腸活系商品やサービス、腸活につながる研究などをおこなう企業におうかがいし、担当の方にインタビューするこの企画、今回からはウンログ社長の田口が突撃します。商品・サービスの特徴や魅力だけでなく、企業が商品にかける想いなどをお伝えします。第4回は、帝人さんを訪問。
オーストラリア生まれのスーパーフードとして注目を集める「バーリーマックス」を担当する北薗英一さんに、お話を聞いてきました。
素材会社が開発するスーパー大麦「バーリーマックス」とは?
バーリーマックスってどんな商品なんですか?
北薗さん:
オーストラリアで生まれたスーパー大麦です。大麦って食物繊維の量が一番多い穀物なんですけど、バーリーマックスの場合は一般的な大麦の約2倍の食物繊維を含んでいます。
田口:
まさに食物繊維の王様ですね。
北薗さん:
また、バーリーマックスに含まれる4種類の食物繊維「β-グルカン」「レジスタントスターチ」「フルクタン」「アラビノキシラン」が、それぞれ腸内細菌の良いエサになるというのも大きな特徴です。
田口:
へー!腸内細菌のエサになる成分って実は少ないですもんね。
北薗さん:
そうなんですよね。腸内細菌のエサとなる成分で代表的なものって5〜6種類だと思うんですが、バーリーマックスにはそのうちの4種類が入っているということで、とても腸に良い食品だと思います。
田口:
バーリーマックスは、どんな人に食べてほしいですか?
北薗さん:
日本人だけじゃなく、世界中のみなさんに食べてほしいと思っています。それは僕らのミッションでもあるんですけど。
田口:
どういうことですか?
北薗さん:
帝人は素材会社なので、縁の下の力持ちっていうか、あまり表に出てくる会社ではありません。いま僕らが目指しているのは、「我々の素材をすべての食品に入れたい」ということなんです。それと合わせて、腸からの健康増進という機能を持ったものをやりたい。
田口:
おお!スケールが大きいですね。
北薗さん:
まあ、すべての食品って言うと大げさかもしれないけれど、皆さんが毎日食べる食品の何かには必ず入ってる、というような世界を作りたいんです。だから、子供だけに食べてほしいとか、お年寄りだけに食べてほしいじゃなくて、皆さんに食べてほしい。
田口:
なるほど。素材の会社である帝人に食品のイメージを持っている人は少ないと思いますが、そうした想いがあったんですね。縁の下の力持ちという言葉がしっくりきました。そうなると、バーリーマックスに続き、食物繊維「イヌリア」の展開を始めたのにも、繋がりがありそうですね。
北薗さん:
天然のイヌリンであるイヌリアは、バーリーマックスを開発したときにフルクタンを知ったのがきっかけ。「すべての食品に入れる」って考えたときに、どうしてもバーリーマックスだと難しい食品があったんです。
田口:
ご飯やパン、お菓子とかには向いてそうですけど、ヨーグルトのような溶かす必要があるものには向かなそうです。
北薗さん:
もともと溶けないものですからね。だから「バーリーマックスではカバーできない領域を埋められる素材を見つけなきゃいけない」ということで、注目したのがバーリーマックスに含まれるフルクタン。そのときに水溶性の食物繊維の市場を調べたら、世界中で一番食べられている食物繊維が、実はフルクタンの一種であるイヌリンだったということを知りまして。これなら、広く食材をカバーできるなと思ったわけです。
ウンログでのモニター調査ではビフィズス菌の増加に効果あり
ウンログでは以前、スーパー大麦のモニターを行ないましたね。当時のことは覚えていますか?
北薗さん:
2017年ですよね。
田口:
肥満の方向けに、BMIが24以上腹囲90センチ以上の30代〜50代の女性を募集して、BMIが下がるかという検証でした。結果は落ちたんですよね。
北薗さん:
そのほか、ビフィズス菌やフィーカリ菌が増えていましたね。特にビフィズス菌は2倍に増えるなど、大きな効果が出ていたのを覚えています。
田口:
ビフィズス菌が大きく増えたのは、やはりバーリーマックスの特徴ですか。
北薗さん:
そうですね。ビフィズス菌と最も相性が良い食物繊維であるイヌリンが、バーリーマックスには10%も入っているんです。
田口:
普通の大麦にはほとんど入っていないですよね。
北薗さん:
はい。そういう意味では、理にかなったデータがちゃんと取れているのかな。食べ続ければ必ず、体感のある素材だと思ってます。
田口:
ちなみに、バーリーマックスのおすすめの食べ方って、ありますか?
