「玄米は、とても栄養豊富。そのひとつである食物繊維は便秘解消のアイテム」ということで、玄米を食べ始めてみたけど、逆に便秘が悪化しちゃったなんて人いませんか?
玄米は、便秘に良い食べ物ですが、食べ方にひと工夫が必要なんですよ。
栄養価満点の玄米
玄米には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれていて、人が健康を保つために必要な栄養素のほとんどを玄米から摂取できるといわれています。
江戸時代まで、日本の庶民の主食は玄米でした。江戸で白米食が広がった頃、江戸へ行くと調子がわるくなるといった「江戸わずらい」といわれた病気が流行るほど、ビタミンB1不足になる人が続出しました。
お米100g中のビタミンB1の含有量は、白米0.1g、玄米0.5gとなんと5倍も違いがあります。また、玄米には、食物繊維も多く、便秘にも効果がありそうです。ただこれらの栄養価が、玄米を白米に精米する時に、その多くが失われてしまうため「江戸わずらい」のようなことが起こってしまうのです。
でも便秘が悪化する(かも)な玄米の3つの理由
1. 玄米の食物繊維が原因?
玄米の食物繊維は、不溶性食物繊維です。
この不溶性食物繊維は、腸で水分を吸収してふくらみ、腸を刺激し蠕動運動(ぜんどううんどう)を促し、排便をスムーズにします。
しかし、すでに便秘になっている人の腸内は水分が不足状態にあることが多いと考えられます。
水分が不足している状態で、不溶性食物繊維を多く摂ってしまうと、食物繊維がさらに水分を吸収してしまうことから、腸内の水分がなくなり、便がさらに硬くなってしまうことがあります。
2. 玄米の消化不良のせい?
玄米は、白米よりよく噛んで食べる必要があります。あまり噛まずに飲み込んでしまうと、胃が消化しきれず、消化不良を起こしてしまう場合があります。
消化不良の状態で食べ物が腸に送られてしまうと、硬いまま便となってしまい、便秘になりやすくなってしまいます。
3. 体質と合わない?
もし、子供の頃から便秘がちであったり、ウサギのフンのようなコロコロのウンチをしているという人の便秘解消には、玄米は合わないようです。
もともと人より腸が長かったり、腸が少し捻れていたりする場合があるそうです。
このような場合は、玄米は、便秘を悪化させてしまう恐れがあります。
快便につながる玄米の食べ方のコツ
では、便秘解消には、何に注意したらいいのでしょう?
玄米の食べ方のコツをお教えします。
たっぷりの水分を忘れずに
玄米を食べるときは、水分も忘れずにしっかり摂りましょう。
玄米の食物繊維が腸で働くときの水分不足を防ぎます。
献立にスープや味噌汁を加えたり、お水やお茶(ノンカフェイン)を一緒に摂るのが良いですね。
玄米は良く噛んで
玄米は、一口食べるごとに最低10回以上噛んでから飲み込みましょう。
玄米は白米よりも硬く噛み応えがあります。噛めば噛むほど甘みも増しますのでがんばって噛みましょう。
しっかり噛んでから飲み込むことで、胃での消化もスムーズになり、消化不良を起こすのを避けることができます。
白米から徐々に切り替える
白米から玄米への切り替えは、いっきに今日から玄米!とするのではなく、少しずつ白米に玄米を混ぜて、徐々に増やしていくという風にならしていくのが良いでしょう。
美味しい食べ方は?生活に取り入れる工夫
玄米は、食感がパサパサして苦手という人もいますよね。
玄米を美味しく炊くには、いくつかポイントがあります。
- よく洗った玄米に自然塩を少々(一合に対して1g)入れる (玄米に多く含まれるカリウムで苦味が出る場合があり、塩のナトリウムで中和させてより美味しく炊き上げるため)
- 玄米を約1.3倍の水に一晩つけておく
- 炊けたら15分程度蒸らす
- 玄米を炊くときは、圧力が高いほど、もっちりと美味しくなるため、圧力釜で炊くのが良いようです
- 電気炊飯器で炊く場合は、もち米玄米を適量入れるともっちりとした食感が出ます
まとめ
玄米は、食べ方に注意すれば、栄養満点で便秘解消にもなり、とても良い食材です。
白米より硬めで食べずらいといった点がありますが、炊き方、食べ方をひと工夫して毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。