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堀江さんはアルコールアスリート!?

今の研究では解明不能!? ホリエモンこと堀江貴文さんの特殊な腸内フローラとは

10月にサービスリリースしたウンログ・腸内フローラ検査。 一足先にヘルスケア分野にも造詣が深い堀江貴文さん&寺田有希さんの腸内フローラを検査させていただきました。対称的な結果が出た2人ですが、その結果は…? 2人の結果を、腸内細菌専門家・岡山大学教授の森田英利先生とアプリウンログの生みの親・田口敬が深掘ります。 ※本記事は、ホリエモンチャンネル・クリニックを記事化したものです。 >>第1回目の記事「今の研究では解明不能!? ホリエモンこと堀江貴文さんの特殊な腸内フローラとは」を読む

火山火口で偶然見つかった菌で、腸内フローラ研究は加速

堀江さん

腸内フローラの研究はどういう風にされているんですか?

森田教授

大きく2つにわかれます。病気の人や健康の人から検体(便)をもらって、腸内細菌叢(腸内フローラ)として見ているのが一つ。もう一つが、そこから個別菌を抽出して、それが生体にどういった影響を及ぼしているのかを研究する。この2つの研究を合わさって、腸内フローラがわかってくる。腸内フローラごとにどう健康や病気に影響するかなどの研究が進んでいます。

堀江さん

じゃあ、能力未知菌というのは……。

森田教授

これは生体への機能が分かっていないということで、菌自体のことはほとんど分かっています。

堀江さん

名前も分かっている?

森田教授

名前は9割位は分かっています。

堀江さん

それは体内にしかいないんですか? 自然界には?

森田教授

体内と同じ菌種のバクテリアが体外で見つかることもあります。でも、お腹の中の菌と土の中にいる菌は、同じ菌種名がついていてもゲノムの状態が全然違うんです。人は人用、土は土用、でも名前は一緒ということがあります。だから、腸内フローラ研究ではあくまで人から取ったバクテリアを調べなければいけません。

堀江さん

つまり僕の中の能力未知菌も名前自体はほとんど分かっている?

森田教授

そうです。

堀江さん

その機能はどうやって調べるんですか?

森田教授

マウスなどの実験動物を使って研究します。

堀江さん

まず、菌を抽出して育てる?

森田教授

はい。生菌分離します。

堀江さん

そうやってシャーレで増やしたものをマウスの腸内に注射する?

森田教授

口から飲ませますね。

堀江さん

そして、影響を見ると……。

森田教授

この他、その菌自体のゲノムを解析したりもしますね。

堀江さん

この間、その動物実験で興味深いことを聞きました。蚕(かいこ)を使うんだそうです。

森田教授

実は僕らの界隈でも蚕を使う話は出てきているんですが、ごく一部の話です。でも、よくご存知ですね。

堀江さん

新しい抗生物質を発見した先生を取材した時に、蚕が良いと聞きました。蚕は虫なので人間から遠い生き物な気がしますが、例えば、黄色ブドウ球菌のように人間に悪いものは、蚕も同じように悪くなるそうで、同じような反応を見せる。そして、蚕の良い所はコストが低い。そもそも人間はシルクを作るために4000年以上前から蚕を飼育してきたので、すごく高い技術を持っている。しかも日本が世界のトップランナー。 だから、大量に作れて、コストが下げられて、なおかつサイクルが短い。腸内フローラの研究にもとても良いんじゃないかと。

森田教授

本当によくご存知ですね。

堀江さん

蚕を使えば腸内フローラの能力解析が早くなるだろうなと。それでぜひ僕の能力未知菌を調べて欲しいです。まだ名前がついていない菌はどうやって発見されているんですか?

森田教授

名前は、生物種として発見された時につきます。新菌種を探す研究者もいれば、腸内フローラを調べる過程でたまたま新菌種が見つかることもあります。

堀江さん

でも、それが新菌種だとどうやって分かるんですか?

森田教授

さすがに目視では分かりませんので、塩基配列を調べます。今までに見たことのない配列だったら新菌種かもしれない……と検討つけます。

堀江さん

塩基配列はコンピューター上でマッチングさせる?

森田教授

そうです。相同性のパーセンテージが出るので、100%なら既存の菌種ですが、たとえば、97%のものが出たりすると「少し低いな?」とより詳しく調べてみたり。

堀江さん

なるほど、ぜひ僕の腸内フローラから新菌種を見つけて欲しいですね。

森田教授

笑。じゃあ、「horie i(ホリエ アイ)」とつけますか?

堀江さん

その「i(アイ)」ってなんですか?

森田教授

学名だと最後に「i」ってつけたりするんです。ラテン語なんで。

堀江さん

いくらでも便を提供しますよ。腸内フローラは、面白いですね。

森田教授

まさに研究の宝庫です。

堀江さん

でも、これまでどうしてそんなに進んでこなかったんですか?