北薗さん:
評判がいいのはキーマカレーですね。あとは、お肉と合わせて入れたり、納豆に入れて食べるみたいなのが人気だったりします。見た目にも違和感ないですしね。
田口:
何かにふりかけるというのも良さそうですね。
北薗さん:
あ、それすごくいいと思いますよ。サラダにふりかけるのは美味しそうです。食感を楽しむように食べてもらえればいいですね。
田口:
この30分ぐらいで、バーリーマックスについてすごい学べました(笑)。
プレバイオとプロバイオの両輪で世界展開を視野に入れる
田口:
今後の展開についてはどう考えていますか?
北薗さん:
世界に少しずつ広げていきたいですね。まずは台湾から東アジアに広げていって、アジア全体まで。その次にヨーロッパを考えています。その先は……やってみてから考えます。
田口:
世界に出てどう響くかは、市場に出してみないと分かりませんからね。
北薗さん:
食品って、実は機能性素材じゃないですか。だから場面や用途によって使われる素材は変わってくる。そうなると、やっぱり一つの素材ですべてをカバーするのは難しい。だから、今後はパイプラインを増やしていくということを考えています。
田口:
イヌリアを開発したように、今後も取り扱う素材を増やす予定なんですね。
北薗さん:
ただ、安直にパイプラインを増やすことは考えていません。あくまでも腸にこだわって、パイプラインを揃えたいです。いまは、腸のエサになるものと腸にいる菌の2つに分けることを考えています。
田口:
プレバイオティクスと、プロバイオティクスですね。
北薗さん:
そうです。もともと、帝人として食品の領域に踏み込もうとなったとき、まずは僕らと関係性がある素材から入ろうと思って食べ物用の繊維を扱い始めたんですよ。僕らは素材、繊維の会社なので(笑)。
田口:
そして今度は菌そのものを扱うと。
北薗さん:
腸には、菌そのものがいますからね。中にはまだまだ活躍の可能性を秘めた菌もいます。菌の開発を行なうことで、また別のアプローチから腸を改善していければと思っています。プレバイオティクスと、プロバイオティクスを本格的に2つのパイプラインからガッツリ取り組む会社って世界的に見てもあまりないです。
田口:
業界的な存在感は今後増していきそうです。
北薗さん:
個人的にもっと尖っていきたいと思っているのは、菌に合うエサを作ること。要は、菌にとっての大好物なエサを作っていきたいんです。
田口:
腸内で特定の菌が少ないって人がいたら、「じゃあこのエサがあるよ」とフォローできるような。
北薗さん:
そうですね。腸にこだわってパイプラインを揃えていくことで、そういったことが今後実現できるかなと期待しています。
ウンログとの取り組みを通して
モニターやウンといいBOXなど、さまざまな施策を行なってきましたが、それを踏まえてウンログについて感じたことなどをお聞かせください。
北薗さん:
ウンログさんの一番良いポイントは、簡易的にデータがとれるというところだと思います。排便日誌からいかに情報をとっていくか、という目の付け所がすごいです。簡単にデータがとれるツールで探してくと、必ずウンログさんに辿り着きますからね。
田口:
ありがとうございます!
北薗さん:
フォロワーさんも増えて、もう100万人が見えてきましたよね。
田口:
実はYouTubeチャンネルで「ウンTube」というのもやってまして、月間で多い月だと50万〜60万人くらいの方に見ていただいています。YouTubeで「腸活」「便秘対策」と検索すると僕らのチャンネルが出てくるんです。
北薗さん:
へー!腸に悩む人がたどり着く場所になっているんですね。
田口:
北園さんから見て、ウンログにもっとこうなってほしいという要望はありますか?
北薗さん:
常日頃から、自分が食べたものにどんな効果があったか簡易的に調べられるものがほしいと思っています。もちろん、その一つがウンログだと思うのですが、もっと安い値段で気軽に検査できるツールがあればなあと。ただ、それを便で行なうのは難しい気もするので、口腔とかが良いんですかね。
田口:
腸内細菌予測みたいなことですね。
北薗さん:
そうです。ここを見たら自分の腸の環境がだいたい分かるといった、簡易的な検査ができるといいですね。口腔と腸は繋がっているので、必ず何かしらの因果関係はあると思うんです。だからその方程式をAIなどを活用して予測できたりしたら、面白いですね。
田口:
腸の時代と言われるくらい、いま腸が注目されていますもんね。そういった簡易的なツールはとても需要がありそうです。本日はありがとうございました。
ウンログ社長・田口の感想
機能性食品の新規事業としてスタートしたバーリーマックスをヒットさせ、イヌリンやプロバイオティクス領域の新商品も次々と世に送り出している北薗さん、これからの展開にも目が離せません!
ライター 早川大輝
「エンタメ」と「食」が大好きな編集者。小さい頃から胃腸が弱く、刺激の強い食べ物・飲み物を摂取したときや、プレッシャーのかかるここぞという場面では必ずお腹を下す