最近テレビなどで話題の「アサイー」ですが、体に良いとは聞くけどどんなものかよくわからない、そんな方も多いのではないでしょうか。
実はアサイーは「スーパーフルーツ」と呼ばれるほど驚異的な栄養価を持つ果実で、美容と健康を保つためのサポート役に適しているのです。
今回はそんなスーパーフルーツといわれる「アサイー」について、歴史的、文化的な背景を含めご紹介したいと思います。
アサイーはなぜ今まで知られていなかったの?アサイーの歴史からわかるその理由
アサイーは、もともとブラジルのアマゾン川流域で暮らす先住民たちの間で、主要食物や日用品として生活に不可欠な果実とされてきました。見た目はブルーベリーに似ていますが、そのほとんどは種のため食べることができません。可食部分の割合はなんと全体の5%程度というから驚きです。
そんな食べにくいアサイーが、なぜ現地の人たちに昔から親しまれてきたのか、それは豊富な栄養素に理由があります。アサイーには、アンチエイジング(若返り効果)に欠かせない抗酸化作用のあるポリフェノールが赤ワインの約30倍、身体の代謝を促す豊富なビタミンB群、ごぼうの約3倍もの食物繊維、ほうれん草の約2倍もある鉄分など、挙げだしたらキリがないほど豊富な栄養素が含まれており、先住民たちの健康を支えていたのです。
ではなぜそんなスーパーフルーツといわれるアサイーが、今までほとんど認知されてこなかったのでしょうか?
それは、アサイーの特殊な栽培環境にあります。アサイーは劣化がとても早く、すぐに酸化して豊富な栄養素がなくなってしまいます。そのスピードはブラジル市内ですら流通できないほどなのです。
そのため、今までその効果を実感できるのは現地の先住民たちだけでした。
ですが2000年頃、この栄養素に注目したアメリカの企業が現地に工場を設立しました。そこでアサイーの冷凍保存やフリーズドライ化に成功し、世界の市場に出回ることになったのです。それでも無名のアサイーは認知されるまで時間がかかりましたが、一軒一軒ジュースバーを回ったり、即売イベントを行ったりするなどの地道な努力の積み重ねで、次第に広まっていきました。
アサイーは食物繊維が豊富?日本人女性に不足がちな水溶性食物繊維について
アサイーが美容と健康に良いとされる理由はその栄養素にあるとお伝えしましたが、中でも注目したいのは食物繊維です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状になることが特徴で、適度な粘着性を持った水溶性食物繊維は、胃腸をゆっくり移動するのでおなかがあまり減りません。また、余分な糖質が腸内で吸収されることを防ぎ、血糖値の上昇を抑えます。また、胆汁酸やコレステロールを吸着させやすい性質を持ち、これらを体外に排出する役割も担います。
不溶性食物繊維は吸水率の高さが特徴で、胃腸内で水分を吸収することにより、便のかさを増やし、スムーズな大腸の収縮運動を促します。
日本人女性にとって特に不足しているのは水溶性食物繊維だといわれていますが、アサイーにはこの水溶性食物繊維が豊富に含まれているのです。
これらの食物繊維がごぼうの3倍もあるアサイーは、まさに便秘解消に最適な食材といえます。
アサイーは驚異的な栄養素を含む食材ですが、あくまで果実。過信による食べ過ぎは禁物!
ほかにも先に述べたような豊富な栄養素を含みますので、便秘でお困りの方だけではなく、アンチエイジングを意識されている方や、身体の代謝を気にしてダイエットに励む方などにもおすすめです。
ただしアサイーはあくまで果実ですので、食べたらすぐにお肌がキレイになったり、体の調子が良くなるものではありません。また食べ過ぎは下痢などの症状を招き逆効果です。
正しく長く摂取することでバランスの崩れた腸内環境が整い、便秘などのつらい症状を改善できるため、美容と健康の維持に適しているといえるのです。
ちなみに、アサイーそのものには甘みや酸味などの味はほとんどありません。ですので、フルーツやシリアルなどと一緒に食べる「アサイーボウル」と呼ばれる食べ方がおすすめです。
アマゾンが産んだ脅威のスーパーフルーツ「アサイー」を正しくおいしく食べて、美容と健康を維持しましょう。
ライター Piron3
食品会社で働く傍ら、うんトピで記事執筆中。
食品がスゴク腸活に役立つことを知って、今更ながらびっくり!
仕事の経験と知識を活かし、老若男女にわかりやすい記事の執筆を心がけます。