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食物繊維は腸活には欠かせない!1日のなかで効率よくとり入れる3つのポイント

便秘には食物繊維をとろう!という話をよく聞きますよね。食物繊維は消化酵素で消化することができない難消化性の栄養素です。以前はお腹の調子を整える程度の認識でしたが、近年の研究では腸内環境を整えるためには欠かすことができない働きをしていることもわかってきました。

今回は、食物繊維の働きや種類、効率よく摂取するためのポイントをご紹介します。

食物繊維の種類は2つ!不溶性食物繊維と水溶性食物繊維って?

便秘の改善や腸活には食物繊維が大切!とはよく聞きますが、むやみにたくさん量をとればいいというものではありません。実は、食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があるんです。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取することが腸活成功のカギ。それぞれの食物繊維の特徴についてご紹介します。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は腸内で水分を含んで膨張します。うんちのカサを増して容量を増やしたり、うんちの容量が増えると腸管を刺激して、ぜん動運動を促進し腸内の通過時間を短縮します。

野菜類などに多く含まれ、ザラザラやボソボソの食感があります。噛みごたえのある食品が多いため、咀嚼回数を増す効果も。咀嚼回数が増えると胃酸の分泌を促進するなど消化へも良い影響を与えます。

◎不溶性食物繊維の種類

セルロース:
植物の細胞壁を構成する主成分です。大豆や根菜類、穀類に多く含まれます。

ヘミセルロース:
植物の細胞壁を構成する成分です。大豆や根菜類、穀類に多く含まれます。

リグニン:
大腸内でポリフェノール様の働きをするため、腸内細菌の多様性増大効果が期待されます。血中コレステロールを抑制する効果も認められています。イチゴなどの種の部分、豆類、カカオなどに含まれます。

キチン:
胆汁酸を吸着して血中コレステロールを低下させるほか、体内の有害物質などを吸着して体外へ排出する働きも期待できます。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は水分を含むとゲル状になります。腸内でうんちの水分量を増やして排出しやすいかたさにする効果が期待できるため、便秘がちな人には欠かすことができません。

さらに、腸内細菌のエサとなって腸内で発酵を促進し、腸内環境の改善も見込めます。発酵の過程ではビタミンや有機酸などがつくられるので全身の健康にも影響を与えているんです。酪酸、酢酸、プロピオン酸をはじめとした短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性に保つことで腸内環境を良好にしたり、腸のぜん動運動を促進する効果も期待できます。

◎水溶性食物繊維の種類

ペクチン:
植物の細胞間の粘着物質です。りんごなどに含まれ、熟していないときは不溶性ですが、熟成が進むに連れて水溶性へと変化します。

グルコマンナン:
コンニャクに含まれる食物繊維です。消化の影響を受けにくく、食べたものを胃で包み込んで消化吸収を防ぐ効果もあります。

アルギン酸:
海藻類の細胞間物質に含まれているゼリー状の多糖類で、海藻類の粘りのもとになる成分です。腸内でナトリウムを吸着して排出することができます。

β-グルカン:
ブドウ糖(グルコース)が結合した多糖体です。β-グルカンの中には免疫向上作用が確認されているものもあります。

イヌリン:
ブドウ糖(グルコース)が結合した多糖体です。腸内で発酵の影響を受けるとフラクトオリゴ糖となり腸内細菌のエサとなります。

食物繊維はデトックスに効果抜群。腸活には欠かせない5つの働き

さまざまなデトックスの方法の中でも、健康的なうんちを出すことは特にデトックス効果が大きいです。うんちを出すために欠かすことができないのが食物繊維。なぜ腸活に食物繊維が大切なのか、その5つの働きをまとめました。

不溶性食物繊維がうんちを形成する

うんちは約80%が水分で構成されています。水分を吸収することで膨張し、うんちを形成しているのが不溶性食物繊維です。うんちのカサを増すため、食物繊維量が十分に摂取できているとうんちの量を増やすことができます。

不溶性食物繊維が腸のぜん動運動を促す

水分を吸収して膨張した不溶性食物繊維は腸管を刺激し、ぜん動運動が促進します。ぜん動運動が活発になると、うんちが腸の中にとどまる時間が短縮されてスムーズな排便を促します。

