カチコチうんちが続いてる……硬便も便秘の症状です

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便秘はうんちが出ないだけじゃない?

便秘と聞くとうんちが全く出ない状態を思い浮かべる方も少なくはないのでしょうか?

確かに便秘を「週2日以下しか排便がない状態」と定義することもあるようですが、たとえば一応排便はあるものの、固くて出すのが大変だったり、仮に出たとしてもコロコロと黒く固い状態のうんちであったりする場合も便秘状態にあるといえるのです。

カチコチなのは腸に留まる時間が長すぎるせい

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汚い話にはなりますが、そもそも「うんち」とはどういうものでしょうか?

多くの方はうんちが何かと聞かれれば、食べカスの固まったものを想像されると思います。

しかし、実は健康なうんちの約80%は水分で出来ており、残りの20%のうち多くを占めているのが剥がれた腸粘膜や腸内細菌であり、食べカスは僅か5%にも満たないといわれています。

では、カチコチの固い便とは、その最も多いはずの水分が失われている状態といえるのですが、なぜそのようなことになってしまったのでしょうか?

それは、何らかの事情で便が腸に留まり、必要以上に腸内で水分が吸収されてしまったためです。

固―いウンチ、これってどうして?

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そもそも、胃で消化された後の食べものは、ドロドロのお粥のような状態です。

そこに消化管から1日にして約6リットルもの胃液や胆汁、膵液が加わり、9リットルほどの液体となって十二指腸や小腸を経て大腸に運ばれます。

そして、この液体は、大腸に届くころには食物繊維を含んだ完全に水のような状態になります。

仮にこのまますぐに大腸を通過すると、腸内の滞在時間が短いため水様便になってしまい、逆に長く留まればどんどん水分が吸収され、固いコロコロの便になってしまうのです。

つまり、便の硬さは大腸を通過する時間が決め手となっているわけですが、なぜその時間が早くなったり遅くなったりするのでしょうか?

いくつか理由はありますが、代表的なものとして便意を我慢したり、ストレスを受けたりすることがあげられます。

たとえば、忙しいなどの理由により便意を我慢し続けると、正常な排便反射が起きなくなり、腸に便が滞在する時間が長くなります。

また、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、腸の蠕動(ぜんどう)運動が正しく制御できず、腸が痙攣状態を起こします。

その結果、腸内に便が長く留まったり、逆に早く便が流れてしまうのです。

うんちを柔らかくしてスッキリ出すために

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では、どうしたらうんちを適切な硬さに保つことができるのでしょうか?

もし固いうんちで便秘にお悩みの場合、まずは便に適度な水分を与え、やわらかくすることが重要です。

そのためには食物繊維を積極的に摂取されることをおすすめします。

ただし、食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があり、注意が必要です。

どちらも便秘解消には必要な食物繊維なのですが、もし下痢と便秘を繰り返す「痙攣性(腸が変な動きをする)便秘」の場合は、蠕動運動をより促進させる不溶性食物繊維を摂取してしまうと、必要以上に腸が動いてしまい、便秘の症状を悪化させてしまいます。

そんなときは、水溶性食物繊維を摂取すると良いでしょう。

そして、もし腸があまり動かず、コロコロと固いうんちしか出ない「弛緩性(腸がうごかない)便秘」の場合は、水に溶けず蠕動運動に力を与える不溶性食物繊維を摂取することをおすすめします。

しかし、どちらの場合も食べ過ぎは禁物です。適切な量の摂取を心がけましょう。

適切な便の硬さを保つ上で、もう一つ大切なことがあります。

それは、便意を我慢するなどのストレスをできるだけ避けることです。

ストレス社会で生きる私たちにはなかなか難しいことかもしれませんが、たとえば、ゆとりあるスケジュールで行動したり、リラックスできる時間を作ったりするなど、自律神経のバランスを整えることも、便秘を解消し固いうんちをスッキリ出すために必要なことといえるのです。

まとめ

いかがでしたか?

うんちの固さは便が大腸に滞在する時間で決まりますが、その時間は私たち自身が決めているといっても過言ではありません。

自分の便秘タイプにあった食物繊維を適切に摂取し、ストレスを減らすよう心がけることこそ、スッキリと気持よくうんちを出すための近道といえるのです。

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