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食物繊維で便秘が悪化することも?  原因と解消法

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食物繊維は二種類あるって知っていましたか?

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食物繊維は今でこそ重要な栄養素として認識されていますが、食物繊維自体に栄養はなく、こんにゃくやゴボウなど消化に良いとはいえない食品も多いため、胃腸に負担をかけるだけの不要なものと考えられていた頃もありました。 しかし研究が進み、今では「第六の栄養素」として重要視され、食物繊維は大腸がんのリスクを減らすために有効であるということわかっています。 食物繊維が便秘に良いことも広く知られていますが、食物繊維を摂れば便秘を解消できると安易に考えてはいけません。 なぜなら食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、どちらも重要な栄養素ではありますが、それぞれの役割は異なり、自分の腸に合った、また便秘の原因に合わせて適切に摂取しなければ、逆に体調が悪化してしまう恐れがあるからです。

日常的な便秘タイプは3種類

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そして便秘タイプには「弛緩性便秘」と「けいれん性便秘」と「直腸性便秘」の3種類があることを知っていましたか?(厳密には、機能性便秘を分類すると3種類です。詳しくは、その便秘対策、間違っているかも。原因別の解消法教えます!をご覧ください)

弛緩性便秘とは?

弛緩性便秘は腹筋などの筋力低下に伴い、便を押し出す力(蠕動運動)が弱まることで起きる便秘で、日本人に最も多いといわれています。 中でも老人や若い女性に多いといわれていますが、老人は加齢による筋力の低下、若い女性は無理なダイエットによる筋力の低下が原因とされています。

けいれん性便秘とは?

けいれん性便秘は弛緩性便秘とは違い、腸の一部がけいれんを起こし蠕動運動が上手くできない結果、便がうまく通らなくなり便秘になるのです。これの主な原因はストレスで自律神経が不調になった結果といわれています。 この現象は、大腸を歯磨き粉のチューブにたとえるとわかりやすいかもしれません。 歯磨き粉のチューブを後ろから正しく押すと、中身が前に押し出されチューブの口からきちんと外に出ます。しかし、チューブの真ん中辺りや他のところを押してしまうと、中身が前に行ったり後ろに行ったりしてチューブの口から出にくくなります。 これがけいれん性便秘の状態です。 ちなみに、チューブを押す力自体が弱くなっている状態のことを弛緩性便秘といいます。
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直腸性便秘とは?

直腸性便秘とは、便が肛門の前の直腸までは来ているものの、上手く便意を催すことができずに排便できない便秘です。通常、直腸に便が来ると脳に刺激が伝わり排便を促しますが、便意を我慢することを続けているうちに、脳への刺激が鈍くなり、起こります。そして、腸にとどまる時間が長くなることで、便から水分が吸収され固くなり、より悪化していくのです。 では自分の便秘がどれに当てはまるのか、それは以下の症状で見分けるのが一般的です。

弛緩性便秘の症状

  • 便が長く腸内に残るため水分が失われ、排便されたとしても硬く短めの途切れるものになる
  • 長く滞在した便は有害なガスを発生しやすく、常にお腹が張った状態になる
  • 排便しても残便感がありスッキリしない

けいれん性便秘の症状

  • 過剰に腸が動き、水分の吸収と保持のバランスが崩れるため便秘と下痢を繰り返す
  • ウサギのようなコロコロした硬い便が出る

これ大事! タイプ別食物繊維の摂り方

最初にお伝えしましたが、食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類が存在します。 特に不溶性食物繊維は、便のかさを増し腸壁に直接刺激を与え、ぜん動運動を促します。この不溶性食物繊維を、けいれん性便秘や直腸性便秘の方が摂取すると、うまく腸内を通せないで苦しんでいるところに便のカサがまして、さらに便が動きにくくなり、便秘が悪化してしまいます。 けいれん性便秘と直腸性便秘は、水溶性食物繊維を摂取して、便を柔らかくする方が効果があると考えられます。 一方、弛緩性便秘の方には、腸を刺激しぜん動運動を促進させる不溶性食物繊維が効果的ということになります。

食物繊維をうまく働かせるためには?

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便秘対策のために食物繊維を摂取したのであれば、より効果的に働いて欲しいですよね。 食物繊維を効果的に働かせるためには、まず十分な水分が必要です。 また、食物繊維は、乳酸菌を代表格とする善玉菌のえさになりますので、水溶性食物繊維とヨーグルトなどを一緒に摂取することで、腸内環境が整い便秘になりにくい腸内環境を効率的につくることができると考えられます。 目標にしたい食物繊維量は、食事摂取基準(2010年版)によると、18歳以上で1日あたり男性19g以上、女性17g以上とされています。

まとめ

便秘対策には食物繊維が良いことは事実です。 でも、症状によっては、かえって悪化してしまうこともあります。そうならないためには、自分の便秘タイプを知り、その上であった食物繊維を選択するよう意識してください。
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