水溶性食物繊維がうんちを柔らかくする

水溶性食物繊維は腸の中で水分を含むとゲル状になるのが特徴です。うんちの水分量を増やすので、うんちが柔らかくなりいきまなくてもスルリと出せるようになります。

水溶性食物繊維が腸内細菌のエサになる

腸内細菌が活発に働いて腸内環境を整えるには、腸内細菌の良質なエサが必要です。その代表的なものの1つが水溶性食物繊維。腸内細菌は水溶性食物繊維をエサとして発酵しています。腸内細菌が水溶性食物繊維をエサにして作りだす代表的なものが短鎖脂肪酸と呼ばれる脂肪酸です。短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に保つほか、免疫向上など体への好影響が確認されています。

水溶性食物繊維が余分な栄養素を吸着する

水溶性食物繊維はコレステロールやナトリウムを吸着し、うんちと一緒に体外へ排出してくれます。血中コレステロールの低下や高血圧の予防などの効果も期待できるのです。また、小腸で栄養吸収のスピードを緩やかにするため、血糖値の上昇を抑える効果もあります。

不足しがちな食物繊維。日本人は特に足りていない!

1日にどれくらいの食物繊維量を摂取したらいいのでしょうか。食物繊維の1日の摂取量の目安についてご紹介します。

食物繊維摂取目標量は18〜64歳で18g以上

厚生労働省の策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維摂取目標量は18〜64歳の女性で18gです。

実はこれはアメリカとカナダの摂取基準である1日に24gから考えられたもの。「平成 28 年国民健康・栄養調査」では、日本の成人の食物繊維摂取量は中央値で13.7 gです。10g以上も足りていないため、現実的に実現可能な数値として24gと13.7gの中間値である18.9gが目標量として設定されました。

個人の体型や体重によって、毎日18gの食物繊維が多い場合も少ない場合もあります。自分にとって最適な食物繊維量を摂取できているかどうかの目安は、理想的なうんちが出ているかどうか。スッキリできる量のうんちを作り出せる食物繊維量を目指しましょう。

1日の食物繊維不足分は約8g。

日本の食物繊維目標摂取量に対して実際の食物繊維摂取量は15〜49歳で約8g、50〜59歳でも約4g不足しています。さらに不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合を見てみると、水溶性食物繊維は特に少ないことがわかります。

平均の食物摂取量は1950年から減り続け、2008年では約半分の量になりました。原因は食の欧米化。動物性タンパク質や脂質の摂取量が増えた分、炭水化物や食物繊維の摂取量が減っているのです。

食物繊維の摂取量を増やして効率よく腸活する3つのポイント

食物繊維の摂取量を増やすにはどうすればいいのでしょうか?無理せず、毎日の食生活の中で効率よく食物繊維を摂取する3つのポイントをまとめました。

毎食少しずつプラスしよう

毎日の食事の中で食物繊維の量が多いものをひとつ加えることから始めましょう。突然食事の内容を全て変える必要はありません。食物繊維の多い食材のおかずを1品足したり、迷ったら食物繊維が多い方を選んだり。少しずつの積み重ねで食物繊維量を増やしていけるのがベストです。

自炊をするときは、食物繊維の多い具材を選ぶようにする、食物繊維の多いものをちょい足しするなどもおすすめです。

水溶性食物繊維を意識的に摂取するようにしよう

水溶性食物繊維は不溶性食物繊維に比べて含有量が少なく、意識的にとるようにしなければいけません。水溶性食物繊維が豊富に含まれる海藻類や大麦、熟したフルーツなどを積極的に取り入れるようにしましょう。

食物繊維のサプリメントに頼るのも◎

食物繊維量を手軽に増やしたい場合は、食物繊維のサプリメントを活用しましょう。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がどちらも入っているものや、乳酸菌などが一緒に含まれるものなど種類はさまざま。錠剤や粉末状など形状も種類が豊富です。自分のライフスタイルに合わせた形状を選んでください。

腸活するなら、まずは食物繊維をとろう!

腸の健康指標であるうんちのもとになり、腸内細菌のエサにもなる食物繊維は腸活には欠かすことができない栄養素だということがわかりました。毎日の食事の中で少しずつ量を増やしていきながら目標量摂取を目指しましょう。自分にあった量をとれているかどうか、うんちチェックすることも忘れずに!
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