運を使い果たした男がウンログで「ウン」をつかむ!? 40万ダウンロードのアプリ・ウンログの開発者に聞く!(後半)
ウンログはいつごろ開発を始めたんですか?
田口
開発は、4年くらい前(2011年)頃に始めました。
なぜこのアプリを作ろうと思ったんですか?
田口
僕はずっと下痢がちで、花粉症でもありました。腸が弱かったのです。自分で意識して腸活を始めたら、みるみるウンチが良くなって、その翌年には花粉症もかなり改善したんですね。このウンチをバロメータに生活改善することで健康になるという実体験があり、それをみんなに伝えたいという思いから、アプリにしてみました。
腸活とは具体的に何をしたんですか?
田口
世の中には色んな本が出ていました―—腸内細菌や腸内フローラの―—。ですので、そういう本をまず読んで知識をつけて、良いと書かれていることを試してみました。
毎日、ヨーグルトを食べたり食物繊維を摂ったり、油物を控えたり、睡眠時間をしっかり取ったり……。 あと、アメリカで自分の腸内フローラを調べました。それによると、僕には太りやすい菌が平均より少なくて、痩せやすい菌が平均よりも多いことが分かりました。
田口さん細いですもんね。でも、どうしてアメリカで?
田口
日本で腸内フローラを調べるサービスがなかったからです。
アメリカでは、腸内フローラ解析が盛り上がってまして低価格で調べることができました。アメリカの方が、肥満が多いとか病気予防の意識が強いのだろうと思います。

これをやってみて、日本人向けに、手軽にできる腸内フローラ解析のサービスがあったらいいなと思い、そういうサービスがなければ自分で作ってしまえ!!と、ウンログで腸内フローラ調べるサービスを準備しています。ついこの間までモニター募集をしていたんですが、興味をもつ人が意外に多いのか用意してた枠がすぐ埋まっちゃいました。
早く正式なサービスとしてリリースしたいです。
運を使い果たした男がウンログで「ウン」をつかむ!? 40万ダウンロードのアプリ・ウンログの開発者に聞く!(後半)
すごい!!でも、腸活を広めるって考えた時に、色々と選択肢はあったはずなのに、なぜ敢えてアプリに?
田口
今、お風呂とか海に入るのも スマホを持って行く人がいるじゃないですか 。で、トイレの中にも当然持っていく。トイレで用を足している時に一番身近なものは、スマホアプリだって思ったんです。
なるほど! でも、アプリってそんな簡単に作れるんですか?
田口
できないですね。実は、僕が初めて作ったアプリがウンログなんですが、当時は営業しかしたことがなく、プログラムは初心者だったので、授業料を払って社会人スクールに通って、勉強しながら作りました。完成まで1年半位かかりました。
そんなに苦労をして!? 敢えて大変な道を選んだってことですか?
田口
そうですね。当時お金が無かったのでローンを組んで授業料60万円を支払い、勉強しながら作りました。

もう失うものは無いから…。60万円のローンを組んでアプリ開発

運を使い果たした男がウンログで「ウン」をつかむ!? 40万ダウンロードのアプリ・ウンログの開発者に聞く!(後半)
60万円!? 結構な投資でしたね。なかななローンを組んでまでアプリを作ろうなんて踏ん切りが付かないと思うんですが……。
田口
そうですね。当時結構なチャレンジだったんですけど、失うものも無いし、やってみようかな。なかばヤケクソですね。
——失うものが無い?
田口
うーん。実は、その前年に婚約破棄をしてしまってですね……婚約者の彼女に彼氏が出来たということでお別れしたんです。あと、当時働いていた会社も不況のあおりで給料が30%減になって。女にも金にも逃げられたということで。
それで半ばやけくそ?
田口
はい。やけくその思い切りもあって、60万円を投資しようと。
それはすごい。
田口
実はこの話、まだ続きがありまして。社会人スクールに通い始めて、1か月半くらいでスクールの社長が夜逃げしてしまったんです。
全然「運」ないじゃん
田口
全然運ないですよね。でも、そこで全部ウンが流れちゃったから、今度は、ウンがいっぱいついてくるかなって。作るしか無いと思って作りました。
そこまでいろいろ迷走しているとアプリ開発に関しても、何か苦労はありました?
田口
一生懸命作って1年半かけて作ってリリースをしました。最初の申請は通ったんですが、アプリの更新で2回目申請をしたらappleからリジェクト(申請を却下)される事件がありました。理由を確認すると「不快なコンテンツ」だからだと。要は、「ウンチのアプリなんてダメ」ってことですね。
1回通しておきながらヒドイですね。
田口
そうですね。しかも、ものすごい時間とお金を使いましたから。
それからどうしたんですか?
田口
ウンチが駄目なら、見た目をウンチじゃなくしようと。色を白くしてこれは、お化けだ、ジャパニーズゴーストだと言って申請しました。すると最初は通してくれました。でも、少しずつ色をつけていくとやっぱりダメって言われて。
結局ダメだと。今はアプリとしてリリースできているのはどんな工夫が?
田口
ウンチをお化けに見せかけるとか、そんな工夫はユーザーの使い勝手を悪くするようなものですよね。抜け道を探す試行錯誤を続けても仕方ないので、米国のapple本社に行ってヘルスケアのマネージャーに直談判しました。「これはエログロじゃない。ヘルスケアなんだ!」って。
すると理解していただけて、そこで太鼓判をいただきました。「今度、困ったら俺に言え」とまで言ってくれました。
apple本社まで行ったんですか!?
田口
はい。行きました。真剣なんでウンチに。
運を使い果たした男がウンログで「ウン」をつかむ!? 40万ダウンロードのアプリ・ウンログの開発者に聞く!(後半)
今はウンがついていますか?
田口
ウンチのヘルスケアアプリということもあり、口コミやメディア等で広がりまして、約40万ダウンロードです。ユーザーさんから「長年の便秘の原因が分かった!」「改善方法をみんなから教えてもらってどんどん良くなった」なんて声もあって、作ってよかったな~と思いました。
それはよかったですね!声はどこから届いたんですか?
田口
アプリ内に「うんトーーク」という匿名のコミュニティがありまして、そこを見ると結構な人が積極的に、ウンチ話をしているんです。
アップル社前にてアップル社前にて
(アプリ・ウンログの「うんトーーク」を見て)結構実況中継している人もいますね。「でない~」って。それに他の人が「頑張れ」とかコメントしていますね。皆でやっている感じが伝わりますね。
田口
そうなんですよね。やっぱり朝出ると嬉しいみたいで、出た喜びをつぶやきあっていたりもします。お互いに踏ん張りあってますね。
いいですね。色んな苦労をした田口さんが、ウンチのかぶりものをして、黄色いシャツ着て、楽しそうにアプリ作っているって聞くと希望を感じますね!
田口
仕事も生活も、ウンチと一緒で、日常的に気にかけていくとどんどん良くなっていくと思っています。1日1日快便だとその日は、気持ちが明るくなって生活出来ますので、僕は自分がいいウンチを出しているだけでハッピーです。スッキリでればおいしく食べれますし、運動も気持よくできます。

「あなたより あなたの体調 知るウンチ」ですね。

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