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ねかせ玄米・酵素玄米・発酵玄米は腸活にいい?栄養量や炊き方を専門家に聞いてみた

玄米よりも柔らかく健康によいと、かねてから噂のねかせ玄米(酵素玄米・発酵玄米)。どうやらその効果は健康だけでなく、美容や腸活にも効果があるようです。今回は日本発酵文化教会の認定講師や、日本雑穀協会の雑穀エキスパートとしてご活躍されている伊藤純代さんに、ねかせ玄米(酵素玄米・発酵玄米)についてお伺いしました。

ねかせ玄米・酵素玄米・発酵玄米どれも同じ玄米なの?

お店やメーカーによって呼び方が違うねかせ玄米や酵素玄米、発酵玄米。まずはその違いについて伊藤さんに聞いてみましょう。

定義に沿うと違和感を持つ”酵素”や”発酵”

ねかせ玄米や酵素玄米、発酵玄米など、大きく分けると3つほど呼び方がある玄米ですが、実はどれも同じものです。現在の発酵と酵素の定義に沿って考えると、酵素玄米や発酵玄米には違和感を持つ方もいるので、誤解がないように「ねかせ玄米」と呼ぶところが多いように感じます。

例えば、現在の酵素の研究では失活温度は65℃とされています。玄米を炊くとき、温度は100℃を越え、保温では平均75℃前後になります。失活温度を越えると酵素は死滅するため、玄米は発酵していないと考える方もいらっしゃいます。

一方で、ねかせ玄米は味噌が熟成するのと同じように時間の経過とともに茶色に変化します。それが発酵によって食品が茶色に変化する「メイラード反応」に似ているという方もいるんです。

発酵食品に微生物が関わっていることが分かってから、まだ130年程度。実は現在発見されている微生物もまだ僅か。100℃以上の高温でも耐えうる酵素があるという一部の研究結果も出ています。

未だに謎の多い発酵や酵素の世界だからこそ、呼び名については賛美両論あります。でもねかせ玄米は白米と比べると、驚くほど栄養量が高いんです。

玄米がもたらす身体への効果と栄養量

白米と玄米を比較してみると、全ての栄養量が白米より高い玄米。腸活をしている方は、毎日の食事を白米から玄米に変えるだけでも変化がありそう。伊藤さんに白米との違いについて聞いてみました。

栄養分を代謝するビタミンB群が豊富

白米と明らかに違うのは、栄養をエネルギー変換してくれるビタミンB群が豊富なところ。ビタミンB1は糖質、B2は脂肪、B6はタンパク質を代謝してくれます。脂質や脂肪、タンパク質を持つおかずと合わせると、しっかりエネルギーを吸収することができます。

美容と健康に欠かせないビタミンE

特出して栄養量が高いのがビタミンEです。なんと白米の1200倍!ビタミンEは美容には欠かせない栄養で、美肌効果と老化防止、アルツハイマー予防、さらに血流の促進によるダイエット効果も期待できます。

さらに栄養量が高くなるねかせ玄米の小豆

小豆が入っているねかせ玄米は、普通の玄米よりもさらに栄養量が高くなります。食物繊維やポリフェノール、ビタミンB1やB2が多く、抗酸化作用が強い小豆。メーラード反応によって茶色に変化してできるメラノイジンには強い抗酸化作用があり、腐敗を防ぐ効果があります。また、玄米の栄養を吸収しやすくする作用もあるんです。

腸活に玄米は効果的なの?

腸活に欠かせない食物繊維が豊富

玄米は、善玉菌のエサになり腸内環境を整える不溶性食物繊維が豊富なので、腸活には効果的だと思います。不溶性食物繊維は水分を吸収してうんちのカサ増しをしてくれるので、デトックス効果が高くなります。ただし、カチカチ便のひどい便秘の方は腸に溜め込んでしまう傾向があるので、自分の腸に合うかは便通の良し悪しで判断しましょう。

ねかせて増えるGABAは腸活の味方

玄米をねかせることで、アミノ酸の一種であるGABAが増えるそうです。GABAはリラックス効果が高く、睡眠改善やストレス解消にも効果的。ストレスによる便秘や下痢になりやすい方は、ねかせ玄米で腸活がスムーズになるかもしれません。

3歳未満の子どもやお年寄りはご注意を

稲の果皮、胚芽、ぬかを残しているからこそ栄養量が多い玄米ですが、一つだけデメリットを挙げると、消化に悪いです。そのため、消化機能が未発達な赤ちゃんや3歳未満の子ども、誤嚥の心配があるお年寄りは消化できずお腹を壊す可能性があります。また、穀物の中でも玄米は、アレルギーが発生する可能性が高いので、乳幼児はアレルギーにも注意が必要です。
普通の玄米よりは消化がよいねかせ玄米ですが、3歳以上のお子さんからほんの少しづつ、肌に赤みが出たりしていないか様子をみながら食べさせましょう。

ねかせ玄米・酵素玄米・発酵玄米の炊き方

伊藤さんおすすめのねかせ玄米の作り方は、圧力鍋で玄米を炊いて炊飯器で3日間ねかせる方法。圧力鍋で炊いた玄米で作ると、もちもちしてより美味しく食べやすくなるそうです。

ねかせ玄米のつくりかた

準備するもの
大きめのボール
泡立て器(自宅にあれば)
圧力鍋
炊飯器

材料(3合分)
玄米 3合
小豆 30g
天然塩 5g
水 570cc(玄米分:540cc+小豆分:30cc)

つくりかた
1. ボールに玄米と小豆を入れて泡立て器でとぐ
玄米と小豆をとぐときに泡立て器を使って表面を傷つけると、水が浸透しやすくなったり、糠の酵素を引き出す効果があると言われています。30回転を3セット程度を目安に水がキレイになるまで行います。

2. 分量の水と天然塩を入れてよく混ぜる

3. 30分以上浸水させる
玄米は12時間以上浸水させると発芽玄米になります。発芽玄米になることで玄米が持つ毒素が抜けて、うまみ成分のイノシン酸やGABAがさらに増えると言われています。

4. 圧力鍋にセットして火をつけて玄米を炊く
圧力がかかったらとろ火にして約15分程で玄米は炊けます。ただし、圧力鍋によって炊く時間が違うケースがあります。取扱説明書をよく読んで、使用方法や時間を確認してから行いましょう。

5. 炊き上がった玄米と小豆を炊飯器に移してよく混ぜて保温を開始する
保温をするときに炊飯器のふちに米粒を残すとカピカピに乾燥してしまいます。玄米と小豆は真ん中に寄せ集めて保温しましょう。

6. 1日1〜2回程度かき混ぜる
かき混ぜるときは雑菌が入らないように、清潔なしゃもじを使用しましょう。高温でも死滅しない納豆菌が入ると、ねかせ玄米に納豆の匂いが移ってしまうことがあります。納豆を食べた直後に炊飯器を開けたり、かき混ぜるのは避けましょう。

7. 3日経過したら出来上がり
ねかせ玄米ができたら3日から1週間以内に食べてください。食べきれないときは小分けにして冷凍保存しましょう。

まとめ

普通の玄米よりも食べやすく栄養量が多いねかせ玄米。美容と健康そして腸活にもいいと分かれば、食生活に取り入れない手はありません!ただし、コロコロ便やカチカチ便の便秘でお悩みの方はお腹の様子を見ながら食べてくださいね。

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