肉ばかり食べているとがんになる!?
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日本国内で死亡原因の第一位となっている病気はがんであることは、ご存知の方も多いでしょう。この死亡原因第一位のがんの中でも
大腸がんによって死亡する割合が、
男女総合でがんの中で第一位、
男性では第三位、女性でも第二位と大きくなっています。
この大腸がんですが、少し前までは大腸がんになる方は少なかったのです。(1975年は2011年の約1/6)
35年の間にその数が6倍になったというのですから驚きです。この原因として、食生活の欧米化があると考えられています。
昔の日本では米などの穀物や野菜、豆類などを中心に食べてきましたが、欧米の食生活によって肉や油ものなど
高脂肪の食事が好まれるようになってきました。この欧米の食生活の中でも特に肉が大腸がんの発症リスクを上げていると考えられています。
そもそも肉ってなにで出来ているのか?
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肉食でがんになりやすくなる??」……なんて聞くと少しびっくりしてしまいますよね。
でも、だからといって「じゃあ、お肉は食べない!!」なんていうのも極端です。肉は主に
動物性たんぱく質と
動物性脂肪の2種類を人間の体に提供していて、これらは肉類でしか摂取できないません。
つまり、全く肉を食べずないのも体にとって悪影響なのです。
問題なのは肉を食べすぎてしまうこと。
肉から摂取する動物性たんぱく質は腸内の悪玉菌を増加させる働きがあり、悪玉菌が腸内で増加するとで便秘にもなりやすくなります。そして、動物性脂肪は動物性たんぱく質よりももっと人体に悪影響をもたらすことがあります。
「動物性脂肪」こそが大腸がんリスクの原因!
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それではなぜ
動物性脂肪が体に悪いのか体の機能の観点から考えていきましょう。
動物性脂肪が大量に体内に入ると、動物性脂肪を分解しようとして肝臓から胆汁酸というものをたくさん分泌し、脂肪を分解して体への吸収効率を良くします。ここで問題になるのが肉の摂取によって動物性たんぱく質による腸内の悪玉菌が増加し、胆汁酸が悪玉菌と反応することによって
胆汁酸の性質が発がんを促進するものに変化してしまうことです。
発がんを促進する物質が体内に溜まるとその分だけがんになる可能性が高くなってしまいますから、大腸がんが増えた理由は腸内でのがん促進物質の増加といえるでしょう。
つまり肉を食べすぎることによって大腸がんになりやすくなるリスクが増加するといえます。
大切なのはバランスの良い食事
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「じゃあ肉を食べないのが健康だ!」と言いたいところですが、実はそうでもありません。
肉によって得られるたんぱく質や脂肪は細胞を作成したり、筋肉を増やしたりすることができるため、肉を全く食べないでいると体の調子を保つことができません。
ですから、気を付けるべきことは肉を食べないということではなく、バランスの良い食事を心がけるということです。
野菜は食物繊維が大量に含まれているので肉ばかり食べて便秘になりやすくなっている腸を助けてくれますし、
ヨーグルトや
納豆などの
発酵食品は腸内の善玉菌を増やす働きを持つので肉の食べ過ぎで悪玉菌だらけの腸内フローラを改善してくれます。
近年では野菜を取る量が昔と比べ減ってきているため、現代人は野菜を摂取する量を増やすように頑張らなければいけません。
さいごに
ここでは肉が大腸がんの原因になることについてご説明しましたが、がんの原因になるからといって肉を食べないことは体を整えられません。
肉を食べすぎないように配慮しつつ、米や野菜、発酵食品などバランスの良い食事をすることも健康を維持する大事な要素になります。