森田教授

先人の蓄積はもちろんありますが、ここ最近で一気に解析が進むようになったことと、一般の方への認知が高まったことは大きいですね。

堀江さん

シーケンサー(解析する機器)が安くなったのは大きいですよね。あと、サーマルサイクラーとDNA解析をする菌が火山火口近くの熱水から見つかったとか……。

森田教授

PCR法に、Taq(タック) ポリメラーゼですね。

寺田さん

サーマルサイクラー? PCR?

堀江さん

サーマルって温度のことでしょ。サーマルサイクラーってのは、温度を上げたり下げたりする機械で、温度が上がっている時にDNAを複製するというのを繰り返して、DNAを2倍、4倍、8倍……と比例級数的に増やしていく。量が多くなると検査しやすくなるので。これをPCR法というんだけど。 この時に使う、Taq ポリメラーゼってのは火山火口の熱水から偶然発見されたんですよね。でも、それまではどうされていたんですか?

森田教授

その前もPCRの技術自体はありました。ただ、高温にするとポリメラーゼが変性してしまいましたので、その度にポリメラーゼを追加していましたね。それが高温耐性を持つポリメラーゼ(Taq ポリメラーゼ)が見つかったことによって自動化が可能になりました。

堀江さん

以降はぐるぐる……。すごいですね。

森田教授

ですね。このPCR法とシーケンサーの技術の発達で、塩基配列がどんどん進むようになりました。

よりよい腸内フローラを目指して、アスリートを研究

堀江さん

ところで、健康の人の便を食べると健康になるって話を聞いたことがありますが。

森田教授

便微生物移植ですね。……以前は糞便移植(ふんべんいしょく)と言っていました。

寺田さん

便を食べる? それってどういうことですか?

堀江さん

健康な人の便は腸内フローラのバランスが良いので、それをバランスの悪い人に定着させる。

森田教授

はい。ただ、その場合、もともと棲んでいる腸内フローラを抗生剤で先にたたく必要があります。

寺田さん

まずは腸内の菌を0にして……。

森田教授

ですね。ただ、食べると言っても食べるのはなかなか難しいので、チューブで入れますね。

寺田さん

え? 本当に入れるんですか?

森田教授

はい。大体、トイレ1回分の便を入れます。

堀江さん

そんなに?

森田教授

固まりを液状化させるので、実際は何リットルレベルの量になります。入れ方は、2つパターンがありまして、鼻からチューブを入れて、胃の門脈から流す方法。もう一つは、海外で多いですが、肛門からチューブを通して、できるだけ腸の上部まで挿入して入れる方法。でも、日本ではあくまで医療行為ですので、健常の方がすることができません。ご自身でDIYを試すならできるかもしれませんが……。

堀江さん

でも、それをしないと命に関わるような病気ってあるんですか?

森田教授

移植片対宿主病というのがあります。白血病患者さんに、骨髄移植をしますよね? すると移植した骨髄の免疫が強すぎて生体を攻撃してしまいますので、免疫をゆるめる必要がある。でも、そのバランスを取るのが難しく亡くなってしまう方もいらっしゃいます。そこで免疫といえば腸ですから、便移植を試したところ、良い成果が出ました。私も関わっている研究論文が最近アクセプト(受理)されました。

堀江さん

腸内フローラと免疫系とのかかわりがやはり強いんですね。

森田教授

病気の方は菌の多様性も減ってしまいますね。それが免疫にも影響していると思います。逆にアスリートの方は、多様性が増します。

堀江さん

どういうことですか?

森田教授

研究で、健康な一般人の腸内フローラや病気の人の腸内フローラを見てきましたが、もっと良い腸内フローラはないだろうかと思いまして、アスリートを調べてみたんです。

堀江さん

どうでした?

森田教授

運動してない人と比べて良い腸内フローラを持っていました。菌種の多様性が非常にありました。病気の方は菌種の多様性が減ると論文でもよく言われていることですが、アスリートはその多様性が健常者よりもはるかに多かった。正直、すごく良かったです。アスリートの過酷な運動環境を身体が受け入れるための手段かもしれません。

寺田さん

なるほど、私は普通の環境で生きているから普通なんですね。

森田教授

いや、寺田さんは優秀なフローラでした。

寺田さん

わ。じゃあ、アスリートの腸内フローラにも近いですか?

森田教授

……えっと、バランスの調整菌も詳細に見ていくともっと細分化できまして、アスリートはその中でもより多様性が高いんですが、アスリートに特別多かったような菌は、寺田さんにはあまり見なかったかなぁと。

寺田さん

あら。

森田教授

まぁ、運動されてないので、アスリートに多い菌が少ないのは理に叶っているかなぁと。

堀江さん

また言いにくいこと聞いて……。先生困ってるやん。

寺田さん

だって気になるやん。こんなに褒められたらいるのかなーって。

堀江さん

まぁ、僕はアルコールアスリートだから。腸内の過酷なアルコール環境に耐える菌が……。

森田教授

それもアスリートかもしれない。笑
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