便秘くらいで病院に行くなんて、と思っている人も少なくないのでは?たかが便秘と甘くみてはいけません。便秘を放置していると治りにくくなったり、間違った対処法で悪化させることもあります。内科医の大塚真紀先生監修のもと、受診のタイミングや病院の選び方を解説します。
つらい便秘。いつ病院に行くべき?
便秘は放置しておくと徐々に悪化したり、場合によっては、慢性便秘症になることもあります。また、便秘の種類によっては、間違った自己流の対策によって、症状をさらに悪化させてしまうこともあるのです。
また、注意しなければならないのは、ほかの病気が隠されていて、便秘の症状が出ている場合です。受診を先延ばししていると、隠れた病気を進行させてしまうこともあります。ご自身が便秘で辛いと感じたときは、迷わずに病院へ行くようにしましょう。
病院ではどんな治療を受けるの?
便秘で病院へ行く場合、どの科を受診すればいいの?
便秘で受診するなら、まず、かかりつけの病院の医師に相談するようにしましょう。かかりつけの病院であれば、病歴などの情報を把握した上で診察をしてもらえるので、それぞれの人にあった改善策を提案してくれる可能性が高くなります。乳児や小児の場合は小児科、妊婦や授乳中の方は産婦人科を受診するようにしましょう。かかりつけの医師に相談してもよくならない場合は、胃腸専門の病院を自分で探すか、かかりつけの医師に専門病院を紹介してもらってください。便秘の対象となる診療科は、胃腸科や消化器内科、肛門科、内科などがあります。総合病院にかかる場合でも、消化器内科や肛門科など胃腸を専門に扱う科があるかを確認してみてください。
また、長期間便秘で悩んでいる方や、いろいろな病院を回ってもなかなかよくならないというときは、便秘外来を受診するのもおすすめ。便秘外来では、便秘の悩み解決を専門とする医師に診てもらうことができます。消化器内科や肛門科を扱う病院のホームページや電話で便秘外来があるかどうか、チェックしてみましょう。他にも数は少ないですが、腸内洗浄を扱う「コロンハイドロセラピー」などを専門に扱うクリニックもあるので、近くにないか探してみるのもよいでしょう。
大学病院のような大きい病院であれば高度で最先端の治療を受けられると思うかもしれませんが、便秘の治療の場合は、治療内容に大きな違いがありません。かかりつけ医や、受診しやすい職場や近くの病院を探して、受診するようにしましょう。
診察の流れは?
病院へ行くとまず問診があり、便秘の症状や便の状態以外にも生活習慣や食習慣、薬の服用歴などさまざまな質問を受けます。この段階で、医師が便秘の原因や便秘の種類、便秘になりやすい習慣などがないかを探ります。実際に医師がお腹に触れて、お腹の張り具合や腸の状態なども診ます。この診察で便秘の程度や原因を探ります。この後、必要に応じて、血液検査や大腸内視鏡検査など精密検査に進むこともあります。
便秘の治療法とは?
便秘の原因や便秘の種類が特定できたら、原因や症状に合わせて適切な治療に進みます。とは言え、慢性化している場合はなかなかすぐには良くならないので、医師と相談しながら治療法を探ることが大切です。- 食生活や運動などの生活習慣の指導
- 症状に合わせた便秘薬や座薬、整腸剤の処方
- 場合によっては腸運動調整剤や漢方などの使用も
- 便秘を引き起こす病気がある場合は病気の治療が最優先
食生活の乱れや運動不足などが便秘の原因の場合には、便秘解消のために専門的な立場から、生活習慣改善の指導がおこなわれます。また、間違った対処法や薬の服用の仕方をしている場合は、その指導もおこなわれます。
便秘薬には原因や症状にあわせ10種類以上あります。どのタイプの薬が適切かを判断して、その人に合った薬を処方してもらえます。薬の服用歴を見ながら薬の内容や量などの調整もおこなっていきます。
ストレスや自律神経の乱れによって起こると考えられている過敏性腸症候群の場合、便秘と下痢を繰り返すことがあります。そのような場合には、腸運動調整剤の処方が検討されます。また、便秘の症状によっては漢方の効果を期待できることもあります。
大腸がんなどの病気でも便秘を引き起こす可能性があります。検査で便秘の原因となる病気が判明した場合は、その病気の治療を最優先におこないます。医師の判断で、手術などの専門的な治療ができる病院へ紹介されることもあります。
まとめ:便秘が辛い場合はいつでも病院で相談を
医者 大塚真紀
腎臓、透析、内科の専門医。医学博士。
現在は夫の留学についてアメリカに在住。アメリカでは専業主婦をしながら、医療関連の記事執筆を行ったり、子供がんセンターでボランティアをして過ごしている。
アメリカにいても医師という職業を生かし、執筆を通して患者さんやその家族のために有益な情報を提供できたらと願っている。
助産師 tawara867
子どもや女性に関わる仕事をしていました。ウントピでも子どもや女性に多い便秘やお腹の不調についてたくさん書いていければと思います。自分自身も便秘薬が欠かせませない毎日・・・現在腸活中で、食事には発酵食品を取り入れるようにしています!
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