牛乳を飲むと腹痛が… これって乳糖不耐症かも

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牛乳が大好きで、栄養価も高いので飲みたいと思っている。 でも、実際に飲むといつもお腹がゴロゴロしてきてしまう……そんな人もいるのではないでしょうか。 牛乳でお腹が冷えたのかな?なんてお考えかも知れませんが、それは、実は乳糖不耐症かも知れません。 乳糖不耐症という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるでしょう。 乳糖不耐症って何?という疑問から、どんな症状があって、どんな解消が法があるのか……。 今回は乳糖不耐症について詳しくお話しします。

牛乳を消化するためには「酵素」が必要だって知っていましたか?

まず、乳糖不耐症について知っておきましょう。乳糖不耐症の「乳糖」とは牛乳やミルク、母乳などに含まれる甘みを感じる栄養素のことで、ラクトースとも呼ばれます。 この「乳糖」は小腸に入って乳糖分解酵素(ラクターゼ)に消化されてはじめて吸収されますが、乳糖不耐症の人はこの乳糖分解酵素が無いか少ないため乳糖を消化、吸収できない体質です。 これは生まれつきそうである人もいあれば、成長によって少なくなる人、病気によって後天的になってしまう人もいます。

人種や年齢によっても乳糖分解酵素の量は違う

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乳糖不耐症は年齢や人種、遺伝によっても差があり乳糖不耐症がある人とない人があります。 どのような差があるのでしょうか?

●年齢による差

生まれてから離乳するまでの赤ちゃんは、栄養の全てを母乳やミルクでまかなっているため、全ての赤ちゃんが乳糖を分解する乳糖分解酵素を豊富に持っています。 ところが、離乳が始まり母乳やミルクを飲む回数が減ってくると徐々に乳糖分解酵素の合成が少なくなり、固形の食べ物を消化吸収しやすい腸へと変化していきます。 そのため、日本の成人の約40%は、症状の差はありますが乳糖不耐症があるといわれています。

●人種による差

乳糖不耐症を持つ人は人種によっても差があります。 乳糖不耐症は、欧米人にはほとんど見られませんが、米国先住民には80~100%、アジア系人種は95%、アフリカ系米国人、ユダヤ系の人種は60~80%、スペイン系の人種は50~80%が乳糖不耐症を持つといわれています。 通常は、離乳が始まると乳糖分解酵素が徐々に減っていきますが、牛など家畜を業(なりわい)とする人種は牛乳を日常的によく飲むため、成人になっても乳糖分解酵素を持ち続けることができるようになったといわれています。

●遺伝による差

もともとの遺伝によって乳糖分解酵素が少ない人やない人もいます。 乳糖を消化する能力は優勢遺伝ですが、遺伝的に欠損していれば乳糖不耐症の症状が現れてしまいます。

乳糖不耐症の症状。消化できないとどうしてお腹がいたくなる?

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牛乳の中に含まれる乳糖が消化できないと、体内ではどのようなことが起こるのでしょうか。 その症状も見ておきましょう。 消化できなかった乳糖は大腸の腸内細菌によって脂肪酸や炭酸ガス、水などに変化します。 発生した炭酸ガスによって大腸が刺激されるとお腹が痛くなったり、ゴロゴロとしぶり腹になったりします。 また、消化できなかった牛乳成分で大腸の浸透圧が高くなると、大腸からの水分の吸収が少なくなるので下痢を起こしてしまいます。

乳糖不耐症を治す方法はある?

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では、どうやったらこの症状を解消できるの? そう思われた方もいらっしゃると思いますが、乳糖不耐症を治すための薬は残念ながらありません。 そのため、原因となる乳糖を含む食品を避けるか控えるしかありません。 また、乳糖を発酵させている(微生物によって分解されている)状態の食品だと症状が出ないという人も多いので、ヨーグルトなら大丈夫!!という人は、ヨーグルトなどで乳製品を摂取するという方法もあります。 未熟児で生まれ乳糖分解酵素が少ない赤ちゃんに対しては、乳糖が分解された特殊ミルクで対応、治療がされていますし、成人用にも乳糖があらかじめ分解されている牛乳もあるので利用してみてもよいでしょう。

まとめ

乳糖分解酵素は、そもそも大人になる過程で少なくなっていく酵素ですし、日本人の約40%は乳糖不耐症を持つといわれています。 また、いわゆるミルクアレルギーや代謝異常の一つであるガラクトース血症とは違うので、神経質に牛乳を避ける必要まではありませんが、自分の「体質」を把握して、症状の程度によっては上手に対処していくことが必要です。
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