残り物には福がある!残りかすと侮るなかれ
「おから」にはどんなイメージがありますか?
豆腐の残りかす、パサパサしている…と、あまり良いイメージを持たれていない方もいるでしょう。
確かに、製造過程を考えれば残りかすなのは間違っていませんし、日持ちもしないため捨てられる量も多く、食材としては脇役といえるでしょう。
しかし、日本人の食生活に馴染み、健康を守ってきたスゴイ力があるんです。
食物繊維たっぷり 腸内スッキリ
そもそもおからはどのように作られているのかご存じですか?
大豆を煮てすり潰し、濾して出来るのが豆乳。その豆乳ににがりなどの凝固剤を加えると豆腐になります。そして残った物がおからです。
この過程で、おからは大豆からほとんどの食物繊維を譲り受けています。
おからに含まれている食物繊維はセルロースと呼ばれる不溶性食物繊維。うんちのかさを増し、腸のぜん動運動を促すので便秘解消に役立ちます。
また、腸内に溜まったコレステロールや老廃物をうんちと一緒に排出してくれる働きもあります。
美肌から脳の活性化に安眠まで おからパワーってすごい
食物繊維以外にも、おからには体に嬉しい栄養素がたくさんあるんです。
レシチン
不飽和脂肪酸の一種。血管の中のコレステロールを除去し、血流を改善させ、血液サラサラに。 動脈硬化に効果アリです。
脳の神経細胞には欠かせない栄養素で、脳の老化による物忘れや認知症の予防になります。
大豆サポニン
苦味成分ですが、余計なものだと思ってはダメですよ。動脈硬化や高血圧の原因である血管内の脂肪を取り除いてくれます。
便通を良くしてくれたり、活性酸素の働きを抑えてくれるので、アンチエイジング効果も期待できます。
大豆イソフラボン
大豆の栄養素といえばコレ!ご存知の方も多いでしょう。
一番の特徴は、女性ホルモンのエストロゲンと働きが似ていること。 生理時のイライラの軽減や、更年期障害対策に有効です。
カルシウムが溶けるのを防ぐ働きがあり、女性に多い骨粗鬆症にも効果的です。他にも乳がんの予防になるなど、女性には嬉しい栄養素ですね。
カルシウム
丈夫な骨や歯を形成するのに欠かせないカルシウム。 おから100gあたりの含有量は81mgで、これは豆乳の5倍以上にもなります。
また、体の調子を維持するには睡眠が重要ですが、カルシウムには安眠効果も。
意識しないと充分な量を摂取するのが難しい栄養素ですので、多いに越したことはありません。
タンパク質
おからには、良質な植物性たんぱく質が含まれています。 タンパク質は筋肉を作るためには欠かせません。適度な筋肉をつければ基礎代謝が上がり、脂肪を燃やしやすい体になります。
賢いおからの食べ方を知ろう
おからの種類と保存法
おからには、生おから、乾燥おから、粉末おから等の種類がありますので、料理や保存期間に合わせて選びたいですね。
生おからは豆腐と同じく、賞味期限が短いので注意が必要です。一度に食べ切れない場合は、冷凍すると長持ちします。乾煎りしてからでもOK。
低カロリーなおから。でも油を吸いやすいんです
おからを料理に使うとカロリーを大幅にカット。
おかずやおやつの材料として置き換えれば、飽きることなくおからを食べられますよ。 例えば、小麦粉をおからに置き換えると、およそ2~3割カロリーを低くすることが可能です。
ただし、おからは油を吸収しやすい食材です。パサパサ感を補おうと油をたくさん使ってしまっては本末転倒になってしまうので気をつけましょう。
食べ過ぎるとお腹が緩くなることも
おからに含まれる不溶性食物繊維は水分を含むと膨張し、満腹感を得やすいのですが、食べ過ぎてしまうと胃腸に負担がかかり、下痢になることもあります。 既に下痢気味の場合だと、排便をさらに促されてしまうので悪化する場合が。
そうならないよう、おからを食べる量は1日に50グラム程度に抑えておきましょう。 およそ一食分の置き換えに相当する量です。
まとめ
残り物食材のイメージのあるおからですが、タンパク質や食物繊維を豊富に含み、便秘解消やダイエットの強い味方です。
値段も安く、置き換え食材としても大活躍ですが、過剰摂取は禁物。何事もバランスが大事です。
性質を理解し、普段の食生活に賢く取り入れてみてくださいね。
ライター KURO
趣味の自転車を楽しむためにも、お腹の冷えにめっぽう弱い体質を改善しようと奮闘中。
読んだ人が、少しでも「ためになった」と思ってくれるような記事を書いていきたいと思います。